雲とシュプール

構造土

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 大雪山は、旭岳やミクラ沢溶岩の形成をのぞいて、幾度かの氷河作用(周氷河作用)の影響を受けてきているはずですからその時代の証拠があっても良いはずです。日高の山々と同じようにカールがあっても不思議ではありません。実際にそれらしい地形が高根ヶ原を始め、いろいろな場所で見つかっていますが間違いないという決め手には、今一歩のようです。 これに比べて、大雪山には、周氷河作用の影響を受けて出来上がったとはっきり分かっている構造土があります。大雪山の構造土は、礫質多角形土や通常多角形土(環状砂礫)などのほか、斜面には条線砂礫等の構造土を見ることができます。 赤岳付近の通常多角形土(環状砂礫)は、直径10cm〜20cmのやや大きな礫が1〜2列に並び、それに沿って数cmの大きさの礫が並んで、1m〜2mの大きさの六角形を造っています。このような構造土は、氷河期の数え切れない凍結作用が長い年月をかけて地表の礫を一定の方向に集めたり並ばせたりして出来たものなのです。 なんとまあ、神々は不思議な石ならべのお遊びをしたものですね。 (志賀 義彦)



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