醍醐寺五重塔
The five-storied pagoda of Daigoji-ji Temple

小雨の中の醍醐寺五重塔。村上天皇の天暦5年(951年)に完成した。今では京都で最古の建物とのこと。金堂とともに伽藍の中心であり、創建時は回廊に囲まれた壮麗な姿であったようだ。霊宝館は大改修工事に入ったため閉鎖されていたが、2000年に平成館が竣工し、2001年に上醍醐の薬師如来をお迎えする。霊宝館は設計者の今里隆先生によれば当初は木造を考えたが、ご本尊の薬師如来が安置されることになったため、500年耐用の特殊コンクリートの使用に踏み切ったとのことだ。先生は東京・谷中の日本美術院、池袋の古代オリエント博物館、奈良薬師寺の玄奘三蔵院絵殿、広島の平山郁夫美術館等の設計、池上本門寺、新国技館、京都四条の南座の改修などを手がけられたが、醍醐寺には格別な思いをお持ちになっている。「昨年、霊宝館は完成したが、私にはさらなる夢がある。下醍醐の伽藍を創建当時の姿に近づくように復元ができたらいいと願うのである。」(2001年4月25日、日本経済新聞朝刊)薬師如来さんは霊宝館に遷座される前に東京に来られ、醍醐寺展の主役をお勤めになっている。(2001年4月3日〜5月13日)