雲とシュプール

旭岳のおいたち

 大雪山の主峰旭岳は、どのようにしてできたのでしょう。
 お鉢平を取り囲んでいる新大雪火山群は、第4紀更新世後期(15〜3万年前)に古大雪火山群のカルデラの中にできた成層火山ですが、その南西外側に新たに火山の爆発が起こりました。これが熊ヶ岳の噴火で直径500mのほぼ円形の火口を持つ火山です。 この熊ヶ岳の噴火を引き金として、さらにその外側に旭岳の爆発が起こったのです。旭岳は、何度かの爆発を繰り返しおびただしい量の噴出物を吐き出し、成層火山としての特徴を整えてやがて大雪山の主峰(2290m)としてそびえたっていったのです。 第4期現世(3万〜数千年前)に生まれた旭岳は、大雪火山群の中では一番新しい火山でその特徴もしっかりと備えています。東側は、熊ヶ岳、後旭岳などにさえぎられていますが、第1溶岩・第2溶岩の区別もつきますし、西側には、広く成層火山特有の山麓が発達しています。また、山腹には放射状の谷が発達し、地獄谷からは今も噴煙を上げ、その威厳を保っています。
                      (志賀 義彦)


トップ アイコン
トップ
雲とシュプール