1  次頁へゆくまへがきへ戻る       *                                             かないことです あまりに若過ぎるからなのでせうか  春雨はしきりに降つてゐるものの 我が家の梅の花は未だ咲                               いまだ咲かなくいと若みかも 四|七八六                            春の雨はいやしき降るに梅の花                              藤原朝臣久須麻呂に報へ贈る歌             *                                             慎んでゐることを 使ひの者は 無事妻に告げてくれたかどうか  やぶなみの里に一晩宿を借りて 春雨のために屋の内で籠もり                              二月十八日 守大伴宿禰家持作る                                       籠もりつつむと妹に告げつや 十八|四一三八                            荊波の里に宿借り春雨に                             辞去することを得ずして作る歌          多治比部北里の家に宿る 時に忽ち風雨起こり   墾田の地を検察する事に縁りて 礪波郡の主帳       *                  一 春雨                                                                 家持秀歌選