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土も成長する


土も成長する
 

森林や草原の生育基盤となっている土(土壌)は、単に岩石の風化した物ではなく、生物の分解物(腐植)と風化物が混じりあってできたものです。土のでき方を火山の熔岩流を例にとって見てみましょう。
 熔岩などの裸地に最初に侵入してくるのはコケ類や草本類で、ここから土の形成がスタートします。地上の植物群落は草本期、低木期、陽樹期をへて極相林であるエゾマツートドマツ林や針広混交林に移り変わっていきます。この一連の遷移には千年程度かかると言われています。森林の土も植物群落の成長につれて厚くなり、有機物や栄養塩類に含む腐植質の多い肥よくな土ができていくのです。また、土の構造も複雑になり、大きく分けて表層土(A層)、下層土(B)、基層(C層)の三つの層が形成されます。
 熔岩流でこのような完全な姿の土壌が完成するまでには、植物群落が極相に達するよりもさらに長い時間がかかり、一万年もの時間を要するという研究もあります。このことから土を掘り返す開発行為が、自然にいかに大きな影響を及ぼすかがわかるでしょう。
 なお、大雪山の森林帯の土壌は一般に低標高地の広葉掛林帯では褐色森林土、エゾマツ林等の針葉樹林地帯では寒冷地に分布するポドソル土(A層下部が灰白色化)となっています。 



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