八代集秀歌選 ―『定家八代抄』による―


古今集から新古今集までの八代集の精粋を、簡便に見渡すためのテキストとして作成しました。選歌は、すべて藤原定家『定家八代抄』に拠っています。八代集収録歌の総数は9440首(『新編国歌大観』による)、定家が選んだのはそのうち1809首、全体の約二割弱。時代や題材などのバランスを配慮した選択となっており、オーソドックスな八代集の秀歌選と呼べると信じます。

平成22年2月28日、八代集すべてにつき、定家撰『八代集秀逸』収載歌の末尾に「*」のしるしを付けました。またルビタグを改めました。


古今 548首 後撰 105首 拾遺 213首
後拾遺 124首 金葉 26首 詞花 20首
千載 206首 新古今 567首

二十一代集一覧



―例言―

・本テキストは、『定家八代抄』(再撰本)の選に従い、勅撰八代集より秀歌1808首(重複歌を除く)を抜萃したものです。底本には平凡社東洋文庫『八代集』全四冊(奥村恒哉校注 1986〜1988年発行 すべて初版)を利用させて頂きました。なお底本の底本は国立国会図書館蔵(榊原芳野旧蔵本)『八代集』(全十六冊、正保四年刊)です。

・『定家八代抄』は、藤原定家が建保三年(1215)頃、八代集より秀歌を選び、定家自身の編集により二十巻に分類した秀歌撰です。本テキストはこれを改めて勅撰集別に解体し、再分類したものである、と言うこともできます。ただし本文は(詞書・歌・作者名などすべて)、『定家八代抄』ではなく、上記『八代集』(奥村恒哉校注 東洋文庫)より採録しました。

・『定家八代抄』は、岩波文庫『定家八代抄 続王朝秀歌選』(上下二巻)を参照しました。

・本テキストは、私(水垣)による再編集を経ているとはいえ、校訂はもっぱら上記『八代集』(奥村恒哉校注 東洋文庫)に拠っています。個人的な用途に限ってお使い下さるようお願い申し上げます。

・上記底本において、他本と参照した上で明らかな誤りと認められる箇所(誤植と思われるものも含む)は、改めました。その場合、註として示してあります。

・読みやすさを考慮して、仮名を適宜漢字に改め、漢字を適宜仮名に改めました。また濁音符を付しました。仮名遣いは歴史的仮名遣いに統一しています。JIS第2水準までに含まれない漢字は、通用字や仮名に改めました。また読みづらいと思える漢字には振り仮名を付しました(ブラウザ「Microsoft Internet Explorer5」以上なら、ルビとして表示されます)。

・作者名の表記は統一しています(例:「ひとまろ」「人まろ」「人丸」などは全て「人麿」に統一。ただし姓「柿本」の有無などは各勅撰集の記述に従う)。また、同じ作者の歌が続く場合、および同じ題詞が続く場合、それぞれ作者名・題詞を省略しています。

・歌の頭に各勅撰集の新編国歌大観番号を、歌の末尾には括弧に括って『定家八代抄』の新編国歌大観番号を付しました。

・定家撰『八代集秀逸』に選ばれた歌は、末尾に*を付しました。『八代集秀逸』は、定家が八代集よりそれぞれ十首ずつの秀逸歌を撰んだものです。

・巻別および歌の順列は各勅撰集をそのまま踏襲しており、『定家八代抄』の分類・排列とは異なります。

・勅撰集に重出している歌(特に後撰集と拾遺集に重複する歌が多い)については、『定家八代抄』の本文(歌・詞書・作者名など)から定家が典拠に用いた集がどちらであるかを判断し、該当する集にのみ掲載しています。そのような判定が不可能な場合は、より古い集を選んで掲載しています。したがって、本テキストに重出する歌はありません。

・『定家八代抄』の成立事情などについては、『新編国歌大観 第十巻歌集部』の解題、または岩波文庫『定家八代抄 続王朝秀歌選』の解説などを参照下さい。


古今 548首 後撰 105首 拾遺 213首
後拾遺 124首 金葉 26首 詞花 20首
千載 206首 新古今 567首

二十一代集一覧



表紙十三代集秀歌選 訓読万葉集 千人万首 歌枕紀行 和歌雑記 波流能由伎

更新日:平成17年03月03日
最終更新日:平成22年02月28日

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