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 パソコンはウィンドゥズが広まる前からやってた。
 インターネットは高校生のころはじめた。
 去年、暇つぶしにオンラインゲームをはじめた。
 私が彼女達と出会うきっかけとなった、あのゲームを……


こころ むすぶ はし  第一話
作者 Grace

「あと5%…どうしよっかなぁ……」
 画面を見ながら一人つぶやく。そのあいだもマウスとキーボードを操作する指は止まらない。止めてしまえばゲームオーバーになるから。
 私の名前は水島 彩、ハンドルネームも「Aya」で通してる。ゲームの中でも同じ「Aya」。今、画面の中心に立ってるのが私のキャラクター。きわどい服の上に長いローブを羽織った、火や氷の魔法を使いこなす魔術師だ。
 去年の春先にこのゲームのことをどこかのホームページで知って、最初は暇つぶしのつもりでベータテストと呼ばれる無料の期間だけ楽しむつもりだった。
 けど、今じゃすっかりはまって抜け出せなくなってしまった。
 さっき思わずつぶやいちゃったのは経験値のこと。このゲームは経験値を%で表示してて詳しい数値は隠してある。今、私の経験値は95%までたまってて、あと5%でレベルアップなのだ。もっとも、今の私のレベルだと、その5%が遠かったりするんだけど……。

From:てぃせ はふー、ただいまですー

 突然ゲーム画面の隅に小さなウィンドウが開く。それを横目で確認し、目の前のモンスターを全滅させてから、メッセージを打ちこむ。

To:てぃせ おかえり、てぃせ
To:てぃせ いま
To:てぃせ かりば
To:てぃせ ちょっとまっててね
From:てぃせ はぁーい。

 細切れの文章を慌てて打ちこむ。魔術師という職業はとてもか弱く、少しでも油断するとすぐにやられてしまうから、下手に長い文章を打ちこむのは危険極まりない。
 このゲームの便利なところは特定の相手と1:1で秘密のお話ができるところ。FromとかToってのはその秘密のお話をしてる文章。しかも、ゲームにログインしていれば相手がどこに居たって届くのがいい。

To:てぃせ まちにいて
To:てぃせ すぐもどるわ
From:てぃせ じゃあ、いつものところで待ってますねー

 アイテムウィンドウを開き、帰還用のアイテムをダブルクリックする。画面が暗転する直前に数匹のモンスターが現れるのが見えたけど、細かいことは気にしない。なにせ、私がこのゲームを続けてる最大の要因が帰ってきたのだ。

Aya:おかえりなさーい
てぃせ:おかえりなさーい
Aya:あら、同時w
てぃせ:しんくろーw
Aya:お仕事ご苦労様(なでなで
てぃせ:ふゎ…ありがとうございますー(てれてれ

 べつに実際に撫でてるわけでも、そういうエフェクトがあるわけでもない。ただそういうしぐさをさせているつもりで書きこむ。これがゲームやチャットの中での表現の一つなのだ。今もてぃせを撫でているつもりで書き、てぃせは照れているしぐさを見せているつもりで書いてる。
 てぃせは回復とか支援を使う僧侶という職業だ。紺色のデザインの法衣が清楚で、かつちょっとエッチでかわいい。

Aya:今日は遅くまでOKなんだっけ?
てぃせ:うん、今週はちゃんとおやすみとれたー
Aya:じゃあ明日も丸一日空いてるの?
てぃせ:んっと…お買い物があるから、ちょっとだけお出かけかな
てぃせ:それ以外はあいてるとおもいますー
Aya:土日はめいっぱい遊べそうだねw
てぃせ:ひさしぶりのおやすみだから、あやちゃんとめいっぱいあそぶのー
Aya:はいはいw

To:てぃせ で、今日は狩りにする? それともえっちなほうがいい?

 オープンチャットの会話から、別ウィンドウを開いて1:1チャットでこっそり話しかける。どこの誰にでも聞こえるオープンチャットは往来で大声で話しているのといっしょだ。こんな会話をおおっぴらにするわけにもいかないので、こうしてこっそり、相手にだけメッセージを送る。

From:てぃせ お、お姉様…約束…でしたよね?
To:てぃせ ん? わたし何か約束してたっけ?
From:てぃせ ぁぅ……い、いじわるぅ……

 画面の前で思わずくすくすと笑ってしまう。てぃせはいつもかわいい反応をする。そして、かわいい物好きの私はそんなてぃせのかわいいところを見たくて、時々わざと困らせてみたりするのだ。

From:てぃせ 週末…お休みとって会えたら……えっちしてくれるって……ぁぅぁぅ
To:てぃせ ずっと期待してたの?
From:てぃせ ん……うん……(もじもじ
To:てぃせ ふぅん…てぃせってば、結構エッチなんだぁ…
From:てぃせ な、ななっ!! そんなことないよっ!! そ、それに……
To:てぃせ ん? それに?
From:てぃせ 私にこんなこと教えたの…お姉様だもん……
To:てぃせ 素質が無かったら…身につかないと思わない?
From:てぃせ い、いじわる……
To:てぃせ ふふ、ごめんね。てぃせがあんまりかわいいから、つい意地悪したくなっちゃう
To:てぃせ (おでこにちゅっ
From:てぃせ ふぁ……んっ…♪

 キスの一つでご機嫌を取り戻してくれる。そんなところもたまらなくかわいい。
 それから私達は、いそいそと町を移動して、いつも使っている建物の中に入った。
 このゲーム、どういうわけかNPCも居ない何の意味も無い建物がマップのあちこちに点在してる。製作者の意図は知らないけど、私達みたいにこっそりなにかをするプレイヤーにはまさにうってつけの場所。
 部屋の片隅、ベッドのオブジェクトの上で座らせ、さっさとチャットルームを開く。人数限界を2に設定して、念のためPASSも入れる。パスワードはkiss。いつも私が使うキーだ。タイトルは適当に…AFKっと…。

<てぃせ様が入室しました>
てぃせ:くぅん♪(すりすり
Aya:いきなり犬みたいな声だして…甘えんぼさんなんだから(頭を撫で撫で
てぃせ:だ、だって…たのしみだったんだもん……
Aya:もう…かわいいんだから……んっ……(やさしくキス
てぃせ:ふぁ……ちゅっ……ん……(腕をまわして抱きついちゃう

 本当にかわいいと思う。これはゲームという虚構の姿で、現実ではない。そんなことはわかっていても、やっぱりかわいいものはかわいい。そして私はいつものように、パソコンデスクの上から飲み物やお菓子をどかして、ちょっとした準備をする。

Aya:今日はどんなことをされたいの?
てぃせ:お、お姉様の好きなように……
Aya:そう……じゃあ、てぃせを裸にして街を歩きましょうか。
てぃせ:や、やだっ! は、はずかしいよぉっ!
Aya:あら…好きにしてって言ったのはてぃせじゃなかった?
てぃせ:そ、そうだけどぉ……でもぉ………
Aya:ふふ、冗談。てぃせは私の物だもの……(もう一度抱きしめてキス
てぃせ:お姉様……んぁ……はふっ……

 羞恥プレイは私も趣味じゃない。第一こんなかわいいてぃせを他の人に見せるなんてもったいない。
 元々独占欲は強いほうじゃなかったんだけど、彼女ともう一人、その二人だけは特別。ずっと私の物にしていたい。

Aya:てぃせ、服を脱いでベッドに座って。下着だけは残してね。
てぃせ:はい……(うつむきながらボタンをはずす
てぃせ:できました……これでいいですか?(胸とショーツを手で隠しながら振り向く
Aya:てぃせ、それじゃあそこで一人えっちして見せてくれる?
てぃせ:そ、そんなっ!(耳まで真っ赤になってうつむいちゃう
Aya:できないの? じゃあ今日はおしまいに……
てぃせ:ぁ、ぁぅ…や、やりますぅ……(ローブの裾をつかむ
Aya:ちゃんと私に見えるようにしてね?
てぃせ:はい…(軽く足を開いて座って、そっと胸に手を当てる
Aya:まだなにもして無いのに、ショーツすこし濡れてるね。
てぃせ:や…はずかしいです……(撫でるように胸を揉む
Aya:何で濡れちゃったのかしら?
てぃせ:そ、それは……お姉様とキスしたときに…
Aya:キスだけで濡らしちゃったんだ…はしたないのねぇ……
てぃせ:やだ……ん…、んんっ……(下着越しに軽く撫でる
Aya:今、どんな感じか…私に教えてくれる?
てぃせ:む、胸の先が…しびれて……からだが熱い…です……
Aya:それだけ?
てぃせ:あ、あそこ……濡れて……どきどきしてます……
Aya:あそこってどこ?
てぃせ:い、言えません……
Aya:おしおき、してほしいの?
てぃせ:ふぁっ…い、言います……だから、おしおきは……やめてください……
Aya:じゃあ、どこだかはっきり言ってね
てぃせ:お、おま…………です……(ほとんど聞こえないような声で
Aya:おしおきのおねだりかしら?
てぃせ:ち、ちがいます………
てぃせ:お、おまんこです……
Aya:よく言えたわね…ごほうびを上げるわ…。私の服を脱がしなさい。
てぃせ:は、はい……ありがとうございます…(ゆっくり服を脱がせちゃう

 ご褒美なんて嘘。本当は自分が我慢できなくなっただけ。PCの前の私もスカートを脱ぎ、ブラジャーを外す。
 そこまでした後で、私は慌てて部屋を見まわす。扉も閉まってる、窓のカーテンも閉まってる。これで見られることはないと思うけど、一応シーツをかぶって身を隠す。

Aya:いい娘ね……(そっと抱きしめてうなじを撫でる
てぃせ:ふぁ……おねぇさまぁ……(じっと見つめたまま背中を撫でる
Aya:ブラ…外すわね……(肩紐をずらし、ホックを外す
てぃせ:おねぇさまも……(ブラを外し、そっと胸を揉む
Aya:んっ……もっと強くして…いいのよ……
てぃせ:はい……(少しだけ力を入れながら、指先で胸の先端を撫でる
Aya:きもちいい……てぃせのも…してあげるわ……
Aya:(人差し指と中指で胸の先端を挟みながら、やさしく揉む

「んっ………」
 思わず声が漏れる。てぃせにしてもらっていることを、私はPC前で自分でしているのだ。
 もっとも、さすがに背中を触ったりはできないので、できる範囲で再現するだけだけど。

てぃせ:ひゃ……ぁ……き、きもちいい……ですぅ……
Aya:いっぱい感じてるのね…こっちはどう?(ショーツの上から秘所に触れる
てぃせ:ひぅぁ……そ、そこも……感じちゃいます…(ショーツが濡れちゃってる

 不意に椅子がガタッっと大きな音を立て、私はその音に身を縮めてあたりを見まわした。
 なんのことはない、自分の足が意識せずはねただけなのだが、ついつい慌ててしまう。
「ほっ……」
 小さくため息をついて、シーツをかけなおす。もうタオルにもシーツにも染みが出きてた。このあとは、もう止められそうもない……。

Aya:もうすっかり濡れちゃって……押したら染み出してくるじゃない…
てぃせ:だ、だって……おねぇさまがさわってるから……だもん
Aya:私に触られただけで感じちゃうの? えっちな娘ねぇ…
てぃせ:や、やぁ……いじわるいわないで……(顔を隠しちゃう
Aya:隠さないで、てぃせのかわいい顔、もっと見せて…
Aya:それにほら、私だって…(自分のショーツに手を導く
てぃせ:あ…おねぇさま、いっぱい濡れて……(下着の上から軽く撫でる
Aya:ふぁ…わ、わたしもてぃせといっしょ……(軽く抱き寄せる

 一緒だなんて、ほんとは嘘。えっちなのは私のほう。
 いくらカーテンを閉めてシーツをかぶっているっていったって、PCの前で半裸で一人えっちしてるなんて、普通じゃない。でも、わかってたって指の動きは止めようが無かった。
 今私を触っているのはてぃせの指、私を包むシーツはてぃせの腕……。

てぃせ:おねぇさまぁ……わたし、もう我慢できません……いつもみたいに……
Aya:うん、私も……下着、脱ごうね……
てぃせ:は、はい…

 軽く腰を浮かして下着を脱ぐ。片足しか抜かないのはせめてもの理性の抵抗。あとはお尻のしたにタオルを敷いて…これで、よし。

てぃせ:ぬ、脱げました…

 ふとPCに視線を戻すと、てぃせがちょうど返事をしたところだった。私も慌てて打ち返す。

Aya:うん、私も……おいで、てぃせ(やさしく抱きかかえる
てぃせ:おねぇさま……(足を絡めて抱きつく
Aya:んんっ……あ、あたってるの……わかる…?
てぃせ:はい……おねぇさまの……やわらかくって、きもちいいです……
Aya:てぃせのも……あったかくて、いっぱい濡れてるわ…(軽く腰を反らしておしつけ
てぃせ:きゃ! ひぁっ!! お、おねぇさまっ!!(しがみついちゃう
Aya:ちょ、やだ…そ、そんなの、強すぎて…んんっ
Aya:(足を強く絡めて、粒を擦りつける
てぃせ:おねぇさま…わ、わたし、もうgまんが…
てぃせ:(がまん、です

 頭の中が真っ白になって、今までのようなテンポでは打てない。
 気がつけばてぃせの返事も間が空いてる。合わせてくれてるなら気をつけなきゃ…。
 そんなこと考えてても、指の動きは止まらない……もう、限界が近い。いくなら、いっしょがいい……。

Aya:う、うん…てぃせ、いっしょに…わたしも…んんっ!!
てぃせ:ふゎ! お、おねぇさまぁぁっっ!!!!

 リターンキーを押すのと同時に、自分の敏感なところも指で押しつぶして、中に入れてる指も激しく動かし始める。
 頭が真っ白になって、腰が浮いちゃうような感覚がきて……もう、だめ……!!

てぃせ:ぁ…んぅ…おねぇさまぁ……(頬を押しつけてすりすり
Aya:てぃせ…すごくよかった……(やさしく頭を撫でて
てぃせ:わ、わたしも、です……(真っ赤になってもじもじ
Aya:ん、うれしいな……てぃせ、好きよ……
てぃせ:おねぇさま…私も……それに、あったかいです…
Aya:うん、てぃせもすごくあったかい……(頬を寄せる
てぃせ:や、お、おねぇさま…い、いま敏感だから、うごいちゃだめ…
Aya:thさ¥「
Aya:ん、うん…わたしも、動くとまた、へんになりそ……

 今のは、ちょっと慌てた。自分ので汚しちゃったキーボードを少しぬぐおうと思ったら、リターンキーまで触っちゃった。変におもわれたりは……してないよね?

てぃせ:ん……おねぇさまとだったら何度だっていいけど……んと……
Aya:ん? なぁに?
てぃせ:お、お仕事で疲れちゃってて、眠く……ごめんなさい;;
Aya:あらあら、そっかぁ……じゃあ、早く寝なくっちゃね(おでこにちゅっ♪
てぃせ:うん、でも、もうちょっとだけ一緒がいいです……ちゅっ(唇にキス
Aya:ふぁ……んっ、ちゅむっ……(頭をやさしく撫でながら、深くキス
てぃせ:ん、ぁむ……んっ…(おずおずと舌をさしいれて、お姉様の舌をつつく
Aya:はふっ……んっ、ん……んくっ……
Aya:(されるがままに、てぃせに預けるように舌を絡める
てぃせ:んぅ…おねぇふぁ…ぁむ……ちゅぅ……
てぃせ:(頭を抱きしめるようにして、髪を撫で撫で
Aya:てぃ…んっ…くちゅ……ぁ、んっ…んんっ…(同じように、返して
てぃせ:……は、はふ…、こ、これいじょうだめ…また、ほしくなっちゃう……
Aya:あ、うん……そ、そうだね……
てぃせ:じゃあ、またあした……
Aya:うん、今日はゆっくり休んでね(ちゅっ

 それから私達は明日一緒に狩りに行く約束をして、ログアウトした。
 えっちのあとはぼんやりして力が抜ける。それに、この心地よい余韻をゆっくり味わっていたかったので、さっさとベッドに入ることにした。
 今日もいい夢見られそう……。
「そういえば……あのときの誤字って……まさかね」

続く



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