雲とシュプール

コニーデとトロイデ



火山は、地下にあるどろどろに融けたマグマの働きによってできたものです。 では、マグマがどのように上昇し噴火をひき起こすのでしょう。又、噴火の仕方や火山の形についても、私達の愛する大雪山に当てはめて考えてみましょう。 大昔から今も、太平洋海嶺で生まれた太平洋プレートは西へ西へと移動し、日本海薄からユーラシア大陸の斜め下へと沈み込みを続けています。この境目では、上部マントルが融解してマグマが発生します。このマグマは、60km〜70kmもある厚い地殻の中を上昇していきます。上昇しながらマグマは浮力を失い、マグマ溜にたまります。でも、マグマはここでじっとしているわけではありません。やがて圧力の限界に達すると地表に近い日高層の弱い部分をつき破っておびただしい量の噴出物を吐き出します。これが噴火です。爆発の繰り返しが幾度あったことでしょう。こうして堆積してできたのが古大雪火山の原形であり、その吹き出しロが中央火口なのです。 さて火山は、溶岩などの噴出物の性質や堆積状態によって、コニーデ(Konidee円錐状成層火山)、アスピーテ(Aspiteたて状火山)、トロイデ(Tholoide鐘状火山)、溶岩台地などに分けられます。大雪山はどの種類の火山だと思いますか。


大雪の源‥‥‥お鉢カルデラ
 上記のの解答。大雪山はコニーデ(成層火山)による火山です。この爆発した火口が、火山形成後に陥没または爆発によって形成された凹地をカルデラといいます 第4紀更新世の中頃古大雪火山の中央火口は、やがて大きな凹地(カルデラ)を作っていきました。これを古大雪カルデラといい、古大雪火山群に囲まれた凹地の部分です。 この凹地に水がたまってできる湖のことをカルデラ湖といいます。新大雪火山(北海岳や間宮岳など)が生まれる以前ここに大きな湖があったなんて想像できますか。 また、莫大な量の水は、どこからどのように流れ出してしまったのでしょう。 更新世の終わり頃になると、古大雪カルデラの中に新大雪火山の爆発が始まりました。 やがて、中央火口は第2のカルデラを作っていきました。これが、現在のお鉢平です。 お鉢カルデラは、古大雪カルデラから見ればずうっと小さなものですが、青々と真水をたたえた湖が神々の遊ぶ庭に輝いていたなんて想像しただけでも神秘な気持ちにさせられます。やがて、北東部分が破れ赤石川の水が流れだしました。お鉢に水はなくなりましたが、今も有毒温泉と言われ硫化水素などの火山ガスを吹き出しています。(志賀 義彦)


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