南門
Nan-mon Gate

「秋篠」とは、いい名前だ。伎芸天のお姿と「秋篠」という言葉が響きあって、この寺を香り高いものにしている。パンフレット「秋篠寺小誌・尊像略記」にはこの寺を詠んだ歌と句を載せている。

「秋篠やとやまの里やしぐるらむ生駒のたけに雲のかかれる」(西行「新古今和歌集」585)
「秋篠のみ寺をいでてかへりみる生駒がたけに日はおちむとす」(会津八一)
「贅肉(あまりじし)なき肉置(ししおき)の婀娜(たおやか)にみ面(も)もみ腰もただうつつなし」(吉野秀雄)

当麻寺が二上山とともに語られるように、この寺は生駒山とともに歌われている。それにしても吉野さんの歌は官能的だ。創建当初はこの南門のずっと手前に南大門があったようだ。門をくぐると左右に東西の塔の跡があり、東搭跡には礎石が残っている。
神功皇后陵、法華寺、平城京跡を歩いて近鉄西大寺へ。   戻る