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 H@home

「はいは〜い」
 山倉英二がアパートのチャイムを押すと、気の抜けた声で返事があった。ぱたぱたと足音がして、ドアが開く。
「書留? たっきゅーびん? NHKだったら見てないよー」
 顔を出しざま言ったのは、まだ寝ぼけまなこの、パジャマ姿の金髪の小柄な少女だった。英二は思わず面食らった。
 ……ここ、だよな。
 ソンブレロアパート二〇五号。ネットで見たとおりの住所と部屋番号。男か、せめて応対のおとなが出てくると思っていたが――
「あれ、違うの? なんだ、ハンコいらなかったなあ」
 少女はおっとりと首をかしげる。丸みのある声で、ほやほやとした愛嬌のある動作だ。気が引けたが、英二は思いきって聞いてみた。
「あの……H@homeってのは……」
「あ、そっちのお客さんか! はいはい、待っててね」
 間違ってはいなかったらしい。英二は安心したが、いったん引っ込みかけて、少女はもう一度顔を出した。
「コスチュームのリクエスト、三千円でオッケーだけど、何かある?」
「……どんなのがあるんだ?」
「普通のならたいていあるけど。いきなりドイツ軍将校とかエンタープライズ号乗組員とか言われない限り」
「聞くが、その……あんたが?」
「そうだよ」
「じゃあ……普通の、タンクトップとショートパンツでいい」
「あっ、ありがと! 暑いからねー。十二単とか言われなくてよかった」
 待ってて、と少女は中に引っ込んだ。しばらくたってから、「入っていいよー」と声がかけられる。
 中に入った英二は、また妙な気後れを感じた。流しと冷蔵庫、反対にバスとトイレ。引き戸を開けると、六畳の一間で、家具といえば電話とクロゼット、姿見とパソコンぐらい。開けっぱなしの窓から風が入ってカーテンがなびいている。どう見ても普通の1Kだ。最初の少女がちゃぶ台に麦茶を出していた。
「あんた、名前は」
「名前? んーと、今日はじゃあ、ひばりにしようかな」
 窓の外を見ながら少女が言った。英二が見ると、忙しく羽ばたきながら小鳥が飛んでいた。
「今日はって」
「決めてないから。毎日変わるの。それとも、他に呼びたい名前、ある?」
「いや……ひばりでいい」
「じゃ、決まりね。さあ、座って座って」
「はあ……」
 毒気を抜かれて、英二は座布団にあぐらをかいた。少女がにこにこしながらポットから冷えた麦茶を継ぐ。
「どーぞ♪」
「お、おう……」
 麦茶を飲みながら、英二はちらちらと相手を観察した。
 十台半ば、というところか。肩で切りそろえた柔らかそうな金髪がなびいている。顔立ちは幼げで愛くるしい。言ったとおりのライムグリーンのタンクトップと白いカットジーンズから、華奢で滑らかな四肢が伸びている。つま先は、サービスのつもりなのか、白いルーズソックス。二の腕のふっくらとしたまるみに視線が吸い寄せられる。美少女だ。
「あの……ほんとにあんたが?」
「そうだよ。なにか変?」
「変っていうか……似合わねえ気がして……」
「それ言ったらお兄さんも変だよ。結構カッコいいのに、少年趣味なんて」
「しょ……」
 そのつもりで来たのに、英二は顔を赤らめた。
「やっぱり、あんた女じゃ」
「そうだってば。あたしはおとこのこ」
 ニコッ、とひばりは笑った。ま、ネットの情報は嘘じゃなかったな、と英二はうなずいた。
「まーね、お兄さんみたいにびっくりする人も多いから――」
「英二でいい」
「英二みたいな人も多いから一応説明しとくと、手っ取り早く生活費が稼げるからやってるだけ。ほんとは女の子の方が好きなんだ。だから、口説いても無駄だよ」
「そりゃ分かってる。心配するな」
「うん、それでね。個人営業だけど、バックもあるから。あたしが嫌がることすると、次の日から黒服のこわーいお兄さんたちが山になって押し寄せてくるからね」
「く、黒服?」
「山内組。ここらへんのこういう商売仕切ってるの」
 ぶっと英二は麦茶を噴き出した。ひばりはけらけら笑った。
「だいじょぶだって。ちゃんとお金払ってくれれば、後腐れなんかないんだから。ぼったくりなんかもしないし」
「ほ、ほんとか?」
「ほんとほんと!」
 ひばりは安請け合いすると、黒電話の台からレストランのメニューのようなものを取り出した。
「はい、料金表」
 それを見せられた英二は、ほっとした。やっとそれらしいやり取りになってきた、と思ったからだ。ひばりが淀みなく説明する。
「英二はまずコスプレで三千円ってとこだけど、これ普通の服だから千円でいいよ。基本料金がBで一時間一万円。バイブとかは悪いけどないから。それから、英二がイッたら一回五千円。あたしがイッても一回五千円。この辺女の子よりわかりやすくっていいよね」
「あんたがイッたらって……イクのか?」
「イクよお」
 ひばりは、いたずらっぽく英二の顔を覗きこんだ。
「おとこのこだもん。もにゅもにゅされたら、そりゃイッちゃうって」
「で……口とか、その……バックとかは?」
「一応全部オーケー。英二がいいんだったら生でもね」
「生で?」
「うん。気持ちいいよ、生」
「その料金は?」
「別にいらないから。さっきの、一発五千円ってのでオッケー」
「ほんとにそれでいいのか?」
「それでって言うけど……大体みんな二時間ぐらい居座って、しっぽ痛くなるまでするから、四、五万行くことが多いよ」
「いい、それでいい。とりあえず一時間」
「そお? じゃ、今からカウントね」
 ひばりがタイマーを入れて、ちゃぶ台をわきにずらした。窓際にぺたんと女の子座りして、両手を伸ばす。
「はい、お好きなようにどうぞ」
 いかにも無造作なその仕草に、英二は信じられない思いで近づいた。笑っているひばりのそばまで行くが、ちょっとためらう。
「どしたの? あたしからしようか?」
「いや……窓」
「外からは見えないって。んもう、時間もったいないでしょ!」
 ひばりは冗談めかしてふくれると、英二に覆い被さってきた。
 英二のシャツを剥ぎ、ズボンを抜き取る。英二は逆らわない。まだ勝手がわからない。任せたほうがいい。
 ひばりは、座った英二の前にひざまずき、手初めてとばかりに胸に舌を押しあてた。
「全部なめてあげる。……いやだったらゆってね」
 ひばりが、まるで洗うように英二の体をなめ始めた。胸から両腕、指、肩に戻ってあご、耳。顔に来ると、ふと止まった。目で尋ねる。
 キスしていい?
 大丈夫だ、と英二は思った。まだ、女を相手にしているのと変わらない。気持ち悪くはない。
 ひばりは英二の背に腕を回して、情熱的に舌を差し込んできた。気後れしながらも唾液を流し込むと、吸い上げるようにひばりはそれを受けた。英二は強気になって、後から後から唾液を送り込んでみた。ひばりは嫌がるそぶりも見せない。
 押しつけてうごめく唇の端から、あごまで唾液でだらだらにしながら、英二はくちづけをむさぼり続けた。ぬるぬるとやわらかいひばりの唇と舌は、時を忘れて味わいたいほどうまかった。
 キスが済むと、ひばりは英二の顔に浮いた汗をすべてなめ取った。
 それから、ひばりが英二を押し倒した。体をひねって、下半身に向かう。汗臭いわきばらにもへそにもためらわない。ひばりは従順にそこを唾液で湿していく。部屋の熱気で二人の体に汗が浮かぶ。ひばりのあごから垂れたしずくを、英二は指ですくってなめた。
 つま先まで、ひばりがてろてろと舌を走らせる。足の指の一本一本まで含む。上下互い違いになったひばりの体を、英二は捕まえた。ルーズソックスをかぎ、それからふくらはぎにかみつく。染み出す汗を吸い取るように、膝うらに舌を這わせる。
 最後に、ひばりは英二の股間にたどりついた。そこで止まって振り向く。
「アナルもだ」
 英二の命令に、ひばりは顔をうずめた。英二は両足を広げ、ひばりの顔を挟み込む。ひばりは、英二の排泄物を出す穴を、ていねいにていねいに舌で広げている。それから、伸ばした舌でまんべんなく袋の裏をこそぎ上げる。
「気持ちいい?」
「ああ。もっとだ。もっとべとべとにしてくれ」
「うん……」
 ちろちろと細かく、べっとりと大胆に、ひばりは何度も唾液を塗り込めてそこをなめ回す。
 英二は、顔の上にまたがったひばりのショートパンツの股に顔を押し付けている。匂いはしない。布地の中で肉棒が硬くなっているのがわかる。あえてそこには触らずに、周りのぷりぷりした太ももを甘がみし、股間の布をかきわけて会陰部の薄い肉に吸いつく。
 ひばりが、英二のペニスにとりついた。小さな口と舌を最大限に広げて、もみあげ、しゃぶり、しごきたてる。そうやっているとうずくのか、しきりに股間を下げて英二の顔に押しつけようとするが、英二は顔をねじまげてそれをかわす。
「ねえ、あたしの触ってくれないの?」
 ひばりが哀願したが、英二はためらった。まだ、同性のものに触れるかどうか自信がない。
「先に一回行かせてくれよ」
「そう? ……わかった」
 にちゃにちゃと音を立ててしごきながら、ひばりが亀頭につるつると舌を回した。英二は二週間射精していない。その圧力と、ひばりの、男を知り尽くした指の動きが、急速に導いた。
「飲めよ……」
 低くうなりながら、英二は射精した。「んぷっ?」と戸惑ったような声をひばりが上げるが、構わず注ぎつづける。
 びくっ、びくっ、と痙攣をし終えると、やや人心地が付いた。亀頭がどろどろしたものの中でたゆたっている。それが不意に冷たくなった。
 ひばりが顔を上げて、ティッシュに手を伸ばそうとした。それを捕まえて強引に押し倒すと、英二はひばりのあごを押さえつけた。
「吐くな、飲め!」
「んっ、んーっ!」
 ひばりは苦しげにもがいたが、やがて、観念したように目を閉じた。ごくん、とのどを動かす。――英二が排出した汚物が、この細いのどの中を汚している。
「ひっどー……」
 顔をしかめて、ひばりは起きあがった。
「精液、苦手なのに……」
「仕事だろ、我慢しろ」
「まあ、おしっこ飲まされるよりいいけど……」
 口元に残った精液をティッシュでふき取ると、さて、とひばりがつぶやいた。笑顔で振りかえる。
「次は何するの? まさか一回で終わりのはずないよね」
 もう、今の仕打ちは忘れたようだった。根が明るいのだ。
「手? フェラ? お尻? わきとかいうお客さんもいたな」
「わき?」
「なんか、わきに挟んでしごいてくれって言うのね。変わった人だったなあ」
「あんたをなんだと思ってんだろうな」
「うん? いいんだよ、別に」
 ひばりは、いたずらっぽく言った。
「人形だと思っていいよ。奴隷でもいい。あたしにサービスすることなんか考えなくていいんだから。命令してみたら?」
 挑戦的な言い方に、英二はまたぞくっと体を震わせる。とりあえず、欲望は満たされた。だが、まだまだこの子の体を楽しんでいない。
「よし……じゃあその前に、まず風呂だ」
「お風呂? いいけど」
 立ちあがると、英二はユニットバスに入った。今二十分ね、とタイマーを見てから、ひばりも中に入ってきた。
 狭い空間で向かい合う。
 英二は、お湯のホースを手にとって、先端のシャワーを外した。何するの? と怪訝な顔のひばりにそれを向ける。
「アナルの前には、腸を掃除しないといけないだろう?」
「……それ、入れるの?」
「洗うんだよ」
 ひばりは押し黙った。かさにかかって英二は言った。
「なんでもやるって言っただろう? それともこれはダメなことか?」
「……ううん、それはオーケー。ひどいケガさせられるんじゃなければ……」
 そういうと、ひばりは背を向けた。風呂おけに両手をついて、尻を突き出す。
「石鹸なんか使わねえからな」
「……うん。いいよ」
 英二は、ひばりのショートパンツと下着を引き下げた。まっ白で風船のようにまるい尻が現れた。滑らかでしみひとつなく、少しも垂れていない。引き寄せられるように、英二はその尻に唇を押し付けた。
「あうん……」
 汚染するように、唾液を塗りたくっていく。指でわしづかみにする。ふくらみの間にぽつんと桃色のすぼまりがある。そこにも舌をねじ込んで、唾液を注入した。それでも足りずに、ひだを広げ、指でぐりぐりともてあそぶ。敏感で傷つきやすい粘膜を責められているのに、ひばりは抵抗しない。
「気持ちいいのか?」
「まだ痛いだけ……でも、お仕事だもん。ホースぐらいなら我慢する……」
「上等だ」
 英二は、ホースを穴に押し付けた。角のある先端を無理やり押し込んでいく。耐え切れずにひばりが身もだえする。
「おら、動くな!」
「う、うん」
 必死で耐えるさまに、ゾクゾクと英二は寒気を覚える。柔らかい粘膜の中にホースの先端が消えると、しっかりと押さえて、英二は蛇口をひねった。
「んあっ?」
 ひばりがびくんと体を震わせる。それを押さえつけて、英二は水圧を上げた。
「おらおら、まだまだだぞ!」
「う、うん!」
 うなずくそばから、ひばりは悲鳴を上げる。
「だっ、ダメ! ちょっと、おなか膨れちゃう!」
「ダメ? 死にそうか? ほんとに無理なのか?」
「……死にそうじゃ、ないけど……」
「なら我慢しな! そういう約束だろ?」
「うん、わかってる……」
 英二はひばりの下腹に手を当てた。流れ込む水の勢いがわかる。それが、はっきりと肌を膨らませ始めても、ひばりは歯を食いしばって耐えている。約束は守る、ということらしい。もっと見ていたかったが、やり過ぎて壊してしまうと楽しみがなくなる。英二は水を止めた。
「んんん……」
 ひばりは目を閉じている。風呂おけについた両手がぶるぶる震え、かくんと膝が崩れそうになる。ホースを引きぬき、すかさず手で肛門を押さえて、英二は聞いた。
「まだ耐えられるか?」
「……これで、ぎりぎり……」
「出したいか?」
「うん……出したい」
「よし、じゃあここで出せ」
「ここで?」
 ひばりがすがるような目で振り向いた。英二は冷たく言った。
「おれの見てる前で出せ。おまえの一番恥ずかしいことを、ここでやるんだ」
「……わかった」
 ひばりは、よろよろとしゃがみこんだ。その下に英二は洗面器をあてがう。
「出せ」
 どぼぼぼっ、と洗面器に茶色の水が弾けた。英二は前に回って、ひばりの顔をしげしげと見る。
「ウンコ、出てるぜ」
「うん……」
「目、見ろよ」
 ひばりが真っ赤な顔で英二を見た。
「綺麗ですてきで、妖精みたいなあんたも、出すものはやっぱ臭いし汚ねえんだ。自覚してるか?」
「やだ……こういうの、ちょっと……」
「オーケーなんだろ? 言ってみろよ」
 英二が問い詰めると、あきらめたようにひばりは言った。
「オーケー。あたしだって汚いうんちします」
「よし」
 ズボッ、と最後の塊が洗面器に弾けた。おら力め、と言われて、ひばりは鼻の頭にしわを寄せて力を入れた。さらに多くの液体が流れ出る。
「よし、捨ててこい。ついでにちゃんと拭いてこいよ。ほんとはスカトロはそんなに好きじゃないんだ」
 洗面器を持ってトイレに行ったひばりは、服装を整えて、すぐに戻ってきた。人間として一番恥ずかしいところを見られた、という羞恥からか、いくぶん快活さが減っている。
「次は……?」
 伏目がちに英二の顔を見上げる。ぞくっ、と英二は寒気を覚える。
 こいつなら……触れる、味わえる。
「よし……おまえに触るからな」
「……やっと?」
 ひばりの表情が、またぱっと明るくなった。切り替わりの速いところは子供のようだ。
 二人は、部屋に戻った。向かい合って座る。やけにあらたまった感じになってしまい、英二はなんとなく手を出しそこねた。すると、ひばりが自分から英二の手を取って強引に胸元に引き当てた。
「ほら、いっぱい触って!」
 ぺたっ、と生暖かい肌が振れたとたん、英二は吹っ切れた。タンクトップの隙間から少年の肌に手の平を当てて、じわじわと滑らせる。エアコンがないので汗が浮いている。
「あ、体にもシャワー浴びたほうがよかったね」
「いや、このままがいい。……なめるぞ」
 言うが早いか、英二はひばりを畳に押し倒した。胸元に唇を押し当てる。
「やん!」
 ひばりが嬌声を上げるが、逆らわない。英二は舌を出して肌に這わせた。陶器のように滑らかな表面にごく薄く産毛が浮いている。
 ぺろぺろと英二はなめ続けた。鎖骨からおとがい、タンクトップの肩ひもをずらして二の腕。汗が塩辛く、かすかに体臭が匂う。本やビデオでは得られない蟲惑的な匂いだった。
 しばらく続けていると、とがめるようにひばりが言った。
「……それだけでいいの?」
「それだけ?」
「もっとすごいことするお客さん、いくらでもいるよ。痛いことはだめだけど……顔なめても、どこなめても、なんでもしていいんだから」
「そ、そうか」
 英二は顔を上げて、ひばりの整った顔に唇を寄せた。頬に当てる。それから、鼻梁のわきや、眉や、まぶたをおもいきりなめ回した。
 ひばりがまったく抵抗しないので、少しずつエスカレートする。まぶたを押し上げて眼球に舌を這わせ、こめかみの後れ毛をかきわけて耳に唾液をまぶしこむと、汗の匂いがひときわ強く鼻を突いた。――汗臭いほどだったが、これだけの美少年だ。かえって興奮する。
 最後に、唇を重ねた。再び唾液の交換。顔だけでなく、体全体を押しつけ、抱きしめる。タンクトップが汗でべっとりと胸に張りついた。どちらの汗かわからない。
 股間がきばりきっている。英二はそれをひばりの股間に押しつけた。やわらかいものが感じられる。英二は体を離した。
英二は片手でショートパンツの上からひばりのものをまさぐった。まだ勃起していない。
「感じてないのか?」
「慣れすぎちゃってるから……でもすぐおっきくなるよ。ね、どっちがいい? ふにゃふにゃと、堅いのと」
「柔らかいのが……見たい」
「え?」
 聞き取れなかったのか、ひばりは顔を近づけたが、すぐに笑ってうなずいた。
「あ、恥ずかしい? わかるよ、おとこのこの欲しがるの、抵抗があるんだよね。気にしないで、そういう人って多いから」
「そうなのか?」
「うん。英二はまだ慣れてないんだね。あたしので慣れるといいよ。大丈夫、キスできたんだから、そんなに抵抗ないと思う。プロが保証します!」
 ひばりは、寝転がったまま尻だけ浮かせて、ショートパンツを降ろした。気配りのつもりか、片足にそれを引っ掛けたままで、股を開く。
「ほら、見て……」
 女性用のレースのパンティだった。その薄い布地の下で、可愛らしい肉のホースが縮まっている。英二は、おずおずと顔を寄せた。
 ふともものたっぷりした肉の間できゅっと細まっている下着は、少女のものと同じように魅惑的だった。だが、そこに器官のふくらみがあるのは見なれない光景だった。しかし英二は不快には思わず、そっと手を伸ばしてそれを揉んでみた。
 ふにゃふにゃと頼りない手触り。初めて触る他人のペニスに、英二は興奮を覚える。撫でているつもりが、いつのまにか執拗な愛撫になった。布の上から、茎と玉の両方を両手で揉みしだく。
 気がつくと、顔を押し付けていた。スポンジのようなやわらかな感触を鼻の頭で転げまわす。下着越しにツンと匂いが鼻をついた。自分とよく似たえぐいような匂い。かえってそそられた。鼻を押し当て、胸いっぱいに吸い込んだ。
「あん……かいじゃだめぇ……」
 喘ぎ声がたまらない。ざわざわと異常な欲望が湧きあがってくる。
 萎えている時にしかできないことがある。ひばりが勃起する前に、英二は命じた。
「小便しろよ」
「え?」
 飲むの? とひばりがからかうように言う。
「早くしろ」
「怒らなくても。馬鹿にしてないってば。それぐらい、うちに来るお客さんなら普通だもの」
 普通、と言われてやや気が楽になった。だが、まだ目で見る勇気はない。
 目を逸らしたまま、英二は手探りでパンティの横からひばりのペニスをつまみ出した。柔らかいそれに顔を寄せて舌で触れた。ぴくり、とひばりの体が震える。そのままぐっぷりと英二はひばりのペニスを口に収めた。いまさらのようにひばりが言う。
「寝転がったままするのって、変な気分……」
「こぼさないから、心配するな」
「そお? できるかな?」
 いたずらっぽく言って、ひばりは腰を突き出してきた。
 唾液を出して肉棒を包むと、汗の塩辛さが溶け出してきた。それとともに、目に染みるようなアンモニアの香気。
「おしっこの味するでしょ……」
 その通りだったが、英二はやめない。そんなはずはないのに、ひばりの体の美しさが、分泌物まで浄化しているように思えた。妖精の体から染み出す蜜、そんな風に思えた。
 目を閉じて集中のそぶりを見せたひばりは、やがてぴくっと腰の力を抜いた。しゃらしゃらと液体がこぼれ出す。英二はすかさず顔を寄せて、ペニスに吸いついた。刺激しないように、流れ出る水をのどにためていく。
「あ……いっぱい出るよ。いい?」
 答えを待たずに、ひばりが尻に力を入れた。シャアアッ! と英二の口の中に尿が弾ける。もうなんの抵抗もなく、英二はそれを受けとめ、のどを鳴らして飲んでいった。
 やがてそれが収まる。ひばりがぐったりと体を弛緩させて、心地よさげに言った。
「どう、おいしかった? あたしのおしっこ」
 返事の代わりに、英二はちゅうっとペニスを吸い上げた。「やん!」と声を上げるひばりに、そのまま舌で愛撫を加える。
「や、だめっ! それいいっ!」
 手応えが堅くなった。たちまち、むくむくと肉枝が大きくなっていく。パンティがよじれてしまう前に、英二は布の下に一端押しこんだ。どくん、どくん、と震えながら成長したひばりのペニスは、やがて下着の上はしからほんの少し先端を覗かせて、成長を止めた。はじいたら音がしそうなほどの硬さに、英二は夢中になってそれを布の上から横ぐわえにした。ちょうど英二の親指ほど。期待した通りの硬さと大きさだ。歯を立てないようにぐむぐむと唇で押しつぶす。
「うん……いい感じ。英二って上手。ねえ、シックスナインしてあげようか?」
「待て……先にあんたの射精が見たい」
 英二はひばりの下着をももまで引き下げた。パチン、とひばりのペニスがはねあがって腹を打つ。初めてそれをまじまじと見て、英二ははっと息を飲んだ。
 抜けるように白いひばりの肌の中で、それだけが赤黒く染まっていた。どこもかしこも柔らかい肢体に比べて、そこだけが硬くこわばっている。だが、狂暴というほどではない。むしろ、必死に背伸びしているようでけなげだ。十センチほどの肉棒の先にはちゃんと丸い頭がのぞいて、つるりと光っている。棒の下にはまるく縮こまったふたつの袋。周囲を、あるかないかの金のヘアが薄く取り巻いていた。
 英二は無我夢中でひばりのペニスをしゃぶりたてた。細い肉茎に浮いた血管をなぞり、亀頭の下の谷をくすぐり、ぶらさがった玉をもみしだいた。玉の裏に汗がたまっている、それも残らずなめ取った。ひばりが体をビクビクと震わせてあえぐ。
「いいよ……感じる。いけそう、いけそうだよ」
 英二は亀頭をくわえこむと、舌で先端をくすぐりながら華奢なペニスを一気にしごいた。ビクビクッと腰を痙攣させて、ひばりが叫んだ。
「いく、いくよ! いい? 英二いい? えいじ、いイッ!」
 歯を食いしばったひばりが、ぎゅっと目を閉じたのを英二は見た。
 ドピュンッ、と生暖かいものが噴き出してきた。英二はとっさに口の奥深く亀頭を飲み込んだ。痙攣のリズムに合わせてぎゅっぎゅっとペニスを絞る。英二の顔を弾き飛ばしそうな勢いで、ひばりが何度もはねた。細い切れ込みを突き破るようにして、驚くほど高い圧力で精液が飛びだしてくる。
 それらをすべて、英二は出るはしから飲み込んでいった。ひばりの動きが収まりかけたあたりで、我に返って精液を口の中にためていく。十回目の震えを終えると、さすがに勢いもなくなった。口を離して、英二は精液を舌でかき回してみた。
 苦いという話だったが、それほど苦いとは思えなかった。むしろ甘い。匂いもミントのように爽やかだ。
 はあはあ息を荒げながら、ひばりがうっすらと笑って見ている。
「どう? あたしのお汁、甘いでしょ?」
「おう……」
「感じた時はそんな風になるの。今の、よかったもん」
 起きあがったひばりがティッシュを取って差し出した。英二はそんなひばりの姿をじっと見る。赤く染まった可愛らしい頬、びっしりと汗の浮いたつやつやの二の腕、すべすべして肉の薄い下腹、ぴんと張った太ももとその間で引き伸ばされたパンティ、投げ出された足のルーズソックス、そして、股間で濡れたまま光っている、なえたペニス。
 口の中の粘液は、この体が作ったもの。食欲のような欲望を覚えて、英二はごくりと精液を飲み干した。ひばりが驚く。
「あ、飲んじゃったの?」
「あんたがおいしそうだからな」
「物好きだなあ……あたしもやってあげるけど」
 ひばりはそう言って笑った。
「そろそろ、入れる?」
「まだだ、あんたがもう一回立つまで……」
 そう言うと、英二はひばりの体を裏返した。パンティをもう一度引きずり上げて、ひばりの性器を隠す。白い薄布が視覚的な抵抗を打ち消したところで、英二は尻の丸みの間に顔を突っ込んで、袋の裏にぐりぐりと鼻をもみこんだ。
「そこ……あたしもいい!」
 ふたつの玉をこりこりと指先で揉みほぐす。手のひらを股間に当てて柔らかい性器をマッサージする。布の上から肛門に指をねじ込んでえぐりたてる。そしてその間ずっと、内ももや会陰の薄いところを、舌と唇で徹底的にねぶり上げる。
 性器の周りだけに絞った集中的な愛撫を受けて、ひばりがぶるぶると体を震わせた。
「あああ……いいよお、それだけでいっちゃいそう……」
「立ってきたか?」
「触って。わかるでしょ?」
「よし、四つん這いになれ」
 言われたとおりの姿勢をひばりがとる。英二は荒い息をついてそれを眺める。すでにひばりのペニスは下着を押し上げて、輪郭をくっきり浮き出させている。手で触れると、玉の間から肛門までの部分が内圧でパンパンに膨れ上がっているのがわかった。
 布をかきわけて谷間をあらわにする。丸い尻の間、赤く充血した会陰部の上で、少し開いた肛門がひくひくと震えていた。犬のような姿勢で、ひばりがつぶやいた。
「そこの棚に……ローションあるから。使ったほうが気持ちいいよ」
「入れてほしいのか」
「……うん」
「仕事だからか?」
「……ううん、いまそんなこと考えられない。出したいの。入れて」
「何を出したいんだ。何を入れてほしいんだ? どんな風にだ?」
「ちんちんからザーメン出したいの! 英二の入れて、かきまわして。そんで、あたしの奥でいっぱい出して! そしたらあたしも出せるから!」
「よし」
 英二はクロゼットのビンを取って、赤黒く充血した自分のペニスにローションをかけた。ひばりの唾液でてらてらだった肉棒に、ねっとりとしたぬめりが加わる。長さ十六センチ、太さ四センチ。ひばりの小さな肛門は引きちぎれそうになるだろう。
 ひじをついて震えているひばりの尻に先端をあてがって、英二は言った。
「突っ込むぞ」
「うん」
 ずるずるっ、と一気に英二は押しこんだ。ひばりがびくっと体をこわばらせ、必死に力を抜こうとしているのが伝わってきた。
「急すぎ! もっとゆっくり!」
「うるせえ!」
 根元までペニスが飲みこまれた。英二は驚いた。きつさは予想通りだったが、締めつけられる痛みがまったくない。ぬるぬると蠕動する粘膜が、優しいほどの柔らかさで肉棒をくるんでいる。だがそれはひばりの意志ではないらしく、背けたひばりの横顔は、唇をかんで痛みに耐えているものだった。
「これだってオッケーなんだろ? そんなに無理なプレイじゃない」
「……うん。オッケー」
「じゃあ、突っ込んでもいいんだな?」
「うん」
 英二は結合部を見下ろした。小さめの骨盤の手前、尻の丸みの合わさる尾蹄骨の真下に、白く引き伸ばされた肛門とそこに突き刺さった自分のペニスがある。先端は、へその裏側あたりまで届いていそうだ。いま自分は、この子の無防備なはらわたの深くまで性器を突き刺している。そして、どうかきまわそうと思いのままなのだ。支配感に背筋がしびれる。
「行くぞ!」
 腰を引き、力いっぱい打ちつけた。「きゅうっ!」とひばりが息を漏らす。委細構わず、英二はペニスを突っ込みまくった。ぬるぬると締め上げる直腸を削り取るように、角度を変えて上下左右にこすりつける。奥深くまでつき入れて亀頭で腹の中を探る。
 先端にむちっとした質感のあるものが触れた。腸か膵臓かわからないが、ひばりの急所だ。ここを壊したらひばりは壊れてしまう。そう思うと矢も楯もたまらず、内臓すべてを貫くようなつもりでゴツゴツと英二は突き上げる。
 柔らかい尻たぶが指に吸いつく。それをつかみ、寄せ、こねまわす。食べたい、と猛烈に思う。それがかなわないから、さらに強く串刺しにする。
「ひあっ、はあっ、英二っ! すごい!」
 体を前に倒して、タンクトップ越しに、思いきりひばりの薄い胸板を抱きしめる。逃がさない。許さない。捕らえた獲物に止めを刺すように、腰の動きに合わせてぐっぐっと体を抱き寄せる。もがくように両腕を泳がせるのをつかまえて、腕を握りつぶす。
 ペニスの裏筋にあたるものが硬く硬く引き絞られているのに気付いた。手を下ろしてまさぐると、ひばりのペニスも破裂寸前だった。海綿体の隅々まで血液が行き渡って、表面まで完全に硬くなっている。先端からは先走りの汁が出て、ぬらぬらだ。それを亀頭にもみこむ。
「いいのか? ひばり」
「うん、うん! ゾクゾクして死にそう! ちんちん気持ちいいっ!」
 がばっとひばりの片足を持ち上げて、英二は太ももをまたいだ。自分の肛門をそこに押し付け、尻を滑らせるようにして、片足をはねあげたひばりの股間にペニスをつきこむ。
 すべてがいっぺんに目に入った。指をくわえてうつろな目をするひばり。その口のはしからとめどなく垂れ落ちる唾液。もう片方の手はタンクトップをはだけて乳首をもてあそんでいる。股間には隠しようもなく怒張した真っ赤なペニス、全身に浮かぶ汗の玉。乱れきった痴態に、英二の頭が白熱する。
「ひばり、アナルぐちゃぐちゃだぜ」
「それっ、腸液だよう。あたしお尻からも、んっ、おつゆ出るの。いいでしょ、きもちいいでしょ?」
「おお、最高だ」
「んんっ、いいの、あたしもいいのお! ちんちんの裏、英二のでごりごりして、破裂しそうっ!」
「よォし、行くぞ、一緒に行くぜ!」
「うんっ! 来てェ英二! おなかん中いっぱいにして! あたしの絞り出して!」
「今、い……いく……」
「来てっ、いくっ、いくいくいくイクうッ!」
 先にひばりが切れた。叫びとともにペニスから青白い弾丸が飛び出した。最初の一筋は、ひばり自身の前髪をかすめて、部屋の隅まで放物線を描いた。
 その後を追うように、第二、第三の粘液が飛び出す。はじけた粘液は、ぴしゃっと音を立ててひばりの顔と胸に飛び散った。
 その絶頂の瞬間、ひばりの肛門がビクビクッと最大限に収縮した。ズビュッ、と英二は力いっぱい放出した。突っ込んだ瞬間鈴口が粘膜で塞がれる。それをはじき飛ばすように精液をぶちまける。ドクッ、ドクッ、ドクッ。ひばりの細い腸がたちまち精液であふれ、英二のペニスをさらにぬるぬるに包みこんだ。あまりの快感に半狂乱になって、ひばりの胸板の精液をべとべとに押し広げながら、英二はなおも突きつづけた。
 出るものがなくなってペニスが震えるだけになっても、英二はひばりの柔らかい尻の間に肉棒をつっこんだまま、長い間その感触を味わっていた。

「ちょうど一時間、あたし二回英二二回、基本料金とコスプレ代で、しめて三万一千円でーす」
 風呂でシャワーを浴びながら、ひばりがにこにこして言った。
 二人とも全裸である。遅まきながら、英二はひばりの裸を一度も見ていないのに気が付いた。滑らかな肌を水滴が滑っていく。英二は手を伸ばして、その肩に触れた。
「なに?」
「いや、そのよ」
 手を下ろして、わきから尻へと滑らせる。きゅっ、と尻の間にあてると、ひゃっとひばりが声を漏らした。その餅のようなふくらみを手に収めていると、またむらむらと欲望が湧いてくる。
「おい、延長ってできないのか?」
 そういうと、ひばりはにやりと笑った。
「そーくると思ってました♪ いいよ。英二って、乱暴そうなわりに扱い丁寧だから気に入っちゃった」
「あ、あれで丁寧?」
 唖然とした英二に、ひばりはあっけらかんと言った。
「そーだよ。馬みたいにぶっとい人もいるし、うんち食べろって人もいるもの。連続十回とかいう人もね」
「十回……」
「これぐらいだったら朝飯前っ! まだまだいっぱい出してあげるよ。どお、またザーメン飲んでくれる?」
「……おう」
「毎度ありー。って、ちょっと! ああん!」
 ものも言わずに英二が硬くなったものを尻に押しつける。とろとろにほぐれた肛門にペニスを押しこまれて、ひばりは再び、嬌声を上げたのだった。

――了――

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