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最終改訂 23:53 03/03/11


初めての人のためのラグナロク用語集    ポン太さんがindex作って下さいました。感謝!

1stキャラ
2ndキャラ
3rdキャラ
AGI
DEX
GM
HP
INT
LUK
SP
STR
VIT


赤ポット
アコライト
アサシン
頭装備
「あれ」
いも12z
ウィザード
エモーション
エンジェラス
カード
隠し部屋
カプラさん
カプラ嬢

騎士
ギルド
剣士
公平
古木の枝

商人
死んでパンツをさらす
スキル
スロット
製造
精錬
ソウルストライク
増速
属性武器

チーター
チート
盗賊
なむ
南無ー
なむり
ニューマ
ノービス

バグ湧き
パーティー
ビタクリ
ブラックスミス
ブレス
プリースト
ペノメナ
ホールグレン
ボウリングバッシュ
ポータル広場
ポタ

マジシャン
横殴り
ラグナロク
臨公
レア
レアアイテム
レベル
ワープポータル


・ラグナロク……正式名称はRagnarok Online。公式サイトこっち。読んで字の如くインターネットで大勢の人間とともに楽しむファンタジーゲーム。
 韓国グラビティ社が開発して2001年9月からα版で一般公開し、日本人ユーザーも海を越えて参加していた。この頃の参加者は1000人ほど。同年12月からβ版となり、システムとデザインのブラッシュアップが進み、それにつれてユーザーも増加した。作者は2002年4月からIrisサーバーで参加。この頃の参加者は1鯖5000人ほど。(以下サーバ=鯖)
 その後、いつだか忘れたが、日本鯖ができ、ソフトバンク系列のガンホー社が運営主体となった。2002年8月に大規模な修正パッチがあたり、β2と呼ばれる時代に入った。二次職の実装はこの時から。
 11月まで続いたβ2では、1鯖あたり8000人近くまで増加したユーザーのログインを処理しきれず、ログイン困難、回線切断、反応遅延、鯖停止などのトラブルが続発した。
 しかしその後、12月に有料化を伴う正式オープンをしてからは、1鯖のユーザーが12000人近くになったにも関わらず、大きなトラブルは減っている。相変わらずログインはスムーズに行かないが、少なくとも2002年の秋ごろまでのように、鯖チェッカサイトでいちいち街ごとの鯖を確かめて、昨日はモロクが落ちてる、今日はプロンテラ陥落だ、などと一喜一憂する必要はなくなった。今ではそれなりに成熟してきている。

 などと歴史をかたってはみたが、これから始める人にとってこんなことはどうでもいいだろう。ひとつだけ覚えてもらいたいのは、ラグナロクにおいてバグとトラブルは日常茶飯事だということである。

 ゲームの概要は、剣士、盗賊、弓手、魔法士、僧侶、商人のどれかひとつになって、敵を倒してアイテムとお金と経験値を稼ぎ、知らない人と友達になる、というものである。ドラゴンクエストを一万人でやると考えれば、それほど間違ってはいない。

 その面白さは、簡潔に言えば、作者の私にこの話を書かせるほどである。
 現在は一ヵ月1500円でできる。作者は払っている。

・剣士、騎士……直接攻撃を行う前衛職で、ノービス→剣士→騎士の順に転職する。回避に長けたAGI型と、防御に長けたVIT型、殲滅速度に徹したSTR型などにわけられるが、ステータスの振り分けかたは自由なので、人によってその能力は千差万別である。

・レベル……ベースレベルとジョブレベルがあり、ベースレベルは1〜99まで。キャラのステータス(能力値)や様々な強さに関係する。ジョブレベルは転職するたびに1に戻る職業レベルのことで、最大50。上がるたびにスキルポイントが1入り、また一定レベルでステータスにもボーナスがつく。
 転職時期によって変わるが、たいてはベース1〜12あたりまでがノービス、13〜55あたりまでが一次職、60〜99までが二次職である。ベース1では経験値を10も稼げばレベルが上がるが、二次職になるころから次のレベルまでの必要経験値が10万程度になり、ベース69では90万、70では140万、79では350万となる。以後は必要経験値が指数関数的に増えるため、この辺りより上が高レベルと認識される。
 伝聞だが、ベース90代後半では、必要経験値が億の桁に達するそうである。しかし、実際そこまで上げた人もいるというからすごい。
 作者はベース79のハンター、71のプリースト、43の商人を持っている。見てのとおり、高レベルの入り口で根気が尽きた。

・スキル……職業ごとの特殊能力。スキルポイントを消費して会得する。攻撃、防御、支援などの戦闘用の能力から、商人が持つ値引き、値上げの能力、ハンターが持つトーキーボックスなどのまったくの一発芸まで、さまざま。スキルを身につけることを、スキルを取るという。

・ボウリングバッシュ……騎士のスキルの一つ。周囲の敵を一度に攻撃できる必殺技。敵の数が多いほど威力を増す。囲まれている他職をBBで救出するのが、騎士の最大の見せ場であるが、自分から敵をかき集めてBBで一網打尽にする狩り方は、トレインBBと呼ばれ、敵を独り占めにしてしまうために嫌われる。これを多用する騎士が増えたため、騎士という職業自体が敬遠されていた。しかし、2003年3月に、以前弱体化されたハンターのスキルが再強化されたため、現在はそちらが槍玉に上がっている。
 このゲーム、強さ=善ではなく、むしろ白い目で見られることが多い。作者の1stキャラは全職業中最強と言われるハンターなので、かなり肩身が狭かった。
 その鬱憤を、この話で思いきり晴らしたつもりである。

・1stキャラ、2ndキャラ、3rdキャラ……ラグナロクでは、一つのアカウントで三つまでのキャラを持てる。当然ファースト、セカンド、サードと読むのだが、街ではたまに、「2stキャラ」などという珍妙な言葉を聞くこともある。一体何歳のプレイヤーがやっているのか、微妙に気になるところである。

・横殴り……他人が戦闘している敵を無断で叩くこと。経験値を吸い取る行為なのでよくない。これと人助けは紙一重。

・エモーション……ラグナロクにおける簡単な感情表現法。Alt+1〜9のボタンを押すことで、「!」「?」「♪」などの記号を吹き出しで出すことができる。その中にはキス(というよりちゅぅ)や目障りなヘルプマーク、簡便すぎるThanxマークなど、品格に欠けるものも多い。

・ペノメナ……2002年12月に実装された時計台ダンジョンに出現するモンスター。いわゆる新Dと呼ばれるグラストヘイム、時計台両ダンジョンには、レベル70以上のプレイヤーでなければ攻略困難な強敵が多いが、その中でも扱いの難しい敵。遠距離攻撃を行ってくるため、ハンターやウィザードなどの間接攻撃のできる職種でないと、近付くまでに多大なダメージを食らう。本作では毒を吐いており、その能力はあるはずなのだが、毒攻撃自体はゲーム中では未実装。
 インテは鈍速なので、倒しきれずに死んでパンツをさらす危険性が高い。

・死んでパンツをさらす……ラグナロクの女性キャラのうち、騎士とプリーストは死ぬとパンツが見える姿勢で倒れる。特にプリーストのそれは露骨で、抗議があったのか、近々白パンツから、パンツかどうかもわからない黒いインナーに変更されるらしい。白派の作者としては残念極まりない。

・古木の枝……安レアアイテムのひとつ。使用するとフィールド・町中を問わず、種類はランダムでモンスター一体が現れる。これを繁華街で多用する枝テロは、運営者もあまり推奨していないグレーマナー行為である。
 しかし、本作のように枝で高レベルの敵が現れる確率は高いとは言えず、噴水前で地獄絵図が見られることは滅多にない。幸いと言うべきか、つまらないと言うべきか。
 枝とチートの関わり云々はフィクションである。

・チート、チーター……ゲームプログラムを改竄してアイテムやお金を得たり、ゲームを破壊したりする不正行為。それをする人。自分だけ楽をしようとするよくない行為であり、ゲーム中でも「チーターめ」というのは最大級の罵声である。
 自分だけ楽をするのがいいか悪いかについて、少し考えてしまうことはある。

・バグ湧き……2002年11月末、ゲフェン市中央塔内に、いないはずのモンスターが大量に出現したという記録がある。これに限らずラグナロクではバグは日常茶飯事であり、そこに本作のようなこじつけ作品が生まれる余地がある。

・ノービス……ラグナロクに初めてログインした人間は、弱くてスキルもほとんどもない修行キャラとして生まれる。これがノービス職であり、ノビとも呼称される。大多数のプレイヤーは職業レベル10でさっさと一次職に転職するが、中にはノビのまま70、80レベルまで頑張る猛者もいる。その戦闘力はあなどれないものだが、何よりも恐るべきなのは、、単調な戦闘しかできないノービスをそこまで育て上げる人の根性である。
 
・ブレス、増速、ニューマ、エンジェラス……それぞれプリーストの支援魔法。ブレスは腕力・器用さ・知力の増加、増速は回避力・移動速度の増加、ニューマは遠距離攻撃遮蔽のスキルである。
 エンジェラスはVITすなわちバイタリティを引き上げて防御力を強化するが、新D級の敵の恐るべき攻撃力の前では防御は無意味に等しく、現在のラグナロクでは回避力を高めて攻撃を食らわないようにする戦い方が一般的である。ゆえにエンジェラスを使うプリーストはほとんどいない。一〜三回の攻撃を防ぐキリエ・エルレイソンを取得するのが一般的。
 しかしエンジェラスは宴会芸としてなくてはならないスキルである。頭の上で鐘が鳴るというおめでたいエフェクトのために、結婚式、転職式などのイベントからレア発見報告まで、様々な場所で活用されている。余談だが、スラングで「アンゼルス」もしくは「アンゼ」といわれるのは、このスキルのβ時までの誤称である。もともと韓国のゲームだったラグナロクにおいては、邦訳化の際に発生したこの種の誤称が山のように残っている。誤称ではあるが、ラグナロクが続く限り、「ナツフ」「ドッフルギャンガ」「カタシムリ」などのスラングと同様、「アンゼルス」は愛され続けるであろう。

・アコライト、プリースト……僧侶の一次職と二次職。回復のスキルを持つ、パーティーになくてはならない職業。通称アコプリ。ポータルを持つとポタコと呼ばれる。
 支援型、殴り型、マグヌス型に大別され、支援型の中にINT型が含まれる。INT全振りのアコライトは、戦闘能力が皆無なので、プリーストとなるまでにとてつもなく苦労するが、いざ転職すれば、その無尽蔵に近い回復能力ゆえにひっぱりだことなる。ちなみに作者は、すぐSP切れを起こして役立たずになる殴りプリを2ndキャラに持っている。
 ドット絵は白いワンピースと、紫の僧衣である。一番人気のあるかわいい姿で、特に女プリの服にはサイドに大きくスリットが入っており、ガーターが見える。露骨過ぎて賛否両論だが、私は賛成。

・ワープポータル、ポタ、ポータル広場……ラグナロクのユニークな文化の一つ。ワープポータルはアコプリのスキルで、事前に目的地で座標メモを取っておけば、世界中からその地点へのワープゲートを開くことができる。一度に記録できるメモは最高四ヵ所。
 都市と都市の間は離れているし、都市から狩り場までにも距離があるので、転送屋という職業が成立する。ポタコとはこれのことである。料金は通常、500〜1000zほどだが、払う側に任せるのが慣例。
 各都市には、あちこちの行き先に対応した何人ものポタコが自然発生的に集まって、他職への便宜を図っている場所がある。これがポータル広場である。「モロク・プロ・お代任意」「炭鉱 兄貴ポタ」などのチャット看板が林立しているのですぐ分かる。
 プロンテラにおいては北大通りの北端。他にはモロクの中央島北側、フェイヨン南門東側などがある。アルデバラン、アルベルタ、イズルード、ゲフェン、ルティエには明確なポタ広場はない。
 ポタには他にも、プレイヤーキャラへの攻撃手段としての使い道がある。相手の足元に無断でポータルゲートを開き、遠隔地へ飛ばしてしまうのだ。これはフィールドで他人を攻撃するほとんど唯一の手段だが(他には騎士のスピアスタブがあるが、これは数マス弾き飛ばすだけ)、かなりマナーの悪い行為であるとされる。

・z……ゼニと読み、ラグナロクの通貨単位。最弱の敵ポリンが落とすゼロピーというアイテムを売ると、3z手に入る。ノービスはこれをこつこつとためて、強くなっていくのである。

・いも12z……最も基本的な回復アイテム。他にも様々な野菜や果物がある。β時代までのラグナロクでは5zで売られていたが、β2から15zになった。商人がDC(ディスカウント、値引きのスキル)で11zでNPCから購入し、それぞれの判断で利益を乗せて売っている。

・レア、レアアイテム……レアとは敵が数百分の一から数千分の一の確率で落とす珍しいアイテムのことである。単に「アイテム」という場合もレアを指すことが多い。それ以外の、敵がほとんど常時落とす珍しくないアイテムは収集品と呼ばれる。収集品はNPCに数zから数百zの価格で売ることができ、初期の冒険者はこれでお金を稼ぐ。インテは、これすらも滅多に出ないという、困った体質だった。
 レアにつく価格はずっと高く、安いもの(たとえば属性原石など)でも数千z、高いものでは数千万zにもなる。強くなると(そしてリアルラック、つまりプレイヤーの運があると)こういうものが手に入るので、売って大金を手にすることができる。
 このレアの価格はゲーム運営者のような、オフィシャルな経済統制機関に決定されているわけではなく、市場経済の原理に従った、完全な時価である。つまり、売りたい人間が好きな値段をつけて、買いたい人間が予算にあうものを買う。実にいい加減なシステムなのだが、これでけっこう世界が回っているのが面白い。
 需要と供給、パッチ情報やニセ情報などで、レアの価格は毎日変わり、非常に不安定である。いっそ物価統制してくれたらと思うときもある。だが、この自由度がバーチャル世界の魅力なのだから、運営者の介入を望むべきではないだろう。願ってもガンホー社にそんな余裕はないだろうが。

・カード……Cとも表記。敵が落とすレアアイテムの一種で、他のアイテムよりかなり出現確率が低い。武器や防具に挿すと性能が上がる。クリティカル率が9%上がるソルジャースケルトンC、回避力が20上がるウィスパーCなどは人々の憧れの的であり、五百万z以上の高値で取り引きされる。しかし、未実装だったり効果が弱かったりで、紙切れ扱いされるカードもある。作者は紙切れの一種であるアルゴスCを三枚出した経験がある。泣いた。

・盗賊、アサシン……直接攻撃を行う前衛職。盗賊が一次職で、アサシンが二次職。基本的に回避の能力に優れていて、VIT型はほぼ皆無である。盗賊からアサシンになると二刀流を使うことができ、クリティカル確率が二倍になるカタールか、ダブルアタックという二重攻撃のできる短剣を、武器として選択できる。
 カタール装備のアサシンの中でも、複数のソルジャースケルトンカードを武器に挿した者は、クリアサと呼ばれ、ソルスケ三枚挿しのジュルを持つクリアサともなると、100%近いクリティカル率を叩き出すようになる。上級ダンジョンでは、こういった高レベルクリアサが、カッカッカッと真っ赤なクリティカル数字を滝のように吹き上げている、爽快な光景が見られる。
 問題は、ソルスケCの非常識な値段で、これが手に入らないカタールアサシンは、自らを負け組と称して嘆き悲しむ。なむ。

・なむ、なむり、南無ー……死んで倒れている人に手向ける哀悼の言葉。言われたら、なむありーと答えるのが一般的。

・マジシャン、ウィザード……魔法使いの一次職と二次職。瞬発的な攻撃力では全職中最強。しかし、被弾している間は詠唱が途切れて攻撃できないという、致命的な弱点を持つ。
 ウィザードは広い範囲の敵を一度に攻撃できる、大魔法を持っている。パーティー内に大魔法の使い手がいると、敵の多いダンジョンではものすごい勢いで経験値が入る。しかし、これもトレインBBと同じく嫌われやすい攻撃方法であり、また、十数秒もの恐ろしく長い詠唱時間が必要なため、容易に中断される。
 総じて言うと、クセが強くて慣れとモラルの必要な職業である。 

・商人、ブラックスミス……商人は一次職。ブラックスミスはその二次職で、鍛冶屋のことである。この二種のつながりは少し不自然であるようだ。両者のドット絵はかたや幼稚園児、かたや暴走族といった感じで、転職すると同一人物に見えないことすらもある。
 商人はOC(オーバーチャージ、値上げ売り)、DC(ディスカウント、割引買い)のスキルをNPCに対して使うことができる。また、カートを引いて大量の荷物を運べるし、露店を出して自動で品物を売ることもできる。マーチャント=まーちゃんという通称がある。
 ブラックスミスは鉄や鋼鉄を原材料に、独自の武器を製造することができる。特に、念属性の敵に有効な属性武器は、NPCの店で売っておらず、製造によってしか手に入らない。これを利用して、武器作成を有料で請け負うこともできる。通称はブラスミ、BS、黒墨など。

・HP、SP……HPはヒットポイントだが、SPってなんだろう。今気がついたが知らない。精神力のSじゃないだろうし。言うまでもないが、体力と精神力のことである。
 ノビのHPとSPは50と10ぐらい。一次職で1000台、200台ぐらいであり、二次職のVIT型騎士ではHP10000、INT型プリーストではSP1500ほどにまで成長する。差が大きすぎるドラゴンボール状態なのが問題。

・STR、VIT、AGI、INT、DEX、LUK……キャラクターの能力値、ステータスのこと。それぞれ腕力、スタミナ、素早さ、知力、器用さ、運である。元の単語は調べるのがめんどいので略。
 レベルがあがるとステータスポイントが手に入り、それをこの六つに割り振ることでキャラが成長する。どれに振るべきかは職業によって違うが、基本的にどれか一つに目標値を作って、そこまで集中的に上げるのがいいようである。
 割り振りを間違えた人(たとえばINTが必要な魔術師なのに、魔が差してLUKを上げてしまったとか)は、ステ振りを間違えたと言って嘆き悲しむ。なむ。

・隠し部屋……プロンテラ城やプロンテラ市内の室内などには、実際にハエの羽根でしか入れない奇怪な空き部屋がある。以前はゲフェンにもあり、隔離部屋・説教部屋などと呼ばれていた。ここをメモしたアコプリにポータルで飛ばされると、ハエか蝶の羽根がないと帰還できない。

・GM……ゲームマスター。ラグナロク運営会社のスタッフ。作者は他のオンラインゲームを知らないが、このゲームでは、マナーの悪いプレイヤーに注意したり、イベント時に親睦に現れる程度の、あまり存在感のないキャラクターである。
 無関係だが、ギルドの主催者であるギルドマスター、ギルマスも、たまにGMと表記されるので、注意が必要。

・ビタクリ……ビタタクリップ。ヒールクリップとも。装備するとレベル1のヒールが使える。SPはあるがヒールのないウィザードに重宝されている。稀にハンターやアサシンなども持っているが、それらの職業にはSP回復のスキルがないので、あまり実用的ではない。一発芸用である。

・カプラ嬢、カプラさん……システム内のキャラクターであるNPCの中では最も有名な人物。何しろこの人だけは会話時にイラストが出る。一人の人間を指す呼称ではなく、カプラサービスという集団に属する女性たちの総称である。ロングヘア、ショートヘア、ツインテール、メガネなどのシリーズがあり、各都市に一人から数人がいる。
 彼女たちの役割は多岐に渡るが、最も重要なのは倉庫の受付で、キャラクターが持ちきれないアイテムを100種類まで保管してくれる。「倉庫〜」「カプラ〜」と言えば、彼女たちに会いに行くことを差す。
 カプラ嬢は一人ずつ復活地点を持っていて、セーブを頼むと、死んだ時にその人の前に戻ってくることができる。また、蝶の羽を使った場合の帰還地点もそこである。カプラ前復活地点には、死んで体力をなくし、アコプリのヒールやサンクチュアリを求める人が常時たまっていて、一部でうざいとか情けないとか物議をかもしてもいる。枝テロを行う際は、ここにモンスターを撒いて、死んだ人間が戦線復帰しないように、出てくるが早いか再虐殺を行うことが肝要である。
 カプラ嬢の他の能力は、商人用のカートを貸してくれること、町の案内をしてくれることなどである。カプラチケットを使うという項目も選択メニューに出てくるが、これはまだ未実装で、なにができるのかよくわからない。
 ごく一部のカプラ嬢は特別な能力を持っている。プロンテラ南東の旧剣士ギルド前にいるカプラ嬢は、いくばくかのお金を払うと近くの町であるイズルードへ転送してくれる。インテがイズルード潜入時に頼ったのが彼女である。他の場所のNPCは、自力で遠方へ行くことを平気で指図するのに、なぜここにだけこんな人がいるのかは不明である。
 カプラ嬢の所属するカプラサービス社は、アルデバラン北西に本社建物を持つ。大勢のカプラ嬢がいるが、役に立つ人はあまりいない。
 ゲーム中にはまた、カプラバンドという頭装備が存在する。ピラミッドの敵ベリットがそれを落としてくれる。形はいわゆるメイドのヘッドドレスと同じで、つけるとカプラっぽい頭になれる。
 それにしても、カプラってどういう意味だろ。音響カプラーなんか関係ないだろうし。

・「あれ」……熊のモンスター、ビッグフットが落とすレア頭装備。ぶっちゃけて言えば、アラレちゃん式の渦巻きうんこである。作者はあまり好きではない。

・頭装備……ラグナロクの売りの一つ。このゲームではキャラ作成時に髪型と色を指定できるが、ゲームを始めてしまうと姿・服装を変えられない。しかし頭装備だけは様々な種類があり、かぶるとドット絵に表れる。個性を主張できるし、ものによっては能力値も上がる。
 かわいくて人気のあるネコミミ、ウサミミや、颯爽とした感じの天使ヘアバンド、悪魔ヘアバンド、コンセプトがよくわからないバッタの触覚や葬儀用の帽子、ひとつで数千万zもするバフォメット型のマジェスティックゴートなど、いろいろ。
 コック帽がないので、できたら嬉しいかも。

・ギルド、壁、公平、パーティー……他人と組む場合の用語。オンラインゲームの最大の醍醐味。チャットだけならゲーム以外でもできる。
 ギルドもパーティーも任意で作成・参加できる仲間集団で、参加すると名簿を見ることができ、レベルや居場所がわかる。ギルドのほうが詳しい情報がわかるので(居場所はのぞく)、固定集団として利用される。パーティーも固定的に使われる場合があるが、戦闘時の一時的な集団としての利用法が一般的である。パーティーはPTとも表記。
 パーティー参加者の最高レベルと最低レベルの差が5以内だと、経験値の公平分配機能が使える。これによって、攻撃力のないプリーストやブラックスミスも、戦闘時に攻撃職から経験値をもらうことができる。行きずりの他人を探してパーティーを組むことも盛んに行われており、プロンテラ南東の交差点、通称・臨公広場では、臨時公平パーティーを求める人々が常時チャットを立ててたむろっている。
 しかし、このシステムは数多の悲劇も生んだ。レベルが5以上離れると経験値が分配されなくなるので、前衛と後衛の友達や恋人同士が、効率よく狩れなくなり、疎遠になるということが多々起きている。
 近々運営会社はこの幅を上下10まで広げるそうである。ゲームバランスが崩れるとかやいやい言われているが、構わないからやっちゃったほうが、人間関係的にはずっといいだろう。 
 人と協力して狩りをするときには、他に壁狩りという方法がある。モンスターには殴らなくても襲ってくるアクティブモンスターと、触らない限り襲ってこない非アクティブモンスター(なぜかパッシブモンスターとは言わない)の二種類がいる。この非アクを、強い友達に一発叩いてもらうと、モンスターはその人だけを狙い続けるので、以後弱い人が、敵が死ぬまで叩くことができる。この最初の叩き役を壁という。経験値は叩いた分だけ入るので、当然、レベル差がいくつあっても関係ない。
 殲滅速度は弱いほうの能力に依存するので、公平パーティーを組んで前衛にばりばり狩ってもらう方法には及ばないが、キャラのレベルが低い場合は、前衛と後衛の差もたいしてないから、公平を組んでもあまり意味はない。壁狩りで強いモンスターを狩るのが楽である。
 そしてまたここにも、壁役のいないアコプリの悲劇や、逆に壁として利用された挙句に捨てられた騎士の悲劇などがあるのだが、その辺は要するに現実世界と同じである。

・赤ポット……通称赤ポ。店売りで50z。野菜果物系に並ぶのが、ポット系回復アイテム。野菜との違いは、重くて高いが回復量が多いことである。好みと狩り場に応じて変える。
 ポットには赤紅黄白緑青があり、赤は血に、緑は青汁によく例えられる。青はSPが回復するが非売品で、数千zのプチレア扱い。そして白は言うまでもなく、アレな用途で使われているようである。

・ソウルストライク……マジシャンの攻撃魔法の一つ。背後霊を投げつける罰当たりな魔法。詠唱時間がごく短い(一秒以下)ので、緊急時の迎撃に最適。しかしSP消費が大きいので、多用するとガス欠となる。

・ホールグレン、精錬、製造……ホールグレンは、NPCの中ではカプラ嬢に並ぶ有名人である。プロンテラ中央噴水南東の精錬所にいて、武器と防具の精錬を有料でやってくれる。精錬所は他のいくつかの都市にもあるが、精錬と言えばまずプロンテラのこの人である。そのわけはあとで書く。
 精錬すると攻撃力や防御力が10段階で上昇する。+7チェイン、+9マインなどと表記し、防具の場合これがそのままDEF(減算防御力)値にプラスされるが、武器の場合+1あたりのATK上昇数は武器レベルによって異なるので注意が必要。
 武器にはそれぞれ1〜4まで武器レベルがあり、強くてレベルの高い武器ほど精錬は難しく、途中で失敗して+0に戻ってしまうことがよくある。武器レベル1のマインゴーシュは+10まで精錬することもかろうじて不可能ではないが、武器レベル2のスティレットでは+7から精錬失敗が発生するようになり、武器レベル3のダマスカスでは+6からそれが起こるようになる。また、レベル1と2の精錬に必要な補助アイテムは精錬所で安く売っているが、レベル3、4の武器の精錬に必要なオリデオコンは高額なレアアイテムであるので、失敗すると数百万zの損害になる。
 精錬の成功判定は、キャラのパラメーターによらない。ホールグレンの腕次第の、一種のギャンブルである。これに魅せられて有り金を注ぎ込んで、精錬破産してしまう人もいる。
 精錬に失敗すると、ホールグレンは「クホホホホッ」という世にも奇妙な笑い声を上げてごまかそうとする。大金を失った人にとっては忘れようとしても忘れられない耳障りな笑いであり、かくしてホールグレンは有名人となった。
 製造と精錬は似ているが、違う。製造はブラックスミスの仕事であり、ブラックスミスは精錬ができない。両方が可能で、かつスロ付き属性武器なんてものを作れるカーラヴェーラは、人間国宝並みの名BSなのだろう。
――と書くと違和感を持たれる方もいるかもしれない。実は、この話の最初のバージョンでは、カーラはそういうものが作れる設定だった。インテは風属性の武器を受け取ったことになっていた。
 けれど某所で、風属性では弱いというツッコミが入った。言われてみれば風属性は汎用性に欠ける。かといって属性なしでは迫力がない。では何属性がいいだろうと考えているうちに、今回は無属性でいいか、という結論になってしまった。
 だって、最強にしてしまったら、この先の成長を見れないから……

・スロット、属性武器……武器や防具にある、カードを挿す穴。Sとも表記。S4ナイフ、S2アーバレストなど、スロット数と一緒に書く。その数は0〜4。
 これが多いほうがたくさんカードを挿せて便利だが、基本数値が高い装備ほど、スロットは少ない。スロット3の中程度の強さの武器に複数の強化カードを挿すほうが、カードなしの高額武器よりも強いことがままある。
 同じ装備でも、敵が落とすドロップアイテムは店売りよりもスロットが一つ多いので、後々カードを増やすことを考えて、カードを指す場合はドロップが基本である。
 また、敵はそれぞれ、地・水・火・風・念・無・毒・聖・闇・不死の10の属性のうち、いずれか一つに属している。それぞれ相性があるので、弱点の属性を持つ属性武器で攻撃すると多大なダメージを与えることができる。たとえば聖属性の銀矢は、ピラミッドのほとんどのモンスターに凄まじいダメージを与える。不死のアンデッドばかりだからである。
 しかし属性の選択を失敗すると、叩けども叩けども当たらないという滑稽な状態になってしまう。水メイスなどをもって海底ダンジョンにいくと、同じ水属性の敵ばかりなので、手も足もでない。
 製造によって作れるのは、地水火風の4属性だけである。例外として、ハンターは最初から聖属性の銀矢が使える。これもハンターが叩かれる一因である。


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