CX-1の外観と、実際にCX-1を使って撮影した
写真を載せました。撮影は橋本氏です











CX-1使用レポート

このカメラは1月程前に新宿カメラのドイで新品デッドストックを15,000円で購入したものです。 はじめは「あ、ロモがある」と思ってしまいました。 ちょうどその時は、別のカメラ屋で買ったXAの委託中古を返品しにいった帰りで XAの程度が思いのほか悪かったのでちょっとがっかりして帰る途中でした。 そんな時に出会ってしまったせいもあり即買いしてしまいました。 それまでこのカメラのことはほとんど知りませんでしたが 使うにつれ、愛着の湧くカメラで今では常に持ち歩いているカメラが ライカミニ2からこちらに代わってしまいました。

さて本題であるこのカメラの使用感、写り等に関しては、現在僕の持っている 他のカメラ(ミノックス35GT-E,ライカミニ2)などとの比較をしながら書いていこう と思います。



デザイン&操作性

CX-1は今見ても古さを感じないなかなか良いデザインです。 全体の質感も最初は金属かと思ったくらいでつや消し黒の塗装も品があります。 このサイズで皮張りなのも良い感じで滑り止め効果も確かです。 とくにレンズカバーのからくり等は他に例がなく、オリジナリティを感じます。 また各操作部も機能がシンプルなせいもあって無理がなく使いやすくレイアウト されています。同クラスのサイズのXAやミノックス35GT-Eがやや操作性に慣れが 必要なのに比べ、自然に使えます。
ライカミニ2よりかなり小さくミノックス35GT-Eよりほんの少し大きいという サイズでかなり携帯性良好です。
シャッターボタンも存在がはっきりしていてどこにあるのか指が探してしまう ようなことはありません。
手動での前カバーの開閉も電動式のライカミニ2や左側にスライドしつまむところの 狭いXA(慣れないと引っ掛かる)に比べてもやりやすくにスナップに適しています。 ふた式のミノックス35GT-Eに比べてもホールディングが良いという点も 見のがせません。
ただ前カバーが90度回転する関係で左手はカバーの上に指がかかりやすいので 気をつけないと指が写り込んでしまうトラブルがありますので左手の指はフォーカシングレバー の方に持っていった方が良いです。説明書にも写真付きで構え方が解説されています。 フォーカシングレバーは慣れればどこにあわせているか目で確認しなくても すぐ分かるようになります。(といってもたまにし忘れますけど)
全体的に外カバーのプラスティックが厚くしっかりしているので華奢なつくりの ミノックス35GT-Eやプラの薄いライカミニ2(ぎゅっと握るときしむ)より 安心感があります。しっかりした良くできたカメラだと思います。

写り

レンズの写りですが簡潔にいうと「軽い空気感の気持ちのいい写り」という感じです。 正直、スペック的にはそんなにたいしたことはないと思います。 コントラストではライカミニ2にはかないませんし(ライカミニ2はこのクラスの カメラの中ではかなり良く写るレンズです。高級コンパクトまではいかないかも 知れませんが、さすがエルマーといった写りをします)解像度でもライカミニ2、 ミノックス35GT-Eにはかなわないと思います。また逆光時にフレアがでやすく 場合によってはゴーストの発生もあります。
フレアに関しては内面反射の問題もあるのではないかとおもいます。 最近、ぼくは中古カメラショーで買った起毛のテープ(フードの内側等に貼るもの らしい)を内面に貼りました。まだテスト中です。 (逆光に関してはミノックス35GT-Eもあまり強くはないです。 ライカミニ2のエルマーはかなり逆光に強いです) と、少々辛口に書きましたがこのカメラはそんな部分をカバーしてしまう写りを します。前述した「軽い空気感の気持ちのいい写り」という数値で測れない描写感が それです。その理由を自分なりに考察してみるとまず第一に考えられるのは アウトフォーカスのぼけのきれいさがあると思います。よく1眼レフの85mmなど のぼけがきれいというのとはちょっと違ってふわっとはしていなくて徐々に滲んで いる感じとでもいいましょうか。33mmの広角なのでそんなはっきりぼけるわけでは ないのですがこれが全体の空気感を出していると思います。 (ちょっと説明がついてませんね、すみません)
もう一つは質感の曖昧さでしょうか。それぞれの素材の質感がそんなにはっきりは しないところが逆にいい感じに働いていると思います。 この点に関してはミノックス35GT-Eはやや癖のあるぼけ味(2線ぼけの傾向)で 線の細い写りをします。いずれにしてもぼくにとっては性能の良いレンズが 他にあってもこれを選ぶ理由のある魅力のあるレンズです。



露出

基本的にプログラムAEでAEロックもなく感度ダイアルも1段ごとにしか変えられない ので(それでも変えられるだけ有り難い)あまり細かいことはできません。 ですがあまり細かいことする必要もないのも事実です。
というのはこのカメラの露出計受光部(CDS)は構造上、奥まった位置にあるので 周りの光の影響を受けにくく逆光でもそんなにアンダーにはなりません。 強い逆光でも感度ダイアルで1段補正すれば大丈夫です。ネガを使用した時に露出が ダメだったことは今のところありません。 つまりそれだけ安定した露出が得られるということです。 もちろんそこに「表現」が入ってくるとまた違ってくるとは思いますが。
余談ですがライカミニ2も露出は良く当たります。 同じCDSでもミノックス35GT-Eはファインダーで見える範囲外の光に かなり影響されるのでフードがないとちょっと辛いです。 (ここがこのカメラの一番使いにくいところです。)

こんな感じでCX-1は僕としてはなかなか魅力的なカメラだと思います。 目測も慣れればけっこう大丈夫ですよ。 コシナCX-1はライカミニ2、ミノックス35GT-Eとともに 一長一短ありますがぼくにとってはとてもお気に入りのコンパクトカメラです。

CX-1,CX-2 テクニカルデータ

タイプ    35mmレンズシャッターコンパクトカメラ
 
レンズ    CX-1=コシノン33mm F3.5 3群4枚
       CX-2=コシノン35mm F2.8 5群5枚

シャッター  電子制御シャッタープログラムオート
       2秒〜1/500秒(のはずなのに低速側はもっとある)
       CX-2のみセルフタイマー付き

フィルム   手動 ISO25,64,100,200,400
感度設定   (構造上、中間は使えない)
 
フィルム   ノブ式
巻き上げ   CX-2のみオプションでオートワインダーCX-Wの使用が可能

ファインダー アルバダ式ブライトフレーム近距離補正マーク付き
       倍率=0.5倍
       CX-2のみファインダー内にゾーンフォーカスシンボル表示
       グリーンランプ=バッテリーチェック
       レッドランプ=スローシャッター警告(1/45以下の場合)

ピント合わせ ゾーンフォーカス式目測距離あわせ 
       0.9,1.5,3,∞の4段階にクリックストップ付き
       レンズカバー上面にシンボルマークを表示     

フラッシュ  外部汎用ホットシュー
       専用フラッシュ=CX-11 AUTOFLASH
                       フラッシュ使用における手動絞り設定時は
       シャッタースピードは1/45に固定
       (オートにしておけばそのままスローもきれる)

使用電源   LR-44またはSR-44 2個

寸  法   103×66×42.5mm

重  量   CX-1=215g
       CX-2=225g(本体のみ)