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ハイマツ帯 (高山帯)1800m以上



ハイマツ帯 (高山帯)1800m以上

ハイマツ帯 (高山帯)1800m以上
 ダケカンバ帯の上部は一般にハイマツの優占するハイマツ帯(高山帯)となります。黒
岳東斜面のハイマツ群落は高茎草本群落の周辺に小面積にしか見られませんが、大雪山の高山帯を被う植物群落では最大の面積を占めています。
 ハイマツは他の松と異なり主幹がなく技が地上を這うことから名付けられました。よく観察すると幹が白骨のように枯れたり、腐ったハイマツでも技先から根をおろし、かつての発生地点から30mも移動している姿が見られるでしょう。冬の厳しい高山に生育するハイマツは、斜上した枝葉が積雪に押しつぶされ覆われることにより寒風害からのがれることができます。したがって尾根筋などの風衝地の群落は樹高も低く、また葉も平均にやや短く成長も遅いのです。反面、積雪の多い所では成長が良く樹高が3m以上になり根元の径も20cmにもなるのです。だからハイマツの成長具合を見れば冬の風当りの強さや、おおよその積雪量を知ることができます。
 一見純群落のように見えるハイマツ群落も、キバナシヤクナゲ、ガンコウランを伴うことが多く、クロマメノキ、ウラシマツツジ、コケモモなどもよく混生しています。また、風害などを受けてハイマツの枯死した跡地には、これらの混生植物が勢力を増してきます。
ハイマツ群落とキバナシャクナゲなどからなる植物群落は長い年月をかけて交互にこのような交替を繰り返していることが知られています。       (中條 良作)

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