●XML Japan 2002●


開催後

■2003年1月発売のJavaWorld誌■(2002.12.18、2003.01.16改訂)

XML Japan 2002の初日(モバイルXML Day)では、チュートリアルで以下の発表が行われました。

モバイル・組み込み環境でのXML〜軽量XMLパーサとバイナリXML

村田 真(日本IBM/国際大学)
橋本 賢一(エンジニアリング・ライター)
難波 亮丞(horobi.com)

XMLを作り出した村田氏自ら調査を発案されて、携帯電話で実際にXMLパーサをなんば氏が動作確認されました。そして、メモリの制限さえ突破できれば動作することが確認され、iアプリでも30KBのアプリケーションを扱える504i(仕様上はDoJa-2.0と呼ばれる)ならば動作しました。確かに複雑なアプリケーションのロジックは入れられませんが、XMLパーサとアプリケーションをあわせて30KBに納めることは可能でした。(当日は他に、モバイル分野でXMLを取り扱うことについて、バイナリ圧縮の必要性に関する考察を扱いました。)

この内容から発展した記事を、2003年1月24日発売のJavaWorld誌で、なんば氏が執筆・発表します。携帯電話にJavaが載ったことで、XMLを扱えるようになることで、何がよくなるのかといった話から、実際に携帯電話でXMLデータを取り扱うプログラムの例まで取り扱っています。「携帯電話とXML」という大きなテーマは、まだ入門記事さえなかったため、たいへん参考になります。また、背景の考え方についてもたいへん面白く触れられています。ぜひご覧ください。

■御礼■

ありがとうございました。来場者数は昨年より少なかったようですが、発表内容は充実したものでした。まだモバイル機器でのXMLの活用は積極的とは言えませんが、これまでのメーカからの取り組み、プラットフォームとしてのあり方、現在の携帯電話JavaでXMLパーサを動かしてみるなど、意欲的な内容であり、XFormやContactXMLなどで今後活用していくことを可能にするための材料が示されていました。

モバイルでのXMLをテーマにしたパネルディスカッションは、テーマを欲張ってやや散漫だったかもしれませんが、「なぜモバイル機器にもXMLが必要か」といった会場からの疑問に対して「変更に強いシステムを作っていかなければ、今後さらに複雑になる機器に対応できない、データ流通でXMLが必要となるのはほぼ間違いない」ということを確認することも出来ました。今後の機器の発展に従ってどうやって見ていけばいいか、といった問題に触れたりもしました。各種発表とともに、今後の参考になればと思います。

 


開催前

■公式ページ■

URLは http://www.xmljapan.org/ です。

開催概要やお申し込みなどは上記にすべてあります。ぜひご覧ください。

■趣旨■

今回、ご縁あって企画に携わっております。主として、モバイルとXMLの関連といったテーマについて、いろいろお手伝いさせていただいております。

XML Japanそのものについては、公式ページの開催概要をお読みいただきたく思いますが、私なりに趣旨を要約すると、以下のようになります。

XML Japanは、XMLの普及と発展のために、1999年より毎年11月に、カンファレンスと展示会、及び開発者会議を行って参りました(1999〜2000年はXMLフェスタと呼称)。XMLの基礎技術の講演、ユーザ事例発表、標準化動向などについて、W3Cで仕様策定に深く関わる研究者から、現場の開発者までが一同に会する数少ない機会となっております。
今年は特に、モバイル、及びWebサービスの2点に焦点を当てています。
普及率と幅広い利用環境で有名な日本のモバイル環境において、XMLをどう活用しているか、さらに今後の発展に向けて何が大切になるかといったことを、ご講演や事例発表などを経て紹介し、またパネルディスカッションにて意見交換及び交流を深めることも企画しております。
 日程:2002年11月28日(木)・29日(金)・30日(土)
     28日:モバイルXML Day
      モバイル分野におけるXMLの活用と、今後の動向について
     29日:Webサービス・ドキュメント Day
      Webサービスやドキュメント分野におけるXMLの活用など、
      また昨日に続いてモバイル活用のパネルディスカッション
     30日:XML開発者 Day

さらに補足すると、モバイル分野はPCよりも小さなハードウェア環境で、XMLを取り扱うことになります。通信環境をもともと持っている携帯電話やPDAこそ、相互接続性やサービス向上のために、XMLが必要でしょうが、現実に採用されていくのはこれからでしょう。現在先行して研究開発している各社からご発表をいただいた上で、今後のために何が必要かを議論したいと考えております。

■お申し込み■

事務局によれば、まだ席はあるそうです。公式ページより、ぜひご参加くださるようお願い申し上げます。

 


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