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シラカンパ ウダイカンバ ダケカンバ




 カバノキ科のこれらの種は共に北海道を代表する広葉樹と言えます。特にシラカンバは
平地や河畔に白い木の肌を光らせた林を作ります。山火事などでできた荒廃地の再生林で
は、真っ先に生え成長も大変優れています。
 ウダイカンバはカバノキのなかでは最も大きく成長する種で一股の山地の広葉樹に混じっ
て生えています。幹が1m以上、高さ30m以上にもなるものもあります。この木の皮は独
特な層になって剥がれます。この皮を燃やして灯火にし、「鵜飼い」につかったことから
ウダイカンバの名が付いたとも言われています。
 ダケカンバは、亜寒帯に分布し、大雪では標高約1500m〜1800mにかけてダケカンバ帯
を形成します。針葉樹林帯・移行帯・ダケカンバ帯・ハイマツ帯と標高が上がるに従って
樹形も変わっていきます。高山で地をはうように、しかも返しく枝を伸ばしている独特の
風貌は、風雪に耐えて成長してきた生命のしたたかささえ感じさせてくれます。
 これらのカバノキは、一方では他の広葉樹と共に混生し、また、シラカンバとウダイカ
ンバ、ウダイカンバとダケカンバ、さらには、これらの3種が同一林内に混生することも
あります。これらのカバノキの仲間は、木の肌や枝の伸び方、また、葉の形などから一見
して判別できます。                       (成田 新太郎)
◆シラカンバ  Betula platyphlla var Hara
 葉は三角の広い卵形で葉の下面には少し短毛があり、ふちには二重の
 ギザギザがある。果穂は短円柱形で垂れ下がる。樹皮は白いが小枝は
 紫褐色である。普通シラカンバとは呼ばずシラカバと言っている。
◆ウダイカンバ  Betula maximowicziana Regel
 葉は広い卵形で先が尖り基部は深い心形、ふちには長い針状のギザギ
 ザがある。上面は光沢のある深い緑色でビロードのような感じがある。
 果穂は総状で長く垂れ下がる。直径30cm〜120cm高さ15m〜30mとな
 り、ときには30m以上になるものもあり、山地の向陽地に他の広葉樹
 と混生する。一般にはマカバと呼ばれている。
◆ダケカンバ  Betula ermanii Cham
 葉は三角状の広い卵形で先は尖り基部は円形が浸い心
 形、ふちは不揃いの尖ったギザギザで穂は長く垂れ下
 がる。果穂は円柱形で直立する。直径30cm〜100cm高
 さ10m〜25mになり、高山帯の向陽地に多い。

 



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