空と文字(MOUNTAIN)

エゾシカ



工ゾシカ  偶蹄目 シカ科 シカ属 工ゾシカ
 エゾシカは日本のシカのなかでも最大で、オスジカでは120kgを越えます。冬の間は数頭から十数頭の群れをつくることが多く、メスと仔の群れと、オス同士の群れに別れていることが多いようです。しかし、小さな群れがいくつか集まることもあり、時にはオスとメスが一緒に見られ、その数も数十頭にもなることがあります。 エゾシカのオスは狩猟獣として追われることも多く、人の姿を見るとすぐに逃げてしまいます。オスは5才ほどでりっばな角を持つようになりますが、毎年春には角が落ち、新しい角が生えてくるのです。 採食は早朝と夕方に森の近くの草地や低木林などで行い、日中や夜には森の中で休んでいることが多いのです。冬には林内で木の皮や小枝、雪の上に出ているササの葉なども食べて過ごしています。 遠くに聞こえるシカの声はやさしく響きますが数mの距離で聞くと大変大きく、いきなりビエッと鳴かれると飛び上がってしまうほどです。

 エゾシカの天敵は、オオカミの滅んだ今となっては人間と深い雪です。メスジカで平均80kg、オスジカの大きいものは120kgにもなり、深い雪をこいで歩くことは大変なことです。多くの動物達同様な、初めての冬を生きのびられる仔ジカは半数ほどといわれています。 秋の終わりに交尾したメスジカは、オスのテリトリーから離れ、冬にはメス同士の群れを作ります。無事に春を向かえたメスジカは、5月頃、一頭の仔を産みます。シカの仔は
すぐ立つことができますが、数日間は物陰であまり動かず、人が近づいても逃げようともしません。決して迷子になった訳ではないのでそっとしておきましょう、また、野犬が人間の匂いをたどって来ることがあるので、仔ジカを見ても近付かない方が良いでしょう。半月もすると親について歩くようになり、1ケ月ほどで革も食べるようになります。その間、遠ざけられていた1才ジ力もメスジカに近付けるようになり、3頭の小さな群れができます。 エゾシカは危険を感じると、尻の白い毛を広げて走りますが、後ろに続く仲間への信号となっています。白い尻が上下に跳びはねて遠ざかる姿は、幻想的で芙しくもあります。 夏毛には白い斑点があり、冬毛は灰褐色となります。牛のように反すうもします      (塩谷 奔和)


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