太郎天像
Taro-ten

太郎天さんは西不動の太郎天石屋にお住いであったが、今は千燈寺本堂にいらっしゃる。室町時代の作とのことだ。500年以上もお一人で天空を睨んで我々を護っておられたことになる。ぐっと唇を結んだ意志的なお顔立ちで、左手に扇、右手には蛇らしきものを握っている。羽には朱色が残る。「天」とは釈迦に帰依した古代インドの神々をいうが、「太郎天」さんはどうも後世の神さんらしい。長安寺にも「太郎天像」があるが、こちらは姿のいい木造で、二人の童子が侍している。二人の太郎天さんの関係を考えてみるのも面白い。
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