空と文字(MOUNTAIN)

エゾシマリスとエゾリス



げっ歯目 リス科 シマリス属・リス属

 エゾシマリスは海岸から高山までの広い環境に適応しており、背中には5本の黒いしま模様があります。両手で餌を持って食べる姿は可愛らしく、登山者の人気者です。 平地や海岸でも、雑木林があれば生息していることが多いのですが、ヤブの中では黒い模様が保護色となって、見付けにくいものです。木登りも上手ですが、主の地上生活をしているようです。秋に木の実を蓄えて、冬には冬眠をします。そして早春には小鳥のように、ホロロロロと恋の歌をうたうのです。 エゾリスは森の住人で、高山や亜高山帯で見ることはありません。樹上で活動することが多いのですが、地上を走ることもあります。エゾリスは冬眠しないので、秋に多くの場所に隠しておいたクルミやドングリなどの木の実や冬芽などを食べて春を待ちます。雪が融けてくると木のん根元で2つに割れたクルミを見ることがありますが、エゾリスの食べ跡です。門歯でクルミのつぎ目をきれいに削って割っているのです。

エゾシマリスは、春から夏にかけて数頭の仔を産み、時には年2回の出産もあるといわれます。地下に数部屋のある数mのトンネルを掘り、樹洞や岩の間に巣を作ることもあります。高山ではハイマツの実を頬袋にいっぱいつめ込んだ愛らしい姿もみられます。冬眠期間は、高山帯では8ケ月にもなり、1年の2/3が食べては眠るという暮らしです。ペットショップでよく売られているのは、チョウセンシマリスといわれる亜種で、本州の一部では逃げて野生化しています。 エゾリスは、春から初夏にかけて4頭ほどの仔を産みます。木の上部に径30cmほどの巣を作りますが、樹洞や鳥の巣箱も利用しています。よくエゾリスが土中に隠しドングリやクルミが忘れられて目を出すことがあり、森造りに一役かっています。夏には虫なども食べ、日中いっぱい活動しますが、冬には朝のうちだけ活動しあとは巣で眠っています。 なお、本州のニホンリスとは別種です。 また、エゾシマリスはシマリス属に属し体重100g程度ですが、エゾリスはリス属で体重は大きいもので300gにもなります。            (塩谷 黍和)
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