部隊長の憂鬱


4/28〜4/30の3日間、ゴージャスツアーと称して淡路島に遠征して来ました。
メンバーは、
   あるがまにあさん  階級 作戦参謀
   ギル男爵さん        重火器担当 兼 親衛隊隊長
   センちゃんさん        高機動歩兵 兼 切り込み隊長
   まさゆきさん         茶坊主
   永田              部隊長    兼 食事当番

日々の経過は、まさゆきさんのThousand’s Lakes  
および センちゃんの SITE−Bでお楽しみください。

つか、読まないと何の事だか分からないと思います。


序章
    

先日敢行された淡路島攻略作戦において、部隊長の不甲斐なさを指摘する声も
高まる中(Thousand’s Lakes  , SITE−B
ここで一言申し述べておくべきであろう。

各報告については、一兵卒から見た報告であり、必ずしも私の実力不足とは限らない事を
ご承知願いたい。
上官の苦労も理解できぬ、まさに親の心子知らず、馬の耳に蛸、とも申せましょう。

これからご報告致します内容については、一切の嘘偽り、誇張無く、真実に基づいた物で
有る事を誓いましょう。



集合

28日 0:00
    さて、今回の戦友を迎えに行くために、愛車を駆って近所の私鉄駅へと向った。
    駅に到着すると、なにやら遠くでヒラヒラしている男衆が一人。
    茶坊主まさゆき氏のお出迎えである。
    両手を怪しくヒラつかせ、軽快なステップが愛らしい。

    既に自分の役割を完璧に理解しているようである。

    よく見ると・・・なにやら私を誘導しているようである。
    しかし、そっちは駅へと続く歩道である。
    私のレガシーは線路を走るのは、少々苦手であるし、出来れば電車にお任せしたい。
    
    作戦参謀あるがまにあ氏は目を閉じ深く考えを巡らしているようにも見え、あたかも
    深い眠りに入っているかのようもである。
    ときおり、頭が前後にかしぐようにも見えるが、おそらく新たな作戦に一人納得しているのであろう。

    さすがである。

    重火器担当ギル男爵氏も巨躯を駆って、凛々しい姿を見せている。
    心なしか息が荒いようだが、見かけだけの虚弱体質であろうはずも無く、
    ましてや花粉症などの軟弱な病に侵されているはずもない。
    スギだろうがヒノキだろうが花粉なんぞは夕食のフリカケのような物であろう。

    頼もしい。

    ただ一つの心配は、高機動歩兵センちゃんの、子犬のような目であろうか。
    なにやら、光に集まった虫を見つめているようにも見える。
    もちろん戦士たる者、虫などを恐れるはずも無く、単に食料の一つとして
    狙っているだけであろう。

    しかし、新任部隊長としては、微かな懸念が残るのもやむを得ないであろう。

    いや、言うまい。
    部隊長として、部下に不安な姿を見せる訳にはいかないだろう。
    例えその目が、星をヒトミに写し込み、微かにウルんでさえいてもである。

    戦いの場でこそ輝きを取り戻す、歴戦の勇士と信じたい。

    この時点で、私は今回の作戦の成功を確信・・し・・・た・・・

    全戦闘員を乗せた愛車は淡路島を目指す。
    往路において野池が見えるたびに、「うお〜っ」、「うっひょお〜っ」などと
    茶坊主まさゆき氏を中心にトキの声を上げていたのは、某報告にも有るように事実に相違は無い。
    まさゆき氏の狡猾なる戦術により、士気は嫌が上にも高まる。
    
    そして、約7時間後、戦場へ到着した。

    いくつかの戦場を転戦し、隊員たちの勝負勘も戻ったと思われる。
    そろそろ組織としての活動を開始したいところだ。
    部隊長として各メンバーの活動状況の視察を行ってみる。

    まずは重火器担当ギル男爵の様子は・・・・・

    何やらデッカイ弾薬を使用して、ドッカンドッカンと絨毯爆撃を繰り返している。
    当たり一面に飛び散る飛沫に、バスもビックリである。
    弾薬そのものがここらの戦場に生息している標的よりはるかにデカイのが○である。
    しかし・・・戦果はまだ無いようだ。
    親衛隊長も兼ねる彼の立場とすれば、部隊長を上回る戦果を上げる訳にもいかず、
    賢明な選択と言えよう。

    業務評価は’A’である。

    次は高機動歩兵センちゃん氏の視察である。

    さすがに高機動歩兵だけに、マメに移動を繰り返し目標の捕捉に余念が無い。
    おお、目の前で一匹の標的をゲットしておる。
    更にもう一匹。素晴らしい。
    ささ、切り込み隊長の役割として、部隊長に場所を譲ってくれ。
    
    しかし、彼は前傾姿勢を保ちながら黙々と釣り続ける。
    その目は既に子犬の目ではなく、歴戦の戦士、鷹のように鋭い。

    部隊長の姿など、目に入らぬようである。
    鷹の目は、フシアナだ。

    実力は認めよう。しかし、業務評価は’B’である。

    次は作戦参謀のあるがまにあ氏である。

    最前から数投キャストを繰り返しては、座りこんでリグの交換に余念が無い。
    この場所に最適の作戦を見つけ出そうと懸命である。

    数歩ずつ歩きながら一投。
    噛み締めるように一投。
    リグを変えて一投。
    元に戻して一投。
    舐めるように一投。
    リグに優しく語りかけながら一投。
    クネクネしながら一投。

    実にコマメである。

    そのうち一匹の戦果を上げたようである。
    さ、どのような作戦が当たったのか、部隊長に報告を。

    数歩歩いて一投。
    またもや戦果を上げたようである。
    あくまでも慎重に効果を確認しているようである。
    さすがだ。
    ささ、早くこちらへ。

    数歩歩いて一投。
    またもや戦果が。
    どうした、早くこっちへ。

    数歩歩いて一投。
    またもや戦果を。
    どうした、作戦参謀。

    そのまま歩いて行って、消えてしまった。

    使えん。
    業務評価は’C’である。

    さて、次はムードメーカーとして重要な位置を占める、茶坊主まさゆき氏である。

    遠くの方でなにやら盛んに戦果を上げている。

    おお、また一匹。
    ロッドの曲りはナカナカだが、遠目にも、少々小さいようである。
    エイッとばかりに抜き上げた獲物は妙にヒラヒラしている。
    良く見ると・・・・ギルである。

    茶坊主っ! そいつは非戦闘員だっ!!
    民間人に手を出すんじゃないっ!
    やめろおっ!!

    部隊長の声を無視して、楽しそうにギルを釣り続けている。

    こいつは・・・・・

    業務評価は、’論外’。
    連帯責任で、私の評価も’A’から’B’へと下落した。
    今晩は組織を引き締める為に、緊急会議が必要なようだ。

   さて、昼間の戦闘も、戦死者、落水者も無く無事に終了した。
   戦士たちの休息である。
   民宿「久保田」にて、海鮮料理で明日への英気を養う。

   ビールも進み気分も解れたところで、本日の活動について厳しく指導を行う事にした。

   重火器担当ギル男爵氏。
   本日のところは文句は無い。
   この調子を保って、くれぐれも部隊長を出し抜く事の無いように願いたい。

   高機動歩兵センちゃん。
   酒が入って、鷹の目の気配が無い。
   今度は小鳥の目になっていて、焦点が定まっていない。
   どこを見てるんだ・・・・・
   明日にしよう。
   


   作戦参謀あるがまにあ氏。
   今日の部隊長の不調は、作戦参謀たるあるが氏の行動にも責任が有ろう。
   見事な作戦であっても、それを伝えてくれなければ役に立たないでは無いか!!
   この点について、どのように考えておるのかっ!!

   返事が無い・・・

   寝てやがる・・・・
   明日にしよう・・・・
   


   茶坊主まさゆき氏。
   ムードメーカーとしての活躍は見事であった。
   しかし、民間人に手を出すとは何事かっ、説明せよっ!
   返答によっては部隊追放であるっ!
   
   ・・・・・

   返事はっ!!

   「ネギネギネギネギしてんじゃねえよおっ!!」

   訳がわからない・・・・・
   酔っ払ってやがる・・・・・

   淡路島は玉ネギの名産地である。
   住民はネギに関して高いプライドを持っている。
   こいつは住民に対して喧嘩を売ってるのだろうか。
   作戦の成功はヒトエに住民の協力無しには達成出来ないと言うのに・・・・

   明日はいったいどうなるのだろうか。