笠朝臣金村
かさのあそみかなむら
- 生没年 未詳
- 系譜など 未詳。笠氏は笠女郎参照。
- 略伝 元正朝末から聖武朝初期にかけて活躍した歌人。官人としての経歴は不明。723(養老7)年5月の吉野離宮行幸(06/0907〜0912)、724(神亀1)年10月の紀伊行幸(04/0543〜0545)、725(神亀2)年3月の三香原行幸(04/0546〜0548)、同年5月の吉野行幸(06/0920〜0922)、同年10月の難波宮行幸(09/0928〜0930)、726(神亀3)年9月の播磨国行幸(06/0935〜0937)にそれぞれ従駕して歌を残す。以上はすべて長歌に反歌2首を添えた整然たる形をとる(ただし或本反歌910〜912を除く)。733(天平5)年閏3月、入唐使に長短歌を贈る(08/1453・1455)。また天平初め頃、伊香山(滋賀県伊香郡)での短歌2首(08/1532・1533)、塩津山(伊香山の北西)を越える時の短歌2首(03/0364・0365)、角鹿津(福井県敦賀市)で船に乗るときの長短歌(03/0366・0367)があり、京から北陸へ下ったらしい。ほかに「笠朝臣金村歌集出」として715(霊亀1)年9月志貴親王薨時の長短歌(02/0230〜0232)があり、「笠朝臣金村之歌中出」として石上大夫(乙麻呂か)の歌とこれに和した歌(03/0369・0370)、728(神亀5)年難波宮行幸の時の歌(06/0950〜0953。或云、車持千年作)、「神亀五年戊辰秋八月歌一首并短歌」(09/1785・1786)、「天平元年己巳冬十月歌一首并短歌」(09/1787〜1789)がある。金村歌集出典の歌を除けば計30首、うち長歌8首。
関連サイト:笠金村の歌(やまとうた)
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