林は4階建てアパート
河畔林や針葉樹林を眺めてみましょう。一番上に大きく杖葉を広げている高木、その次に枝葉を広げているもの、さらにその下に技を広げているグループなどに分かれていることに気付きませんか。このようなしくみを林の階層構造と呼んでいます。まるで4階建ての林のアパートのようですね。
(1) 4階(高木層)−ハルニレ・エゾマツ・トドマツなどの高木で一番光を多く
受け樹冠を作っているグループです。普通、その森林の中で優占する種類で占められています。
(2) 3階(亜高木層)−高木層と同一種やハウチワカエデなどが見られます。高木層の予備軍とも言えるでしょう。高木層ほど密ではありません。
(3) 2階(低木層)一オオカメノキ・チシマザサ・上層木の幼樹などの低木で占
められています。3階・4階の木もれ日を受けて生活しています。
(4) 1階(草本層)一草丈1m程度以下の草本を主体にするグループです。日光
はさらに少なくなるので弱い光でも生活できるものだけが生きています。エゾエンゴサクやエゾイチゲのように高木が葉を開く前に、一年分の栄養を貯え、夏か
ら眠るグループも多く見られます。 (青木 満)
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