元興寺 僧坊
Sobo and Main Hall of Gango-ji Temple
夏の終わりの寺の裏庭。百日紅が咲き残り、萩が咲きはじめている。前方には前方には春日山が見え、その上に白い雲が湧いている。防火用水槽か何かのコンクリートの階段に腰をかけて、しばらくこの景色を眺める。万葉集には萩を歌った歌は多いが、百日紅はないと思う。萩は日本原産だが、百日紅は中国から渡ってきたからか。この寺ができた頃にはまだ日本には幾株も根付いていなかったはずだ。花も含めてこれは現在の風景であり、昔日とは違う。かつての大寺の面影は偲ぶべくもないが、それでも天平の甍は今も美しい。