Mark Levinson No.36SL D/A コンバーター

現在は引退してもらっています。

自然な音なのに超高密度

 パイオニアD-07AのDACの強調感のない自然な音は、CDによっては本当にすばらしく、しばらくは、CDごとにDAC64-Mk2D-07Aとを切り替えて音楽を楽しんでいました。 (これらも現在は引退済み)。

 D-07aの音は、アナログに近いほっとする音ともいえ、手放せないDACになりました。しかし、やはり古い音という見方もできるでしょう。DAC64-Mk2とよ〜く比較すれば、D-07aの音は情報量という点ではかなり整理された音なのです。

 このD-07aの自然な音を維持しつつ、DAC64-Mk2の圧倒的な情報量も同時に聞かせるようなDAコンバータはないかと思い、探しました。

 その可能性として、D-07aの時代と同じ、SACD登場直前のころの超高級DACに照準を合わせて探しました。あれこれと物色するうちに、その目的に最高の音を聞かせるDACを見つけてしまったのです。それがマーク・レビンソンの No.36SL

 No.36Lの回路を徹底的にチューニングしたモデルで、名前こそ「L」「SL」に変わるだけですが、価格はほとんど2倍に近く、中身は別物といってよいDAコンバータです。

 聴いてみると、すでに10年ほど経過しているものではありますが(注:2007年の購入当時)、その音は、まさにDAC64-Mk2から、あの(まるでCDをSACD風に聞かせる)独特の中高域のわずかな強調感(そこが良いのですが)だけを取り除いた「自然なのに超高密度の音」でした。こんな音を20世紀中に実現していたとは、マーク・レビンソン恐るべし。技術的にも、FIFOというメモリ蓄積をつかった超低ジッター化などを採用しています。

 ずいぶんと考え、調査して導入したものですが、結果は非常に成功で、無事、わたしの大事な宝物に仲間入りとなりました。特に、DAC64-MK2で少し不満があった声楽では、No.36SLが圧倒的な威力を発揮してくれます。ちょっとキンキン感があるなと思っていたCDもNo.36SLで聞くと最高の響きだったりします。

 大編成のオーケストラでも、いままでは気がつかなかった小さな楽器の音が色々聞こえてきます。でも全体としてはうるさい感じなどは何もありません。実に不思議。音の広がりも、左右のスピーカーの幅をこえて広がりまして、これはいったいどんなトリックなのか、と驚かされることもあります。DAC64とはまったく違うけれど、これもまたすごいスーパーDACです。


左からDAC64Mk-2 オラクルCDドライブ用電源、No.36SL

 

(2007年6月24日記)

 

オーディオのページトップへ