伊豆のチョウチン行列

いよいよ2000年の初釣りにこぎつけました。
2000年の幕開けにふさわしい展開が予想されます。




 5:30  意気込みとは裏腹に出発が遅くなってしまった。
       仕方ない、のんびりと行くことにする。

       東名高速の海老名サービスエリアでゆっくりと朝ご飯を食べる。
       吉野家の牛鮭定食が管理人のお気に入りである。

 8:30  宇久須漁港到着。
       あせっても仕方ない。
       あまり釣れない所だが、とりあえず新年のご挨拶。
       
       しかし、お父さんお母さんは初詣に行っていた。
       3cmくらいの小魚がお留守番をしているだけである。

       ここではヤガラの捕食行動を見ることができた。
       40〜50cmのヤガラが小魚を食べている。
       小魚のそばにそっと近づき、いきなり、前方に口を伸ばすように突き出す。
       体長が一瞬10cmくらい伸びた感じである。

       両親不在を狙う、ふてえ奴である。

       ケシカラヌ輩を見てしまったので移動する。

       次は田子漁港。
       ここも滅多に来ない。
       岸壁が非常に高いのに加え、水の透明度が高くビルのテッペンで釣りをしているようだ。

       当然ながら管理人は及び腰である。
       もちろん釣れない。
       恐怖を感じるのは高等動物の証ではあるが、この場合は当てはまらないであろう。

       仕方なくこの漁港の外れ、車で5分程度の初めてのエリアに足を運ぶ。


       水面下を覗くと多くの魚が見える。ベラの群のようだ。
       ジグヘッドを取りだし、そっと泳がせてみる。

       すると、興味を持ったベラ達が三々五々と集まってくる。
       非常に美しい種類のベラである。

       軽くジグを揺すると狂ったようにまとわりつく。
       上下に大きく動かすと、ベラの集団が雲のようにたなびく。

       管理人はロッドを細かくシェイクさせ、更に魚を呼び寄せる。
       次第に群は大きくなり、直径30cmほどのボールのようになり、
       ジグの動きに合わせて上下する。
       


       この時、一匹の地味な色合いのベラがユウユウと現れた。
       悠々とベラボールに割って入り、悠々とジグをクワエ、悠々とフッキングしてしまった。

       今日の初釣果である。
       ササノハベラ。20cmちょっと。
       管理人はベラボールが気になるので、写真もとらずにリリースした。

       ベラ使いとなった管理人は更にベラ達を呼び寄せる。
       そして、ベラボールは直径40〜50cmの大きさの極彩色の塊となった。

       ベラチョウチンの完成である。

       管理人はしばらくベラチョウチンと戯れた。
       次には何を成すべきか。
       結論は決まっている。

       ベラチョウチン行列である。


       このベラ達は上下の動きには尾いてくるが、左右の動きには尾いてくるのだろうか。
       しかし、ベラ使いの霊が降りた管理人には自信が有った。
       ベラ達もトレーニングをしっかり積んだはずである。
       問題は無い。

       管理人はロッドを持つ右腕をしっかり伸ばし、小刻みにシェイクをしながら、
       慎重に一歩を踏み出した。

       尾いてくる。
       管理人のロッドの動きに合わせて上下に揺れながら、ベラチョウチンは着いてきた。
       完成である。

       今日は管理人の為のカーニバルである。
       管理人を先頭に鮮やかなベラチョウチン行列が通りすぎる。

       観客が居ないのが本当に悔やまれる。
       

       しかし、祭りの終わりは突然にやって来た。

       パレードは岸壁の端までたどり着いた。
       出発地点に戻ろうと管理人が足を止めた時、
       一匹のトレーニング不足の若者が、誤ってフックに噛みついてしまったのである。

       管理人は、’あっ’と確かに叫んだ。
       ’しまった’とも呟いた。

       既に本来の、フックに魚を噛みつかせるとゆう目的は忘れ去っていたようだ。

       この騒ぎでベラチョウチンはバラバラに分解してしまった。
       おそらく、元の秩序を取り戻すには長い歳月が必要となるだろう。
       
       長い歴史が積み上げた貴重な遺産も、このような不注意な若者によって
       無に帰するのが世の習いなのである。

       以下に示すのが、この若者の身上調査書である。
       末永く教訓として残すためにも、写真入りで皆に知らしめるべきであろう。

通称 チョウチンベラ(管理人命名)
本名 ニシキベラ(おそらく)

身長 15cm
体重 30g  推定

チョウチン行列実施時には
注意されたい

まとめ
     長々と文書でごまかしたのは、ご推察の通りあまり釣れなかったせいです。
     去年の末もそうでしたが、今年の西伊豆ではあまり良い思いをしていません。

     今日も魚の影さえあまり見ることができませんでした。
     ベラチョウチンは別ですが。
     それに引き換え、南伊豆、東伊豆は比較的好調と聞いています。
     次回は南伊豆にでも行ってうっぷんをはらしたいところです。