観音寺本堂
The main hall of Kannon-ji Temple

寺は息長山普賢寺といい、寺の略縁起には大御堂観音寺とある。ご住職に本堂の厨子の扉を開いていただき、国宝の十一面観音像を拝観した。厨子のすぐ傍で見上げ、堂の中央に戻って全体のお姿を拝見した。
この仏は白洲正子さんの「十一面観音巡礼」に詳しい。
「やはり天平のすぐれた特徴をそなえている。後補が大分あるので、損をしていられるが、仏像ばかりでなく、絵画でも陶器でも、虫眼鏡で観察するようなことに私はあきあきしている。そういうことは専門家に任せて、ただ全体が美しければそれでいい。その望みを観音様は充分に叶えて下さった。そして私は幸福であった。」(同書「聖林寺から観音寺へ」)
付け加える言葉はない。ただしばらく見とれた。  次へ