部隊長の憂鬱


日々の経過は、まさゆきさんのThousand’s Lakes  
および センちゃんの SITE−Bでお楽しみください。

読まないと何の事だか分からないと思います。



作戦終了

30日
   本日で淡路島での作戦は終了である。

   本日の部隊長の課題は、
   「獲る釣りを展開する」である。
   


   昨日不本意ながら、茶坊主氏よりその極意を盗む事に成功した。
   「魚の居る所で釣る」・・・・

   極意?・・・・・

   いや、私は一晩考えてみた。
   魚がどこに居るか考えて釣るのは重要な事ではなかろうか。

   常に頭を使って釣りをする・・・・
   ここが重要なポイントだろう。
   頭を使って魚を独り占めすれば良いだけだ。

   このままでは部隊長の面目丸つぶれである。
   やるしか無い。


   まずは茶坊主が大金星を上げた戦場へと深く静かに潜行する。
   この戦場は隊員からは、誰言うとも無く「まさゆき池」と呼ばれている。

   さて、到着だ。
   「一同散開」の号令を下し、おもむろに戦闘開始である。

   不本意ながら茶坊主ポイントへと歩き出そうとすると、既に高機動歩兵のセンちゃんが
   既にそちらへと歩き出している。
   さすがに素早い。

   「毛虫が出るぞ」とその背中に言葉を投げてみる。
   一瞬ピクッと反応したような気がした。
   戦士でありながら、虫が大嫌いなのをあえてここでバラしておこう。
   うまく別な場所に誘導出来れば良いが。
   私も大人気ないが、ちょっと頭を使ってみたのである。
   
   しかし効果は無かったようだ。
   くそう、とか思ったが部隊長の立場では口に出す訳にもいかない・・・・
   もう少し頭を使ってみよう。

   重火器担当のミリオネ氏は今日も土手の上からドッカンドッカンやっているようである。
   ふむふむ。
   潔いと言うか何と言うか、もうそろそろ沢山釣っても良いのだが。
   しかし、ヘタなアドバイスは私の魚が減るだけである。

   沈黙は金なり。
   今日の私の頭脳は明晰である。

   作戦参謀は相変わらず色々なリグを試しているようだ。
   もうなんだか、部隊長には理解できないくらい工夫をこらしてチビッコを釣りまくっている。
   そのうちに、「あるがワンド」と命名された奥の方へと消えて行った。

   そっちの方は小さい魚しかいないはずだ。
   ここでもアドバイスするべきでは無いだろう。
   もう好きなだけ釣って、奥でスズメバチにでも追いかけられてくれい。

   さて、今回注目を集める茶坊主氏は・・・・
   向うの方で何やら真剣にロッドを振っているようだ。
   感心感心。
   どんなリグを使っているか遠目で確認すると。

   見えない・・・・・
   と言うか、見えないくらいのワームを使用しておるようだ。
   おそらくシラス干しくらいの大きさだろう・・・・

   あ、そう言う事なのね。
   民間人を狙ってるって事なんだね。
   もう彼の仕事は終わったも同然だったんだ。
   ここは寛大に、このまま見守っておくべきだろう。

   これで魚は全て私の物である。

   私は本気である。
   スピナベをリグって、真剣にキャストを行う。
   繁った木の隙間に体をネジ込んでキャストした。
   木が折れて落ちかけた。
   思い切りの大遠投した。
   バックラった。
   近くに浮かんでいる邪魔っけなフローターを睨みつけた。
   スルドク睨み返された。
   滑って長靴に水が入った。
   靴下を乾かした。
   スピナベをロストした。
   むかっ腹が立った。
   池を一周した。
   おびただしく疲れた。
   時々ヒットした。
   でも魚は全部バラした。

   釣れん。
   頭を使っても釣れなければしょうが無い。
   つか、何かがが違う?

   まあ良いだろう。

   さしたる戦果を上げる事も出来なかったが、申し訳程度に皆の戦果を確認してみる。

   すると、高機動歩兵センちゃんが連発したとの事。
   う〜む。
   早速その場所は皆から「センちゃんワンド」と名づけられた。
   私の名前はいつ付くんだろう・・・・

   午後は戦士の休憩である。
   某所にて、別ターゲットを狙う。
   詳細は戦士達の報告に詳しいので割愛しよう。(センちゃんの SITE−B )

   センちゃんが見事に獲物をゲット出来た事を報告しておこう。

   今回のチームはバスがメインのまさゆき氏、センちゃん。
   別ターゲット中心のあるがまにあ氏、ミリオネ氏。
   おまけに私の構成である。

   バス最大の獲物はまさゆき氏の手に。
   別ターゲットはセンちゃんの手に。

   あるがまにあ氏、ミリオネ氏、おまけの私は、バスチームに見事完敗であった。

   さて、最後の戦場へと向おう。
   私とまさゆき氏は大型が居る上の池に、残りの人員は下の池で最後の決戦である。

   結果・・・・・私は爆死・・・・・
   今日は何の戦果も上げる事が出来なかった。
   「獲る釣りを展開する」と言う目的は果たせなかった。
   何かを勘違いしていたのだろうか?

   おまけに!!
   重火器担当ミリオネ氏がついに爆発。
   かなりの戦果を上げていた。
   しかも軽火器による戦果である。
   ついに全員が部隊長を裏切った事が発覚してしまった・・・・・

   結局さしたる戦果を上げられなかったのは、部隊長たる私だけだったのが判明した・・・・


   これにて作戦は終了である。
   作戦本部に結果を報告するのが少々気が重い・・・・・


   軍法会議


    今回の作戦失敗について、部隊長の立場から報告をさせて頂いた。
    必ずしも今回の貧果は、部隊長だけの責任では無い事がご理解頂けた事と思う。
    寛大な処置を望みたいものである。


    判決
    
作戦参謀あるがまにあ氏。
      今回の作戦失敗における貴殿の責任は重大である。
      よって、軍籍剥奪の上に、「古武器博物館」副館長を命じる。
      館長の爺さんと、古武器についてウンチクを語りあい、一生の間これを磨き続ける事を命じる。


高機動歩兵センちゃん。
      今回の部隊長の貧果は、切り込み隊長としての任務をマットウ出来なかった
      貴殿の責任を見逃す事は出来ない。
      よって、多摩川の最前線送りとする。
      今後、多摩川以外での作戦遂行を禁止する。

重火器担当ミリオネ氏。
      親衛隊隊長として部隊長の信頼厚きを、最後の最後にて裏切った罪は重い。
      よって、体を生かして養蜂農家にて重労働一年。
      しばらくハチの世話を行い、ついでにハチ嫌いを克服する事。

茶坊主まさゆき氏。
      判決は微妙である。
      民間人に幾度と無く手を出した事については考慮が必要であろう。
      しかし、バス46cmの成果は極めて見事である。
      よって、今回は民間人の件については、情報収集の一環とみなし不問とする。
      今後、茶坊主から部隊長へと昇進させ、部隊の指揮を取る事を命じる。
      おめでとう、茶坊主まさゆき殿。

部隊長管理人。
      今回の作戦失敗の責任は重い。
      なおかつ、かかる文章を提示し責任逃れをするのは、見苦しく軍人に
      有るまじき行為である。
      よって、降格の上に九州の実家にて謹慎を命じる。
      復帰の際には、部隊長まさゆき殿の部隊に編入され彼の指示に従うことを命じる。

      い・や・だ・・・・・

いかがであろうか?
みなさんの目には、正当な判決であると映るであろうか?


謹慎


     謹慎を命じられた私は、仕方なく九州の実家でほとぼりを冷ましていた。

     5/7、近所の野池へと足を運んでみた。
     この池は、2〜3年ほど前に発見したが、去年まで見失っていた池である。
     池と言うよりも50mX50mほどの単なる湿地で、開けた水面は10mX10mくらいである。
     もちろん他の釣り人が釣りをした跡など皆無である。
     去年の夏に再発見した時は、この水面にハスが密生して、釣りをする事が出来ない状態であった。

     5/2の日に、ここで一投目に50upをバラしたのである。
     今回は再度こいつを狙ってのジャングルクルーズである。

     立ち位置は一箇所だけ。
     リトリーブ出来るコースは3通りだけ。
     10投以内に勝負は決る。

     そして、スピナベを結んでの一投目。10mほどキャストしてゆっくりとリトリーブしてくる。
     水深は約40cm。極めて浅く、スピナベが丸見えである。
     そして後2mくらいにスピナベが近づいた時に、左の木陰から素晴らしいスピードで
     黒い影が飛び出して来た。

     水面直下でアタック。
     勢い余って、自動フッキング。
     そのまま走って、ラインが張った所で全自動エラアライ。
     ロッドの反発で、オートマチック・ランディング。

     私は何もしていない・・・・・・

     ドタバタ暴れる魚を押さえながら、魚体を確認してみる。
     体高がやけに高い。先日の魚とは明らかに違う。
     ミナミ・オオグチ・クロダイモドキだ!
     ハイテク満載、フルオートマチックのホーミング魚雷だ。
     先日の魚は、ミナミ・オオグチ・クロスズキであったのは確実なので、
     新たな敵の登場と言えよう。
     残念ながら50upでは無いが、十分なサイズである。


ミナミ・オオグチ・クロダイモドキである。

47cm。
全てにおいて全自動の楽なやつである。

   その後、新たな敵を捜索するために数投してみたが反応が無いようである。
   10投になったところでこの池を後にする。
   
   今日は部隊復帰の為に関東へと移動する日である。
   往復約3時間で、10投。
   私らしいと言えば言えるだろう。

   ところで、この戦果は報告すべきであろうか?
   謹慎中の戦術活動はご法度のはずである。

   しかし、この戦果は上官に報告すべきだと思うのだが・・・・・
   今度の上官まさゆき氏はどうのような判断を下すのだろうか?

   賢明なる諸氏の判断を仰ぎたいところである。