雲とシュプール

元は火口‥…・姿見の池

元は火口‥…・姿見の池

 旭岳は、大雪山火山群の中で一番新しい火山です。この山の爆烈火ロの後方にほぼ円形に近く青く澄んだ美しい池があります。この池を姿見の池といいます。 晴れた日には、旭岳をはじめ周囲の山々や登山者の姿を写し、心を和ませてくれます。 さて、こんなところに、この池が、なぜ出来上がっていったのでしょう。 今から約3万年〜数千年前お鉢乎カルデラの形成の後に旭岳は誕生しました。美しい円錐状成層火山(Konideeコニーデ)で、その勇姿は、まさに大雪山火山群の貴公子であったことでしょう。そのうち、この円錐状火山の西側が、ある日突然大爆発を起こしました。これを爆発力ルデラと言います。美しい山の西側半分は、円錐状の姿を失い大きな爆烈火口を造っていったのです。この爆烈火口(カルデラ)の中で少しずつ場所を替えながら幾度噴火が起きたことでしょう。やがて、噴火のなくなった火口には水がたまりだしました。これを火口湖といいます。姿見の池や夫婦紹は、このようにしてできていったものと考えられます。尚、この時噴出された莫大な量の噴出物は、西側に大きな溶岩台地を造っています。また、火口上方は、今でも噴煙を上げ活動しています。    (志賀 義彦)

 

トップ アイコン
トップ

雲とシュプール