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Funny Girl

「山都、一人か」
 コンビニの牛丼のふたを開けたはすみは、顔を上げた。尾藤時雄がカレーパン片手に立っていた。
「そーだよ」
「いつもの連中は? 小森とか今下とか」
「もりりんは連絡会議。キヨっちは風邪だよ。いいよ、一緒に食べよ」
 大きな目を細めてにぱっと笑う。時雄が笑って席についた。
 昼休みの教室である。2‐Aの生徒たちが思い思いに昼食を取っている。みんなとは少し離れた席で、二人はたわいもない話をしながら食事を取った。
「おまえってつくづく、身も蓋もないヤツだよなあ」
「あにが」
「上品もへったくれもねえじゃねえか。犬みたいに食い散らかしやがって」
 はすみはまるで男子のようにばくばくと牛丼をかっ込んでいる。それを見ながら時雄が顔をしかめる。
「変な女だよなあ。黙ってりゃ可愛げあるしいい乳してるし、男にももてんだろうに」
「もてるよあたひは。告られ回数八回だよ?」
「全部オタクだろうが」
「まーね」
 にっと笑って、はすみは一気に残りの牛丼をかきこんだ。
「トキオみたいないい男には、なぜか告られないんだよねえ」
「微妙に守備範囲と違うからな、おまえ。ロリ系アニメ女は好きじゃねえんだ」
「そーなの? 残念」
 箸を置いてストローでちーっとジュースを飲みながら、はすみはふにゃ、と泣きまねをした。
「トキオならあたしのじょーしょあげてもいいのにな」
「ほら身も蓋もねえ」
 口をへの字にして言った時雄は、不意に真剣な顔になった。
「本気で言ってんのか?」
「んー? 半分ぐらい」
「それでいいよ。付き合おうぜ」
「……え?」
 ぴた、とはすみは動きを止めた。ストローの中をゆっくりジュースが下がる。
「付合えって、どゆこと?」
「趣味じゃないはずなんだがなあ」
 時雄は、苦笑いしながら言った。だが目が笑ってない。役者ばりの端正な顔を真剣な表情にして、はすみの顔を覗きこむ。
「おまえに惚れた」
「マジ? 大丈夫? たらしのトキオがあたしなんかに惚れていいの?」
「自分で言うな。おまえいい女だよ」
「ふえー……」
 目をまん丸にしていたはすみは、やがてにこーっと顔が崩れそうに笑った。
「やったあ、これでもりりんに勝てる」
「はあ?」
「もりりん、酒井にくっついちゃったでしょ。悔しかったんだ。でも酒井よりいい男つかまえちゃった。ラッキー」
「おれはペットか」
「違う違う。ほんというと、あたしもトキオ好きだよ」
 照れもなにもなくはすみは平然といった。こういうとこがいいんだよな、と時雄は軽く息を吐いた。

 じきにクラスのみんなにもばれた。何しろ、プレイボーイとして名高い時雄が女の子を口説かなくなったのだから。はすみが相手だと分かったときには、みな呆然とした。
 時雄にしてみれば、変なことをしているつもりはない。なにしろ、この娘はまったく自分を飽きさせないのだ。次から次へと妙なところを披露する。天真爛漫なはすみにぐんぐん引きこまれて、他の女などどうでもよくなった。
 じきに時雄は、はすみの別の面を発見した。セックスの才能だ。
 きゃあきゃあ騒ぐだけのはすみが、二人きりになると、意外にもしっとりした女の一面を見せるのだ。あっけらかんとして好奇心旺盛なところは変わらないが、変なところで恥らうこともある。そのくせ、妙に大胆になるときもある。そのギャップが、また時雄をそそった。
 二週間で、初体験した。
 一線を越えた後は、止まらなくなった。はすみはセックスに関しても、持ち前の明るさと意欲でいろんなことを試すようになった。初めてのときこそ痛くて泣いたが、柔軟な心がすぐに快感を受け止めることを覚えた。せっくすっていいよねー、最高きもちいいよ、とにこにこ笑い、不意に猫のように目を細めて、トキオ、抱いて、と言うのだ。悪戯な妖精を相手にしているようで、時雄も激しく応えた。
 教室でやった。体育倉庫でやった。二人の家でも、下校途中にも、夜の公園でもやった。さかりのついた獣のように、二人は毎日交わるようになった。

 ある土曜日、二人はいつものように、示し合わせて教室に残った。生徒たちが帰っていく。
 じきに二人きりになった。校庭から運動部の声が聞こえてくるが、誰もおらず、誰も来ない。はすみが、にやにやしながら時雄のそばに寄って来た。
「トキオ、する?」
「したいか?」
「うんっ!」
 はすみが何度もうなずく。かわいらしい子猫のようだ。尻尾があればちぎれるまでふっただろう。時雄は、胸が高鳴るのを感じながらはすみの手を引いた。
「トイレ行こうぜ。ここまだ人が来る」
「らじゃ!」
 二人で廊下をうかがい、小走りに走る。男子トイレに、時雄ははすみを引っ張り込んだ。個室に入り、鍵を閉める。
「んーん、したいよーう」
 はすみが、鼻を鳴らしながら体をくねらせた。全身から匂い立つような欲情した娘の香りが立ち上っている。
 時雄は、しばらく手を出さずに、しげしげと恋人の少女の体を見つめた。ほっそりした腕と腰。対照的によく張った胸と太もも。パープルのセーラーに包まれた肌が石鹸をぬったように真っ白で滑らかなことを時雄は知っている。股下十センチもないようなミニのスカート。その下から伸びる足はやわらかな肉付きとよくしまった筋肉を一緒に供えている。覆っているのはストラップつきの黒のストッキングだ。
 顔を見つめる。小さな鼻と、薄桃のリップを塗った少し大きめの唇。まん丸に近いほど大きな瞳が、速くも潤み出しながらじっと時雄を待っている。天然で色の薄いセミロングの髪からは、リンスだけとは思えない不思議な甘い香り。
 時雄は、ため息をついた。はすみが首をかしげる。
「どしたの? トキオ。あたしなんか変?」
「いや……不安でよ」
「何が?」
「おまえさ、可愛すぎるんだよ」
 時雄は、手を伸ばしてはすみの肩を抱き寄せた。自分の手首ぐらいしかない薄い肩をぎゅっと抱きしめる。
「最近不安でしょうがねえんだよ。誰かがおまえを取ってきゃしねーか……いかんわ、おまえにずっぱまりだ」
「あたしはトキオのだよ? 髪の毛の先から足の指まで」
 そう言ってはすみがぷにぷにの頬をアゴにこすりつける。なにも考えていないくせに最高に時雄の独占欲をそそり立てる言葉だ。余計に時雄は不安になる。
「わかってるけどよ……理屈じゃわかってるけど」
「不安なの?」
「そうだよ……」
「うーん……」
 しばらくはすみは、あごに指を当てて考えていた。それから、不意に頬を赤く染めた。体を離して、嫣然と時雄の顔を上目遣いに見上げる。
「じゃ、証明してあげる」
「証明って……」
「あたしが全部、中も外も時雄のだって、印つけて。時雄の体で」
「おれの?」
 はすみは、便座に座り込んだ。いぶかしげに立っている時雄の股間に手を伸ばして、ジッパーを下げる。トランクスをかきわけると、半萎えの時雄のペニスが顔を出した。
 はすみは、ほおっと息を吐いた。物凄くいやらしいこと考え付いちゃった。こんなあたしって絶対変態だ。変態でもいい。トキオなら受け止めてくれる。
 最大限にどきどき鳴っている心臓に言葉を揺さぶられながら、はすみは開いた口をペニスの下に近づけ、言った。
「このまま、出して」
「出してって……」
「おしっこ。トキオの匂いをあたしにつけて」
「お、おま……」
 時雄は、唖然としてはすみを見下ろした。信じられない。
 はすみはまつげを振るわせながら見上げている。中学生のような幼く可愛らしい顔と出てきた言葉のギャップが大きすぎた。
「そんなことできるか!」
「あたしはいいの。トキオに安心してほしいから」
「……飲みたいのか?」
「他のひとなら死んでもやだよ?」
 ちょっと膨れてから、はすみは時雄のペニスを軽く握った。
「トキオのなら……いいの。多分おいしい」
 時雄は、ごくりとつばを飲んだ。はすみは口を開けて軽く目を閉じ、じっと待っている。
 今までのどんな女も示さなかった、最大限の屈従の態度だ。いやなことは絶対やらない女だとわかっているから、よりその意味がわかった。
 汚したい。この可愛らしいバカを汚してやりたい。むらむらと攻撃衝動が巻き起こる。
 時雄は、股間の筋肉を緩めた。尿道を勢いよく何かが走る。それをまったくそらさず、時雄ははすみの形のいい唇の中に注ぎ込んだ。
「んっ……」
 コップに水道の水を注ぎ込むような音が個室に反響する。自分で言った通り少しも逃げずに、はすみはその透明な奔流を受け止めた。
 舌の表面がへこみそうな勢いで温かい塩水が流れ込んでくる。アンモニアの匂いが鼻をつく。――たいしたことないや。いつものふぇらで慣れてるトキオの匂いだ。味は海の水みたい。
 口を大きく開けたまま、はすみは何度ものどを動かしてそれを飲みこんだ。
「は、はすみ……」 
 そそらないわけがなかった。邪気のかけらもないような美少女が望んで自分の排泄物を飲み下している。たちまちペニスが硬くなる。それにつれて射線が上にずれ、圧迫で勢いが弱まって行く。
「あん!」
 ずれた小便がはすみの鼻の下で飛び散った。避けるかと思いきや、はすみはぐっと身を乗り出してペニスを追ってきた。最後には、頬ですっぽりペニスを包み込み、時雄の体から尿を吸い出すようなことまでした。最後の一滴まで、吸い取る。
 放出が終わると、はすみは手の甲で顔をぬぐって、それを丁寧になめつくした。陶酔の極みにある顔で、熱い息を吐く。
「全部飲んじゃった……あたしの中、完璧にトキオで汚されちゃった。これであたしは、丸ごとトキオのものだよ」
 見つめていた時雄は、ごくりとつばを飲んだ。こいつはおれのものだ。だったら、おれもこいつのものだ。
 しゃがみこみ、はすみの足を持ち上げる。「あん、なに?」と言うのを聞き流して、二本の足を天井に向かって直立させる。時雄の前に、しみひとつない艶やかなはすみのヒップが現れた。張り詰めた肉の間に、縦長の黒い布が埋もれている。
 時雄は、そこに顔を押し付けた。頬が柔肉に包まれ、鼻に布地が触れる。思った通り、布にはぬるぬるした愛液が垂れ落ちるほど染み出してきていた。猥雑なほどいやらしいメスの匂いが鼻を突く。
 鼻の頭ではすみの花びらをたどる。縦に割れた二つの唇。その真ん中から少しだけはみ出した小さな唇。少し下には、潤みきってとろとろのやわらかな穴。肉というよりジェルのようだ。
 時雄は、そこに唇を押し当てて言った。
「出せよ」
「え?」
「おまえも出せよ。小便。全部飲んでやるから」
 はすみは聞きかえして来なかった。もうとっくに壊れているのだ。好きな人に汚いものを浴びせるという行為も、愛撫の一種のように思えていた。ただ、両手で時雄の頭を抱え込んで、より強く自分の性器に押しつけた。嬉しい、というように。
 時雄の下の先で、じわじわと下着が濡れてきた。すぐにそれは奔流になった。下着の布勢いは拡散され、広い範囲から漏れ出てくるように大量の尿があふれてくる。
 時雄ははすみとまったく同じ思いを抱いていた。こいつのものだったらどんなものでも受け入れられる、と思った。それが生きていくのに必要な飲み物であるかのように、時雄ははすみの尿をうまそうに飲み干し、最後の一滴まで舐め取った。
 全て終わると、二人は荒い息をつきながら見つめあった。
「どんな感じだった」
「めちゃめちゃゾクゾクした。トキオにあたしのおしっこ飲ませてるんだもん。大事なものぶち壊したみたいで最高!」
「おまえイッちゃってるよ」
「トキオもね」
 二人は、ぶつけ合うように唇を重ねた。お互い尿の味がする。自分の小便を味わってるいるという倒錯で、二人とも気が狂いそうな興奮を覚えた。
 もう時雄は我慢できなかった。はすみの両足を大きく割り開く。下げるのももどかしくはすみの下着を引き千切る。とろとろに煮立った性器からたちまち便座のふたに愛液が流れ落ちる。太ももをつかんで自ら受け入れる姿勢を示したはすみの上に時雄は覆い被さった。
 つん、つん、とペニスの先ではすみの性器をまさぐる。小さな粒やひだが触れる。もっと下。尻の肉の合わさるところに一番熱いやわらかなところを見つけて、時雄はそこに腰を撃ちつけた。
「ひゃあーん!」
 はすみが嬌声を上げる。いつにも増して裏返った、ガラスが割れそうなソプラノだ。こいつのこの声も、おれだけのものだ。この髪も、この顔も、手も足も、あそこも。
 はすみの膣内でクリームを練るかのように、時雄は差しこんだ肉棒をねっとりとかきまわした。はすみが薄目を開けながらピクン、ピクンと細かく痙攣する。
「そこぉ、いいよっ! トキオのちんちんいいっ!」
「ここだろ? このまんこの中の天井のとこだろ?」
「うんうん! そこいいの! もっとゴリゴリしてェ! ふあんっ!」
 声が漏れることなど少しも気にしない。ただ気持ちよさを相手に伝えたい一心ではすみが喚きたてる。
 トキオのちんちん、燃えてるみたい。あたしのあそこ、どろどろに溶けちゃってる。中をかき混ぜられて、腰の裏に鳥肌が立ってる。もう最高。体中ビリビリしびれるみたいで、足の先まで突っ張っちゃってる。あそこからおつゆが出るのを止められない。天国みたい。
 好きな人に好きなようにされる快感が、はすみの理性をかき消して行く。
 時雄もそれは変わらない。
 こいつ、こんなに可愛いくせに、なにも知らないような顔のくせに、刺されたら壊れそうに細い体してるくせに、それなのに狂ったみたいに乱れやがって、根元までおれのちんぽくわえ込みやがって、よだれと汁めちゃくちゃに垂らしやがって、びくびく振るえやがいやらしく締め付けやがって――
 壊してやる、汚してやる、腹の中までおれのものにしてやる!
 セーラーの前のジッパーを外す。ブラジャーをむしり捨てる。Cカップの可愛らしい乳房がまろび出る。
 汗でぬるぬるに光る丸いふくらみのてっぺんで、さくらんぼのような乳首がピンととがって天井を向いている。時雄はそれにむしゃぶりついた。
 舌でめちゃくちゃにかきまわす。右手で乳房をつかむ。まりの様に弾んで逃げようとするそれを捕まえ、指の間でもみ潰すようにこねくり回す。
 反対の手は尻の下に差しこみ、びくびく痙攣する筋肉をつかみこんで、自分のペニスとの間で押しつぶすように打ち付ける。
 どこもかしこも指の間から漏れて流れて行きそうな柔らかさだ。自慢のペニスを押しこんでいる腹だってこぶしひとつ分ぐらいの薄さしかない。
 壊れてしまいそうに華奢なのに、猛烈にしゃぶり尽くすことが許されている。女って、こいつって、なんて不思議で最高なんだろう、と時雄はむさぼりながら思った。
 ぴくんぴくん、と時雄のペニスの付け根が震えたのをはすみは感じた。来る。トキオがあたしに出してくれる。
「行きそう? ねえトキオ、行きそう?」
「行く、行くぞ、はすみ。外に出すぞ」
「ダメ待って、中に出して!」
 はすみは叫んだ。あたしもこのままイきたい。トキオが行くのを感じたい。あたしの中にあったかい汁を出してあたしの子宮をひたひたに満たしてほしい!
「突っ込んでよ、中で出しちゃって! だいじょぶだから! ほしいの、トキオの精子がほしい! 思いっきりあたしに注射して!」
「できちまうぞ!」
「あたしまだ生理ないの! 初潮きてないの!」
 はすみの叫びに時雄は耳を疑ったが、すぐに納得した。こいつならありえる。毛だってさわさわとしか生えてない、子供みたいなあそこのこいつなら。
「いいんだな? 出すぞ、出すぞ! ふうっ!」
 びくん、びくびくっ、と二人は同時に痙攣した。
 子宮口にペニスをねじ込まれると同時に、ばしゃっと音を立てて時雄の精液が流れ込んできた。激しく出入りしながら、ペニスが体の奥に粘液を押しこんでくる。
 最高、とはすみは思った。あたしの一番奥に、トキオの秘密の汁を入れられたんだ。これ以上の幸せってない……。
 時雄は思いきり精液を打ち放った。何物にも遠慮しなくていい開放感の中で、この可愛らしい獲物を串刺しに打ちぬくことが出来る喜びを覚えながら、はすみの体の中心に向かって、出せる限りの精液を流し込んだ。
 どくっ、どくっとペニスが震える。絶頂の快感で縮みあがったはすみの膣が寒気がするほど心地いい。
 一滴たりともこぼれてこないように、時雄ははすみの奥深くまでペニスを突っ込んだまま、じっとその温かさを味わっていた。

―― 了 ――


   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆



 あっちーさんという方のお汁娘屋というサイトに、「トイレにウエルカム」というイラストがあります。えっちなCGの部屋、上から二番目。それを見ながら抜いてください。絵的にはそれがモデルです。
 前説も後説もない唐突な話ですが、昔自作した非エロの話に対して自分で書いた、同人誌のようなものです。古いのでやや不満がありますが、まあ抜くのに差し支えはないだろうと。本編は全然関係ないので省略。
 DOORをざっと見渡した時に、初めての方にとっついてもらえそうな、短くてあまり濃くない話がなかったので、引っ張り出しました。
 とか言いながら、しっかり飲んでますが。
 続きはなし。


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