附則

第1条 (施行期日)

この法律は、昭和46年1月1日から施行する。

第2条 (適用範囲についての経過措置)

改正後の著作権法(以下「新法」という。)中著作権に関する規定は、この法律の施行の際現に改正前の著作権法(以下「旧法」という。)による著作権の全部が消滅している著作物については、適用しない。

2 この法律の施行の際現に旧法による著作権の一部が消滅している著作物については、新法中これに相当する著作権に関する規定は、適用しない。

3 この法律の施行前に行われた実演(新法第7条各号のいずれかに該当するものを除く。)又はこの法律の施行前にその音が最初に固定されたレコード(新法第8条各号のいずれかに該当するものを除く。)でこの法律の施行の際現に旧法による著作権が存するものについては、新法第7条及び第8条の規定にかかわらず、新法中著作隣接権に関する規定(第95条第95条の2第3項及び第4項、第97条並びに第97条の2第3項から第5項までの規定を含む。附則第15条第1項において同じ。)を適用する。

第3条 (国等が作成した翻訳物等についての経過措置)

新法第13条第4号に該当する著作物でこの法律の施行の際現に旧法による出版権が設定されているものについては、当該出版権の存続期間内に限り、同号の規定は、適用しない。

第4条 (法人名義の著作物等の著作者についての経過措置)

新法第15条及び第16条の規定は、この法律の施行前に創作された著作物については、適用しない。

第4条の2 (書籍等の貸与についての経過措置)

新法第26条の2の規定は、書籍又は雑誌(主として楽譜により構成されているものを除く。)の貸与による場合には、当分の間、適用しない。

第5条 (映画の著作物等の著作権の帰属についての経過措置)

この法律の施行前に創作された新法第29条に規定する映画の著作物の著作権の帰属については、なお従前の例による。

2 新法の規定は、この法律の施行前に著作物中に挿入された写真の著作物又はこの法律の施行前に嘱託によつて創作された肖像写真の著作物の著作権の帰属について旧法第24条又は第25条の規定により生じた効力を妨げない。

第5条の2 (自動複製機器についての経過措置)

新法第30条第1項及び第119条第2号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。

第6条 (公開の美術の著作物についての経過措置)

この法律の施行の際現にその原作品が新法第45条第2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されている美術の著作物の著作権者は、その設置による当該著作物の展示を許諾したものとみなす。

第7条 (著作物の保護期間についての経過措置)

この法律の施行前に公表された著作物の著作権の存続期間については、当該著作物の旧法による著作権の存続期間が新法第2章第4節の規定による期間より長いときは、なお従前の例による。

第8条 (翻訳権の存続期間についての経過措置)

この法律の施行前に発行された著作物については、旧法第7条及び第9条の規定は、なおその効力を有する。

第9条 (著作権の処分についての経過措置)

この法律の施行前にした旧法の著作権の譲渡その他の処分は、附則第15条第1項の規定に該当する場合を除き、これに相当する新法の著作権の譲渡その他の処分とみなす。

第10条 (合著作物についての経過措置)

この法律の施行前に二人以上の者が共同して創作した著作物でその各人の寄与を分離して個別的に利用することができるものについては、旧法第13条第1項及び第3項の規定は、なおその効力を有する。

前項の著作物は、新法第51条第2項又は第52条第1項の規定の適用については、共同著作物とみなす。

第11条 (裁定による著作物の利用についての経過措置)

2 旧法第22条の5第2項又は第27条第1項若しくは第2項の規定により著作物を利用することができることとされた者は、なお従前の例により当該著作物を利用することができる。

3 旧法第22条の5第2項又は第27条第2項の規定に基づき文化庁長官が定めた償金の額は、新法第68条第1項又は第67条第1項の規定に基づき文化庁長官が定めた補償金の額とみなして、新法第72条及び第73条の規定を適用する。

4 前項の場合において、当該償金の額について不服のある当事者が裁定のあつたことをこの法律の施行前に知つているときは、新法第72条第1項に規定する期間は、この法律の施行の日から起算する。

第12条 (登録についての経過措置)

この法律の施行前にした旧法第15条の著作権の登録、実名の登録及び第一発行年月日の登録に関する処分又は手続は、附則第15条第3項の規定に該当する場合を除き、これらに相当する新法第75条から第77条までの登録に関する処分又は手続とみなす。

この法律の施行の際現に旧法第15条第3項の著作年月日の登録がされている著作物については、旧法第35条第5項の規定は、なおその効力を有する。

第13条 (出版権についての経過措置)

この法律の施行前に設定された旧法による出版権でこの法律の施行の際現に存するものは、新法による出版権とみなす。

2 この法律の施行前にした旧法第28条の10の出版権の登録に関する処分又は手続は、これに相当する新法第88条の登録に関する処分又は手続とみなす。

3 第一項の出版権については、新法第80条から第85条までの規定にかかわらず、旧法第28条の3から第28条の8までの規定は、なおその効力を有する。

第14条 (録音物による演奏についての経過措置)

適法に録音された音楽の著作物の演奏の再生については、公衆送信に該当するもの及び営利を目的として音楽の著作物を使用する事業で政令で定めるものにおいて行われるものを除き、当分の間、旧法第30条第1項第8号及び第2項並びに同項に係る旧法第39条の規定は、なおその効力を有する。

第15条 (著作隣接権についての経過措置)

この法律の施行前にした旧法の著作権の譲渡その他の処分で、この法律の施行前に行われた実演又はこの法律の施行前にその音が最初に固定されたレコードでこの法律の施行の日から新法中著作隣接権に関する規定が適用されることとなるものに係るものは、新法のこれに相当する著作隣接権の譲渡その他の処分とみなす。

2 前項に規定する実演又はレコードでこの法律の施行の際現に旧法による著作権が存するものに係る著作隣接権の存続期間は、旧法によるこれらの著作権の存続期間の満了する日が新法第101条の規定による期間の満了する日後の日であるときは、同条の規定にかかわらず、旧法による著作権の存続期間の満了する日(その日がこの法律の施行の日から起算して50年を経過する日後の日であるときは、その50年を経過する日)までの間とする。

3 この法律の施行前に第1項に規定する実演又はレコードについてした旧法第15条第1項の著作権の登録に関する処分又は手続は、これに相当する新法第104条の著作隣接権の登録に関する処分又は手続とみなす。

4 附則第10条第1項及び第12条第2項の規定は、第1項に規定する実演又はレコードについて準用する。

第16条 (複製物の頒布等についての経過措置)

この法律の施行前に作成した著作物、実演又はレコードの複製物であつて、新法第2章第3節第5款(新法第102条第一項において準用する場合を含む。)の規定を適用するとしたならば適法なものとなるべきものは、これらの規定に定める複製の目的の範囲内において、使用し、又は頒布することができる。この場合においては、新法第113条第1項第2号の規定は、適用しない。

第17条 (権利侵害についての経過措置)

この法律の施行前にした旧法第18条第1項若しくは第2項の規定に違反する行為又は旧法第3章に規定する偽作に該当する行為(出版権を侵害する行為を含む。)については、新法第14条及び第7章の規定にかかわらず、なお旧法第12条、第28条の11、第29条、第33条、第34条、第35条第1項から第4項まで、第36条及び第36条の2の規定の例による。

第18条 (罰則についての経過措置)

この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。