九州遠征記  7/11

ようやくフェリーに乗りこむことができました。
半日をロスしてしまったのですが、仕方ないでしょう。
管理人の無計画さは今に始まったことではないのですから。


7月11日
 6:00 九州に立っている。北九州市は新門司港である。
      約12時間の船旅である。
      さてどこに行こう。
      管理人の実家にほど近く、多数ある釣り場の選定に迷う。
      南に下がれば豊前野池群。西へ走れば目的の佐賀県である。

      まずは、滅多に行くことが無い、福岡市へと車を走らせる。
      大都会の真中で雷魚を狙ってみよう。

      大濠公園へ向かう。約1.5Hの移動である。
      ここは中心に大きなな池が有り、バスとブルーギルが釣れる。
      また、その周囲に博多城の堀跡が有り、大きな雷魚が釣れることで有名である。

      まずは、大濠公園へ。目的はカモメに餌をあげることである。
      このような行動は、管理人の得意とするところであり、驚くにはあたらない。
      釣り人に状況をききながらカモメを探すが見当たらない。
      仕方ないので、足元に集まっているブルーギルに餌を撒く。

      たちまち集まるブルーギルで水面が盛り上がる。ものすごい数である。
      ふと見ると、大きなバスが現れた。クリアウオーターの中でギルを狙っている。
      約50cm,だが異様に口が大きく獰猛そうな面構えである。
      興奮に表皮の色を微妙に変化させながら、目をギロギロさせてギルを狙っている。

      一掴みの餌をバラマキ、ギルが興奮して集まる。その瞬間にバスが動いた。
      すごいスピードである。
      いつもの呑気な動きではない。一匹のギルに狙いをつけて水面下を追いかける。

      駄目である。捕らえることができない。
      ギルのスピードも相当なものである。それに小回りが効く。
      バスの突進を巧みにかわす。

      餌を撒く度に同様の光景が繰り返されるが、バスは餌を獲ることができない。
      ギルの群の下で悔しそうである。目をギロギロさせるばかりである。
      こんな日も有るさ。管理人にはしょっちゅうの事である。
      この不器用なバスに幸多かれと祈りつつ、大濠公園をあとにし佐賀県へと向かう。

      

      一部のかたは気がついたかもしれない。
      雷魚釣りはどうしたのかと。
      この件について触れないのが得策であろう。
      傷口に塩を塗るような行為は慎むべきであろう。
      ただ、ひとつ重要な点を申し述べておきたい。
      今回の釣り場の地名が大手町であり、どこかで聞いたことが有るな、
      とゆうことである。

      管理人は、こんなどうでも良いことを、さも大事そうに言ったり、色をかえたりして
      ごまかすのが得意である。

      佐賀県へと向かう。
      ここで、管理人はまたまた寄り道である。久留米市まで、車を走らせる。
      久留米と言えばラーメンである。
      九州ラーメンの発祥の地。食わずにはおれない。
      ごく一部のかたが呼ぶ管理人のあだ名は、小池さんである。

      本気で佐賀県へ向かう。管理人の目には涙さえ浮かんでいたことであろう。
      何も語りたくない。できれば、食べた物を吐き出して、もう一度食べなおしたい。
      こんな町、いや、こんな店は北欧の雷神、オーディンにでも叩き潰されるが良いであろう。
      
      筑紫平野を車窓に眺めつつ管理人は車を走らせる。
      いたるところに、ヒシモ、ハスに覆われたクリークが現れる。
      管理人は、自然に頬が緩むのを感じる。
      あんなラーメン屋のことなぞ、もうどうでも良い。
      二度とと行ってやるものか。
      あれで、久留米ラーメンとは呼ばせない。

      あまりどうでも良くなさそうである。

14:00 佐賀県佐賀市到着。
      地図を広げエリアを絞る。クリークの網目を目で追いクリーク間の繋がりを把握する。
      クリークとクリークが複雑に絡まり、迷路のようだ。
      北にのびたり、南へ下がったり、渦をまいているのも有る。
      目が回って、気持ちが悪い。

      この筑紫平野は、環濠集落と呼ばれる歴史上の家屋形式が残っている。
      家屋の周囲に堀をめぐらし、家屋と家屋を水路で繋ぐ。
      移動は、船であった。この水路がクリークとして雷魚の住処となっているのである。

      まずは小手調べである。
      複雑に渦巻きをなしているクリークを選び出す。
      車を進めていくと、田畑の中にそれらしきクリークが有る。
      水路沿いに車を進めると、本当に渦巻きであった。
      グルグルと渦を巻いて、最後は突き当たりになった。
      なんて道だ。
      バックでシズシズと戻る。

      手強い。うっかり畦道に入り込むと帰れなくなる。
      小手調べで、全て終わってしまうところであった。 


      今度は、慎重に選ぶ。シンプルなカギ型に曲がった水路が直角に4つ交わって、
      小さな水路が脇に繋がり、その先にやはりカギ型の水路が2〜3個交わって、
      最初の水路に橋が架かっているクリークだ。

      全然シンプルでは無い。

      いくつ目かの水路で、雷魚の幼魚を見つけた。
      第一期幼生と呼ばれる稚魚だ。
      5mmくらいの稚魚が、直径30cmくらいの雲のように群れをなして、
      ゆっくり移動している。
      すぐ傍らには、親雷魚が見守っている。
      なかなか微笑ましい。
      じっと眺めていると、気配を感じたのか、親雷魚はゆっくり沈んで行った。

      いくつかの水路を探るが、アタックさえも取ることができない。
      仕方なく、地元の釣具屋で情報を得ることにする。
      佐賀駅へ。

      おまわりさんに釣具屋さんを尋ねる。心当たりが無いらしい。
      県庁所在地、それも駅の前なのに近くには無いとのことである。
      職務に忠実なおまわりさんで、あちこちの人に声をかけてくれ、
      奥から、いかにも釣り人らしいおじさんを呼んでくれた。

      しかし、良くわからない。同じ九州生まれなのだが、微妙に言葉が違う。
      さかんにポイントを説明してくれる。釣具屋さんを聞きたいのに。
      しかたなく、言われた通りに2つ隣の駅前に行くと有った。
      釣具のポイントとゆう名前の店であった。
      
      フロッグを2つ買って、周辺の状況を尋ねる。
      いくつかのポイントを教えてもらって店を後にする。
      車で入っても無事帰ってこれる場所であることは言うまでもない。

      一つ目のポイントへと入ってみる。
      ヒシモが生えており、良い雰囲気である。
      ヒットは無かったが、アタックはいくつか有った。
      明日へ繋がるエリアである。

      終了間際にふと気づいた。
      近くに新しい公園を作っている。
      看板を見ると、’クリーク記念公園’である。

      何を記念するのだろうか。
      少し不安を感じつつ今日一日を終わる。