空と文字(MOUNTAIN)

樹洞の生物



コウモリは種類が多く、北海道でも十数種が見つかっていますが、繁殖が確認されているものは少なく、その生態もあまりわかっていないようです。コウモリの多くは、樹洞や洞穴などで日中を過ごし、日没後に活動を始めることが知られていますが、夕方近くの太陽の沈む前樹間や樹上を飛び回っているものもいます。 森の近くの他の上を飛び回るコウモリは、ライトを当てて見ることができます。ライトで観察すると、スピードも速く複雑な飛び方もでき、その飛翔能力に驚かされます。 コウモリは、よく知られているように超音波を出し、その反射で虫の位置をキャッチして、後足と尾のあたりで虫を包み込んで捕らえます。しかし、逆にある種のガは、コウモリが近づくと、その超音波をキャッチして、ラセン状に降下したり、趨をたたんで垂直に落下したりして、コウモリから逃れようとすることが知られています。このため、地上に降りて虫を捕らえる種類もあるようで、地面からも飛びたつことができます。 ほとんどのコウモリは、体重も10g前後と軽く、最も大きなヤマコウモリでも50gほどしかありません。リス科のエゾモモンガも樹洞で見られること
が多く、とくに入り口が小さく、中の広い樹洞
によく生息しています。冬期間には何頭も集ま
ってすごし、多い所では7・8頭も入って入る
ことがあります。アカゲラやオオアカゲラの掘
った巣穴もよく利用されているようです。
 日没後、穴から外の様子をうかがいながら出
てきたモモンガは、まず幹をかけ上がります。
上の枝で身づくろいやフンをするものもありま
すが、多くはすぐに梢近くまでかけ登り、数十
mも離れた樹へと滑空します。時には、百mも
滑空することがあり、樹間をぬって飛ぶことも
できます。
 入り口の大きな樹洞にはテンが入ることもあ
り、フクロウやオシドリが営巣することもあり
ます。           (塩谷 秀和)



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