高山の気象
北海道の気候は、温帯気候の北限と亜寒帯気候の南限であることを念頭におかなければなりません。ですから平地では夏にしばしば30℃を超え、冬には−30℃以下になることも珍しくないのです。大雪山はこのような気候帯の真ん中に位置しており、内陸性気候のもとで標高を上げるにしたがって、温帯気候帯、亜寒帯気候帯、寒帯気候帯と変化していきます。ですから気象条件は大変厳しく標高が2000m程度の山頂部は、本州の3000m以上の山岳部に匹敵すると言われています。冬の訪れは早く、9月の上旬には初雪を見ます。オホーツク気団とシベリヤ寒気団の影響をまともにうける山頂部は、複雑な地形もあって吹
雪が荒狂う日が続き、冬の問に平地から大雪の姿を見ることのできる日は極端に少なくなります。また、北面や谷間を埋める雪は山の形をすっかり変えてしまいます。 5月、平地の雪が融けてしまった頃、大雪は真白に光る山肌を見せ続けいまだ冬山であることを知らせます。6月下旬から7月中句にかけてようやく雪が融けはじめて短い夏山の姿になりますが、雪の降り積もった大雪渓は万年雪として各所に残ります。早くも8月の中旬には霜がおり、紅葉が始まって夏の終わりを告げ始めます。そして9月の下旬には完全に冬山の姿に変わります。
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