工ゾユキウサギ ウサギ目 ウサギ科 ノウサギ属エゾュキウサギは一般には、ノウサギと呼ばれることが多く、いわゆるカイウサギとは全くその生態を異にしています。カイウサギ(アナウサギ)は土に巣穴を掘り、目のあか ない裸の仔を多数産みますが、ユキウサギは地面のくぼ地に、目があき毛の生えた仔を2 頭ほど産むだけです。また、母ウサギは乳を飲ませるために時々仔ウサギの所にやってく るだけです。ですから仔ウサギを見つけても追いたてたり拾ってきたりしないようにしま しょう。母ウサギが仔ウサギを見つけられなくなってしまうからです。仔ウサギは生まれ てから数日のうちに自分で草を食べるようになり親から自立してしまいます。ユキウサギ はカイウサギに比べて耳が小さく、耳先が黒いので簡単に区別できます。白い冬毛になっ ても耳先と目が黒いことで、ユキウサギと分ります。白いカイウサギは、目が赤いのでま ず間違えません。 ユキウサギは日中物陰などに隠れていることが多く、賠くなってからいろいろな草を採 食しているようです。草のない冬には、低木などの樹皮や小枝を食べていますが、その食 ベ跡は鎌で切りとった様に就くなってい ます。その近くを探すと、径1cmほどの やや偏平なフンがたくさん見つかるでし ょう。 ウサギの足跡はよく見かけるので、多くの人が知っているのですが、歩行方向まで知っ ている人は少ないでしょう。下の図のように大きな後足が前の方についていますが、これ が歩行方向なのです。また、下図のように全力で走る時には、歩幅が2mを越えることが ありますが、そんな時にも耳をピンと立て、追う者の足音や羽音を確認しているようです。 冬には白く毛変わりしますが毛が生え変わるのではなく、脱色されて白くなるのです。 (このため季節の変わり目には、まだら模様のウサギを見ることもあります。夏毛に変わ る時には、冬毛が抜けて、新しい茶色の毛が生えてきます。)河川敷や牧場などの開けた 場所に多く生活し、深い森の中で見ることはめったにありません。冬の大雪山の森林限界 付近でもよく見られますが、このような高山でも風のために雪の積もらない所があり、風 で捕り出された植物を食べて生きのびているようです。 (塩谷 秀和) |
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