空と文字(MOUNTAIN)

ヒグマヘの対応


大雪山一帯にはヒグマが多く、まさにヒグマの王国と言えるでしょう。だから、大雪に
入る人々は、ヒグマを尊重し、ヒグマについて学ばなければなりません。 ヒグマの臭覚は鈍く、また眼や耳も良く人と接近しても、人より先に気付いて身を隠すことが多いようです。しかし、ヒグマにも個性があり、人と遭遇した時の反応も異なります。人間に近付いてくるヒグマは危険で、安全距離は200mから300mほどと言われています。最も危険なのは仔連れの母グマで、たとえ仔グマが1頭でいても決して近付いてはなりません。もしも、母グマと仔グマとの間に入ることになれば襲われることもあり得るからです。人間にうらみを持つ手負いグマもまた大変危険です。謙虚に、大雪山はヒグマの王国であり、我々はこの国を歩かせてもらっていると考えるのが自然なのです。

もしもヒグマと出会ったら、どしたらよいのか、出会う前に考えておきましょう。 ほとんどはヒグマが先に逃げてくれますが、接近し過ぎてしまった場合はそうとはかぎりません。この場合、最悪なのは走って逃げることで、ヒグマの攻撃を誘うことにもなりかねない最も危険な行為です。もし、ヒグマに出会ってしまったら、急に動いてヒグマを刺激しないことです。穏やかに立ち、やさしく話しかけて下さい。また、ヒグマと目を会わせることは、お互いの緊張を高めることになるので避けましょう。時にはヒグマの注意をそらせるために、手袋やタオルなどを投げ与えることも必要でしょう。その間に距離をかせいだり、木に登ったり出来るでしょう。最後の手段は、地面にうつ伏せになり首と頭を腕でかくすしかありません。 キャンプでは肉・魚料理などは避け、残飯も絶対に捨ててはいけません。ヒグマを誘うことになるからです。また、食べ物は充分に密封して臭いをもれなくしましょう。
                                  (塩谷 秀和)


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