雲とシュプール

古大雪湖の語るもの


古大雪湖の語るもの
 大昔、石狩川の上流に今の大雪湖より遙かに大きな湖があったことをご存じですか。 第4紀更新世後期頃(200〜15万年前)、中央火口の火砕流や熱雲は古大雪火山群の斜面を流れ下り、低所や谷を埋めていきました。 古い石狩川は、今の大函付近でこの火砕流や熱雲にせき止められ、奥地一帯は大きな湖となったのです。これを古大雪湖とよびます。 その規模は、現在の大雪湖(人造湖)より遙かに大きなもので、高原温泉入ロの白揚平周辺の河成段丘からもその大きさを想像することができます。 やがて満々と水をたたえた古大雪湖の水は、流路を求め熔結凝灰岩の弱いところを押し破りました。激しい水の勢いは溶岩台地を浸食し、層雲峡熔結擬灰岩を削りとり、破壊していきました。破壊は破壊を誘い、さらに浸食され現在の層雲峡を生んだのです。 大函の出店裏の右側には、この当時に堆積した泥や砂や礫が熔結凝灰岩と互層を造って現れています。このことから、古大雪湖の当時の姿や何回かに分かれて火山の爆発があったことが想像されます。                   (志賀 義彦)



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