草模様

大雪山国立公園の鳥たち

いったい、この大雪山国立公園には、何種類の鳥がいるのでしょうか?
 いままでに、150種類が記録されています。北海道全体で約350種ですから、実にその43%もの鳥が記録されていることになります。何故、このように多くの種類が記鋒されているのでしょうか。大雪山国立公園は、その面積が広大であることも一因ですが、それ以上にこの地域の環境が多様であることが、最大の要因です。 では、鳥の方から見た大雪山とは、どのような環境なのでしょう。一般に、山は円錐形をしていますから標高か高い所程、面積が狭く、急峻です。ですから、高い所程、鳥が生息できる環境は限られます。しかし、大雪山は高山帯が平らで広く台地状をなすため、高山帯にも草原や湿原があります。そのため、いわゆる高山帯の鳥以外に草原や湿原の鳥も生息しているのです。また、森林限界以下に広がる多様な原生林は鳥たちに様々な棲み家を与えています。さらに、高山帯に、降り積もった多量の雪を水滞とする河川や湖も多いので、水辺を棲み家とする鳥たちの生息を可能にしているのです。このように、大雪山国立公園は山岳公園でありながら、その環境に山岳的要素とそれ以外の様々な環境要素を含んでいるため、いろいろな鳥たちが住めるのです。
(磯 清志)

  

生息環境別主要鳥類(夏期)

河      川
   イソシギ・キセキレイ・ハクセキレイ・セグロセキレイ・カワガラス

内陸性湖沼湿原
   マガモ・イソシギ・カワアイサ・モズ・ノビタキ・ビンズイ・オオジシギ

山兼の平地
   ヒバリ・ハクセキレイ・スズメ・ハシプトガラス・コムクドリ・ムクドリ・ニュウナイスズメ

林鼓・疎林・低木林
   ヒヨドリ・モズ・ウグイス・ホオジロ・アオジ・カワラヒワ

山      地
   ノスリ・エゾライチョウ・キジバト・ジュウイチ・ツツドリ・ヤマゲラ・クマゲラ・アカゲラ・ミソサザイ・コゲラ・コマドリ・コルリ・ルリビタキ・アカハラ・ヤプサメ・メボソムシクイ・エゾムシクイ・センダイムシクイ・キクイタダキ・コガラ・ヒガラ・キビタキ・オオルリ・シジュウカラ・ゴジュウカラ

高  山  帯
   ノゴマ・ビンズイ・カヤクグリ・ギンザンマシコ・ハギマシコ・ウソ・ホシガラス


トップ アイコン
トップ


草模様