【ダイアログボックスについて】
更新日 1997年3月19日
Windows では、全ての構成要素がウィンドウで成り立っていて、その複数形でウィンドウズって呼ぶのでしょうが、一つの大きな目的を持って作られている何らかのプログラムを、プログラムウィンドウと呼ぶ場合、そのプログラムを動作する上で、随所に現れては消える小さなウィンドウのことを、特にダイアログボックスと呼びます。ダイアログボックスは、限られた小さな(個々の)目的別に用意されています。
たとえプログラムが違っていても、同じ目的を持ったダイアログボックス同士はよく似ていたり、殆ど同じだったりします。例えば、最もよく目にするダイアログボックスの代表は、「ファイルを開く」メニューから現れるものです。これなど、メモ帳でも、ペイントでも、ワードパッドでも皆同じデザインのダイアログボックスが現れますね。他にも似ていたり殆ど同じだったりするダイアログボックスに、保存、フォントの指定、カラー指定、印刷、検索などがあります。色々なプログラムを同時に動かしておいて、あれこれ探ってみて下さい。
ダイアログボックスの中には、その目的によって色々なパーツが並んでいますが、このパーツ類のことをコントロールと呼びます。ダイアログボックスが現れた時、必ず最初にどれかのコントロールを注目しています。注目しているというのは、キーボードでの操作の対象になっているということで、その状態をフォーカスがある言います。上の「ファイルを開く」では、ファイル名の一覧をリスト表示する窓にフォーカスがあり、"花見.bmp"というファイルが反転表示されていることで分かります。
普段マウスだけで操作している場合は、フォーカスの位置など意識することもなく、何気なくダイアログボックスを扱っていると思いますが、それはマウスが非常に良くできた便利な道具だからです。ところが Windows の設計方針では、あらゆる状況で、可能な限りキーボードでの操作ができるように設計されていることから、殆どキーボードだけでもダイアログボックスを操ることができます。
まずキーボードで操るには、自由にフォーカスを移動できなければなりませんが、[Tab]キーを押すだけで簡単に移動できます。また逆戻りしたい場合には、[Shift+Tab]を押します。必ず試してみて下さいね。知らなくてもあまり困らないけど、知っているととっても役に立つ時があります。
【ダイアログボックスの操作で役立つキー操作の一覧表】
[Esc] キャンセルボタンを押したことになる [Tab] フォーカスを移動 [Shift+Tab] フォーカスを逆順に移動 [Space] ボタンにフォーカスがある時、ボタンを押したことになる [↑][↓][→][←] コントロール内での調整として機能 [Alt+□] □のコントロールへフォーカスをジャンプ [Enter] デフォルトボタンを押したことになる
下のダイアログボックスはWordの文字修飾用ですが、コントロールの見出しに、括弧で囲まれたアルファベットが付いています。例えば、日本語フォント(J):にはJがありますね。これは [Alt] キーと組み合わせて押すためのガイドです。メニューのキーボードでの選択と同じですね。直接そのコントロールまでフォーカスをジャンプさせることができます。
[Tab]キーによるフォーカスの移動は、殆ど左から右へ、上から下へを基本に移動するように設計されていることが多く、ごく自然な流れになるよう配慮されています。
殆どのダイアログボックスには、OKボタンとキャンセルボタンが用意されていることが多いですが、ボタンの違いをよく見ると、上の例のようにOKボタンの縁取りが濃くなっていることが分かります。このようなボタンをデフォルトボタンと呼び、[Enter]キーを押すと、そのボタンを押したことになることを示しています。