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サルオガセと地衣類



エゾマツやトドマツの技から、オキナの面のヒゲのようなものがぶら下がっていること
があります。これがサルオガセと呼ばれている地衣類の仲間です。
 サルオガセの仲間は、日本に40種類以上も知られていますが、その分類は専門家でもな
かなか難しいもののひとつと言われています。
 普通に見られる種類としては、ヨコワサルオガセとナガサルオガセがあります。ヨコワ
サルオガセは、その名の通り植物体はひものように長くなっていますが、横に環のように
割れ目があります。ナガサルオガセは環が入っておらず、糸のように長く垂れ下がってい
ます。
 サルオガセと昔から言われているのは、ヨコワサルオガセだと牧野富太郎博士は考えて
おられました。漢葉松蘿と漢字で言われているのは、この種類も含むサルオガセの仲間の
ことで、肺病や咳止めの薬とされています。
 この他の地衣類は、樹皮に着生するものや岩上にこびりつくもの、土上に生育するもの
など種々あります。山頂部付近の群落を形成するのは、エイランタイの仲間が多いようで
す。                             (佐々木 太一)
 

 



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