空と文字(MOUNTAIN)

ネズミの仲間



げっ歯目 ネズミ科 アカネズミ属・ヤチネズミ属

 

北海道の森には、エゾアカネズミとェゾヒメネズミが住んでいます。アカネズミも木に登りますが、より小さく尾が体に比べて長いヒメネズミは、より樹上生活に適しているようです。ヤチネズミの仲間でより小型のミカドネズミも、所々の森で見られますが、地上や地下での生活を中心にしています。エゾヤチネズミは、開けた草地や湿地などで見られ生態的には、本州のハタネズミに相当します。亜高山帯などではムクゲヌズミも見られ、中流から下流にかけての河川敷や農地などではカラフトアカネズミなども見られます。 雪が融けてくると皮のかじられた木がよく見かけられますが、ほとんどがエゾヤチネズミのしわざです。このため、林業の大敵とされていますが、被害をまねかないような森林施業のあり方も研究され始めています。 ネズミの仲間は、日中に活動することは少なく、日暮れ頃から活発に動き始めるようで、夕暮れの森で静かに座っていると、あっちこっちでカサカサというネズミの動き回る音が聞こえてきます。じっとしていると、目の前を通りすぎるものもいます。ネズミ類は哺乳類のうちで最も種類が多く、あらゆる環境に適応しています。俗にイエネズミと呼ばれているものは3種類で小型のハツカネズミと大型のクマネズミ、ドプネズミです。これらは古い時代に、人間の交流と共に世界中に広まりました。 ネズミの仲間は年に2回ほど繁殖するといわれ、一度に数頭の仔を産み、その寿命も一年ほどです。キツネやオコジョ・イイズナ・フクロウ・へどなど多くの天敵がいます。アカネズミやヒメネズミが、秋に木の実を貯えることも知られており、エゾリスやシマリスと共に、森造りに一役かっていることも分かっています。また、ネズミの門歯は伸び続けるため、堅いものをかじって歯をすりへらす必要があります。 モグラの仲間に近いエゾトガリネズミは、食虫目トガリネズミ科
トガリネズミ属で、少し大きいオオアシトガリネズミ、小さめのカラフトヒメトガリネズミも見られますが、道内にはモグラ科の生息はありません。食虫目といわれるように、虫やミミズを食べていることが多く、薄暗い森の中や沢沿いで、時々姿を見ることもありますが、その生態はよく分かっていません。   (塩谷 秀和)

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