伝不詳。万葉集巻三に一首掲載。巻三の排列からすると、天平初年頃生存か。
若湯座王の歌一首
葦辺(あしへ)には鶴(たづ)がね鳴きて湊風(みなとかぜ)寒く吹くらむ津乎(つを)の崎はも(万3-352)
【通釈】葦の生える辺りには鶴の鳴き声がして、河口からの風が寒々と吹きつけているのだろう、ああ津乎の崎よ。
【語釈】「津乎の崎」は所在未詳。難波津付近、琵琶湖沿岸などの説がある。かつて旅した地を思い出しての詠であろう。
最終更新日:平成15年10月12日
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