空と文字(MOUNTAIN)

キタキツネ


キタキツネ  食肉目 イヌ科 キツネ属 キタキツネ

キタキツネもすっかり観光地の人気者になりましたが、観光客に餌をねだる姿には不自然なものがあります。若いキツネなどは、本来の狩りも上達せずに成長してゆくことになり、野生を失うことになっていきます。野生動物に対する餌付けは、専門家の充分な検討が必要で、安易になされて良いものではありません。近年はエキノコックス症との係わりが問題とされていますが、研究が始まって日も挽く、当分は、気になる人は沢水を飲まない方がよいかもしれません。 ヤチネズミなどをよく描食

しており、昆虫や木の実なども食べているようです。大雪の高山帯でも、春から秋にかけて姿を見かけることが多く、北海道で最も目につきやすい動物といえます。キタキツネに出会ったら、やさしく立ち止まり、やわらかな声で話しかけてみて下さい。きっと話を聞いてくれるでしょう。キタキツネの体重は5〜6kgほどで、たまにユキウサギを捕えるほかは、ヤチネズミのどの小動物を主な餌としています。真冬に発情期をむかえて、春には土中に掘った巣穴に数頭の仔を産み、オスが餌を運んできます。1ケ月もすると仔ギツネは巣穴の外で遊ぶようになり、夫婦で餌を運ばなければ仔ギツネに充分な食料を確保できなくなるようです。時には、生きた獲物を持ち帰り、仔ギツネに狩りの練習をさせていますが、秋には、仔ギツネも独立し単独で狩りをしなければならないのです。 キツネのネズミ狩りは独特で、耳を使って枯葉の下や雪の下にいるネズミの位置を確かめ、空中にジャンプし、真上から前足で押さえつけ捕えるのです。また、秋にはヤマブドウやコクワ(サルナシ)の実などをよく食べ、高山ではクロマメノキやハイマツの実などを食べることが知られています。 仔ギツネにとって厳しい冬を無事生きのびることは難しく、ハンターに撃たれたり、車にひかれるものも多いのです。 キツネは犬に比べて尾が大きく、耳の後ろや足の甲が黒いことで区別できます。      (塩谷 秀和)

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