猫時間通信

2001年12月6日〜12日

 

■2001/12/12■ 大掃除

寝坊をして資源ゴミを出し損ねる。いずれにせよ、やってしまわないと話にならない大掃除。パソコンや本、資料類のあるデスク周りをなんとかしないといかん!

これが難儀だった。まず、荷物を隣の部屋にスワップするも、スワップしようがないくらい床が埋まる。こんなに積んでいたのか、と思い知る。ここまでで午後になってしまい、台所も掃除中なので、いったん外へ出て外食。

戻ってからはひたすら掃除。埃がたまったところを丹念に掃除しては拭き、一度LANなどの配線も全部抜く。プリンタやファックスの位置を整えて、そこからさらにケーブルや電源を再敷設。もう一度軽く掃除をして、スワップした荷物を戻す。これで夜になり、一度夕食をとる。

夕食後、すぐにまた整理。いらない資料や紙類をまとめて、本は整理して配置を考えておくようにした。荷物のカサがぐっと減り、以前よりスペースも広くなる。ここまででやっと午後11時。まったく完全に1日がかりである・・・

教訓。掃除と整理はやっぱりこまめに。あぁ・・・(ため息)


 

■2001/12/11■ 野坂昭如「文壇」第4回

用事があって、早朝から外出。移動途中に、標題の「文壇」第4回を読み終える。

野坂昭如って、久しく読んでいなかった。だから、第1回の連載が始まった時、強烈な既視感とともに、学生時代に引っ張り込まれた感じになる。話自体も過去の話だが、それより文体の感覚が大きい。

今回は、他の仕事を受けつつも小説に比重を移していくことが軌道に乗り始め、直木賞受賞の前夜に至る過程としか書きようがない(これも要約が無意味な作品)。出てくる人物全部実名、ただし単なる生々しさと違う。やはり芸なのか。


 

■2001/12/09〜10■ 徐々に発音が向上してくる

やらなければいけないことが多く、作業の日。

笛は、少しずつ発音が向上してきた。だが、まだまだ最低基準に達していない。とりあえず、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番から、メニュエットで音楽と発音の練習をしている。これは音程の跳躍もなだらかな移動もあるし、発音で音楽を彫り込む必要がある。しかし、指は格段に難しいわけではない。音楽的に高度ではあっても、練習にはむしろよい。

タンギングによる発音は、アーティキュレーションの第一歩。これが出来なければ、正確なアーティキュレーションにならない。

また、低音部とメロディを、一人二役で吹き分ける必要もある。これがうまくいくような発音になってくると(呼吸のスピードも関連してくる)、本格的な笛の無伴奏音楽に移っていけるはず・・・日程がぎりぎりでちょっとドキドキしてきた。


 

■2001/12/08■ 水村美苗「本格小説」

最新号の新潮に、やっと水村美苗「本格小説」の完結編が掲載された。前回は9月号で、12月号に完結編が載ると予告され、1ヶ月の遅れ。

連載の過程で思ったのは、第1回以降、終戦直後から70年代までに遡った記述が、恐れ入るほどの迫真性を生み出すことだった。そして、それが9月号あたりから、80年代以降に入ってくるに連れて、散漫でぼやけた印象になっていくようにも思えてならないものだった。

今回の出来上がりは、その心配のようなものを補ってあまりあるものだった。現代において、あの当時(終戦直後の子供時代)を思い起こし、取り戻そうとする、というよりも、まるで呪と祝福を同時に与えられたような3人と関係者が、そこからは絶対に逃れられないのだ、とでも言わんばかりに集約されていく様。たまたま知り合ってそれを聞いている若い社会人が、すべての対比の中で感じることは、明示的に書かれず、それゆえ生々しいことこの上ない。

最後、ミリオネアになったのに、一番欲しかったものは手に入れられなかった太郎が、若い社会人に聞かれて答える「日本は軽薄などというのではない、希薄なんだ」という一言が絞り出されるくだりは、それゆえにこそ読みごたえがある。

要約するにしても長い小説だ、刊行されたらもう一度読み直したい。


夜は、通信の知人と忘年会。昨年はお会いできなかった方々も含めて、楽しいひとときだった。


 

■2001/12/06〜07■ 最近、笛の練習をしている

7日、久々に近所のよく行く喫茶店で食事とお茶。まんが喫茶などにも行っていないので、久々にここでモーニングを読む。2週間分を続けて読むと、そこそこの時間を食う。

ところで、いまはモーニングって面白いんだろうか。なんて妙な自問自答なのだが、読んでいて次が待ち遠しい、ということがない。「バガボンド」は確かに面白いが、そして定番の「OL進化論」なども楽しんではいるが、他にこれが好き、というのが特に出てこない。今は新創刊のイブニングのほうにいっちゃってるのかなぁ、まだ読んでいないんだけど。


ちょっと笛を吹く機会が出来たので、下旬に向けて、無伴奏の曲を練習をしている。笛はバロック・ピッチのアルト・リコーダー。

以前は、ブランクを取り戻せるくらいの腕があったが、もはや年単位で練習をしていない。家で真剣に、以前のレパートリーを吹いてみると、情けないくらいフレーズがブチ切れになる。指より先に、タンギング、つまり舌から衰えるとはよくいうが、まったくもって身にしみた。

現状から出発するしかないのだからして、まずは美しいタンギングの発音。それができれば音がもっと美しくなるはず。まず、バッハの指使いに気を使わなくて済む曲をさらって、持続するフレーズを美しい発音で吹く、というところから。


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