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メリット
デメリット
事例1
事例2
事例3
今後の方向性
中小企業の対応
情報システム
白書
アウトソーシング
2000/04/12
2000/7/4追記(中小企業白書の概要とコメント)
 一般的にアウトソーシングは、「業務を外部へ委託すること」という感じに定義されるかと思います。ここでは、アウトソーシングの一般的なメリットとデメリットをまず簡単に考えてみます。その後で事例を紹介し、注意点などについて考えてみます。最後に私見を交えた今後の方向性を記述します。
メリット
  • 本業に集中できる
  • 外部の高度な技術が活用できる
  • 自前でやるより効率的運用が期待できる
デメリット
  • 社内にスキルが残らない
  • 場合によってはコストアップになる
 ここまではごく一般的に言われる内容かと思います。日本でのアウトソーシングは、主に情報システムにおけるコンピュータ運用を委託するものが多いようです。しかしながら、今後は以下の事例のようなものが出てくるかと思います。また実際、既に実施しているものもあります。
情報システムのメンテナンス・開発までを委託
 新聞等でも最近は良く出ている事例です。ビックブルーと言われる大企業が化学メーカや中堅小売業者の情報システムのコンピュータ運用だけでなく、ソフトウェアを含んで丸ごとメンテナンス、開発を請け負っています。
 上記のメリットが大きく享受できる例であり、一般的流れもこの方向に行っているものと思われます。委託される側はより多くから委託を受けることでコストダウンが図られ、両者にとってのメリットがさらに出てきます。
 一方で、ともすると委託先の思い通りになる可能性も含まれており、この点は気をつけるべきところです。できれば、オープン化されたデファクトスタンダード的なシステムを委託するのが、委託業者変更の際などにも有効だと思われます。
経理業務を子会社化
 ルーチンワークとなりがちな業務を分社する、または別の業者に委託する例も出てきています。ある総合電機会社は経理業務を子会社化しています。この場合は、従業員も出向または転籍という形でごっそり、アウトソーシングします。海外でのアウトソーシングは大体この形が多いようです。
 総務や教育部門などを子会社化する例も多いようです。こういったスタッフ的な業務はアウトソーシングしやすい面があります。それは業務が標準化、手順化しやすいからだと考えられます。
ヘルプデスク業務
 これも最近良く見られるものです。特にソフトウェア関連のユーザ対応を外部へ委託するものです。ヘルプデスク業務は単純労働または付加価値を生み出しにくい労働という位置付けの部分が見られ、アウトソーシングの対象になっているようです。
 しかし個人的意見としては、ヘルプデスク業務は安易にアウトソーシングするべきでない業務と考えています。ユーザからの問合せや障害報告、要望事項などは製品の改善、顧客満足の向上には欠かせない沢山の宝が隠れている可能性があるからです。

 以上のような事例から、アウトソーシングしやすい、またはされやすい業務は以下のように考えられます。
  • 高度なノウハウが必要だが、本業とは違い、大きな利益をもたらさないもの
  • ルーチンワークのように標準化しやすいもの
  • 単純労働、または付加価値が低いもの
 これ以外にもアウトソーシングできる業務はまだあるかもしれませんが、ここではこの程度にとどめておきます。

 最後にアウトソーシングについての私見を記述しておきます。
今後の方向性
 アウトソーシングは現在のような単なる業務委託という概念から、企業間で戦略的に業務のネットワークを構築するという概念へ発展して行くでしょう。委託される側も単純に労働やハード、ノウハウを提供するという枠から一歩踏み出して、委託元へより高度な業務を提案できる体質にならないと今後の競争には対処できないでしょう。
 また相手先の企業との合弁会社を設立し、自社の当該部門を独立させることによりアウトソーシングを行うケースも増えると考えられます。この場合、相手先企業に高度な技術力等がある場合や自社に相手先にとってメリットのあるコア・コンピタンスを持っている場合などは、合弁会社自体の発展性も考えられます。
中小企業者の対応
 現在、新聞などで取り上げられているアウトソーシングの例は大企業や中堅企業の例がほとんどです。しかし私見では中小企業者こそがアウトソーシングを活用し、多角化しすぎた経営を本業へ回帰する機会とするべきと思います。
 零細企業や新規起業家はこのアウトソーシングの流行を機会としてとらえ、新たなサービスを提供することが考えられます。
情報システムについて
 私は情報システムに携わる技術者として、次のように考えています。
 安易な情報システムのアウトソーシングは、委託先の選定を間違えると返ってコストアップや競争力の低下を招くことになりかねません。自社が持つ競争力を維持するためのアウトソーシングでなければなりませんので、その目的・狙い・予想効果・範囲・期間等をより明確にして、対応するべきと考えます。
 これからの経営には「情報」が欠かせないことは経営者の誰もが考えていることです。ここで勝ち残るためには情報システムのアウトソーシングは非常に有効ですので、検討の余地は十分にあります。
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中小企業白書2000年度版でのアウトソーシングに関する概要
2000/7/4
 中小企業白書内でアウトソーシングに関する記述がありますので、その概要と私的なコメントをつけておきます。