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黒岳山頂の魅力(礫原植物とその構成)



黒岳山頂の魅力(礫原植物とその構成)

 

黒岳ほど自然の変化を容易に観察できる場所は少ないでしょう。ロープウェイからは石狩川の深い浸食地形を観察でき、ロープウェイ、リフトからは森林の変化を観察できるのです。そして登山道沿にはダケカンバの林が見られ、高茎草本のお花畑やウコンウツギの低木林、ハイマツ帯なども見られるのです。また、約1時間の登山によってこつ然とひらく周囲の展望を自分のものにすることができるとともに、東斜面の湿性高茎草本のお花畑とは対照的な礫原のお花畑を見ることができるのです。
 マット状の矮性低木を主体とするこの礫原のお花畑(高山ヒース)はガンコウラン、イワウメ、コメバツガザクラ、ウラシマツツジ、チシマツガザクラ、ミネズオウ、キバナシヤクナゲ、クロマメノキ、コケモモ等によって構成されています。草本では、エゾイワツメクサ、ホソパイワペンケイ、メアカンキンパイ、シラネニンジン、ヨコヤマリンドウ、タカネオミナエシ、イワギキョウ、ユキバトウヒレン、コガネギク、サマニヨモギ、ミヤマノガリヤス、ミヤマコメススキ、ミヤウシノケグサ、ミヤマコウボウ、ナンブソモソモ、ダイセツイワスゲ、タカネスズメノヒエなどがみられます。
また部分的にはコマクサの群落もあり、特産種は少ないものの大雪山の主な高山植物を一通りみることができるのです。
また、まれにはミヤマハンノキに寄生するオニクをみることができます。
(中条 良作)

高山植物の形態変化


高山植物には厳しい環境に対応して生きてゆくために次のような形態変化が見られます。
(1)根が長く太くなる     タンポポ属、 エゾオヤマノエンドウ、コマクサ等

(2)葉を毛で覆うようになる  ウラジロキンパイ、チョウノスケソウ、ユキバトウヒ
                  レン、シロサマニヨモギ等

(3)葉のへりが裏面に巻きこむ ツガザクラ属、ミネズオウ、ガンコウラン等

(4)葉が多肉になる      ホソパイワペンケイ、ミセバヤ類、ミヤマダイモンジ
                  ソウ、シコタンソウ等

 



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