モダマのなかま
コウシュンモダマ(Entada koshunensis)と言う種類のモダマで、 日本では八重山地方に分布する。
色は焦げ茶色~黒色で長径は3.5~4.5cm、厚さは1.2cm~1.8cm。
中央部が厚く、周辺は薄くなっている。楕円のもの、いびつな形のものもある。
「コウシュン」は台湾の高雄(こうしゅん)に由来するそうだ。
コウシュンモダマの葉(2008年9月)
複葉の先の二股のヒゲでがっしりと支柱をつかむ。
このように頂小葉が巻きヒゲになった複葉を「巻きひげ羽状複葉」というらしい。
丸くて厚みのあるタイプの外国モダマ。
盛口満著「西表島の巨大なマメと不思議な歌」で「太っちょモダマ」と呼ばれているもので、
東南アジアに多く分布するEntada rheediiと思われる。
長径は3.5~5cm、厚さは1.5~2cm。
赤茶色のものが多いが、黒からこげ茶色のものもある。
雑貨屋などで時々売られている輸入モダマはこのタイプのものが多い。
コウシュンモダマと同様、巻きひげ羽状複葉。
小葉の形はコウシュンモダマと比べて細く、先が少しくぼんでいる。
茶色~焦げ茶色。
長径は最大で6センチ、厚さは2センチ弱。
大きくてしっとりとした質感。
表面はカサカサ、ヘソが割れておちょぼ口になったモダマが時々見つかる。
これは長い間海岸で太陽に照らされ、ヘソにひびが入ったものと思われる。
左:2006年はモダマのサヤが2本だけできていたが、何者かに持ち去られてしまった。
右:2007年10月、モダマのサヤがたくさんできている。
 
モダマのなかま (Entada spp.) は世界中の熱帯から亜熱帯地域に分布し、大きなマメができる。
日本では屋久島、奄美大島、沖縄、八重山諸島に分布している。
奄美大島ではモダマの自生地は1カ所だけ。
結実は少なく、川を下って海に出ることはほとんどないと思われる。
海岸で見つかるモダマは八重山諸島や外国から漂流してきたものだろう。
奄美大島の海岸では強風の後など、条件が良ければ一日に5個以上見つけることができる。
モダマには多くの種類があり、マメもいろいろな形、大きさ、色がある。
生物分類学的にまだまだわかっていないことが多いようだ。
●黒くて薄いモダマ( Entada koshunensisタイプ
 
●コウシュンモダマを植えてみた
 
コウシュンモダマの芽、発芽まで約1ヶ月を要する(2008年7月)
●丸くて厚みがあるモダマ(Entada rheediiタイプ)
 
●「太っちょモダマ」を植えてみた
Entada rheediiタイプ のモダマに傷を付けて土に埋める。
芽を出すまでに約1ヶ月を要した。
 
左:芽を出したところ(2008年7月)
右:葉の様子(2008年9月)
●赤茶色でいびつな形のモダマ (Entada rheediiタイプ?)
 
赤茶色でいびつな形の外国モダマ。
これもEntada rheediiなのだろうか??
四角形、歪み、ハート形など。
大きさは長径4~5cm。
●大きめモダマ(Entada phaseoloidesタイプ?)
 
●こわれモダマ
 
●奄美大島産モダマ (Entada phaseoloides
奄美大島のモダマ自生地は1カ所だけ。
海から少し離れた山の谷間に自生地がある。
 
左:奄美大島に自生するモダマ。毎年必ず結実するわけではなく、全く結実しない年もある。
右:花は瓶を洗うブラシのような形(2007年6月)
自生地を流れる渓流に、穴があいて空っぽになったモダマを見つけた。
長径5.3cm、厚さ2.3cm。大きくてちょっとハート形、かっこいい。