ラックスマン M-06α パワーアンプ

2005年12月〜2008年3月まで使用

M-06αになった経緯

 縁あって、知人から非常に状態のよいラックスマンM-06α(BTL動作用で2台)を譲っていただきました。その昔、MA-6x4台からの変更候補として、いろいろ研究し、有名海外製アンプか、やはりA級BTLのM-06αかと迷ったあげく、海外製の方にし、結局、音がどうしても好みに合わず、売却してMA-6に戻したという経緯がありまして、ずーと、「あの時、M-06αにしておけばよかったのかな〜」という思いが残っていたアンプでした。海外製アンプが悪かったという意味ではなく、好みに合わなかっただけであるのは言うまでもありません。

MA-6×4台からM-06α×2台へ

 それまでのパワーアンプは、モノラルアンプ マランツMA-6 x 4台 で、A級動作 BTL接続にて、たぶん最大60W。これから、ラックスマン M-06α x 2台 (A級動作、内部BTL接続にて、最大220W)になるわけですから、さて、どう変わるのか・・・。悪くなるはずはないと思いつつ、不安と期待で入れ替えに取り組みました。

 大きさは、奥行きがぎりぎりですが、十分に入ります。MA-6は二台に分かれていたのが、M-06αは一台なので、上段に入れるのはかなり重い。妻に支えてもらいながら裏を配線。入りました! 下側は楽勝です。

 もともとA級の大発熱を放熱すべく上のスペースをとってあるので、上スペースはぜんぜん問題なし。マランツMA-6のデザインもシンプルで気に入ってはいましたが、やはりウッドケースに入ったM-06αは、見た目も高級になったような気がいたします。合計600ワットの発熱で部屋の暖房もよく効きます(^^; (その後、意外にケース表面の温度は上がらないことがわかりました。ウッドであることと、ヒートパイプまで使った放熱設計がうまいのだと思います。)

 

その音は

 さて、いよいよ試聴。最初の曲は、あまりにハイファイオーディオから外れているかもしれないのですが、1958年録音のワルターのベートーベン8番だったりして。この曲はいつも機器の試聴に使います。システムの限界性能の把握に向かないことはわかっていますが、まずはこれを上品に鳴らしてくれたうえで、しかも高性能なシステムが私の理想なのでした。

 電源を入れてすぐの音ですが、まったく違和感ない音。これはいつもの私の音です。成功かな? そして、20分もたったころには、確信いたしました。音の方向は変わってない。クオリティーだけが上がっている。

 十分に温まったところで、次にキリ・テ・カナワの声楽を鳴らして見ます。同じ傾向の音と音場感ながら、低域の力が増し、中域の定位が鮮明に、高域のS/N感が増加。キリ・テ・カナワの口が今までより小さく感じます。さらに、キリ・テ・カナワが最大に声を張り上げた瞬間に、かつて聞こえていたわずかなノイズのようなざらつきが消えました。あれは、ひずみだったのね・・・。そのときのパワーメーターの表示は90W。なるほど、なるほど。MA-6をA級で使ったのではBTL動作でも足りないわけです。さすがにA級の220ワットは只者ではないです。

 変わってほしくないところは変わらず、変わった部分はすべてよい方向に変わってくれたと思いました。こんな幸せなことって、あまりありませんよねえ。本当によいアンプに出会いました。一回、パワーアンプの交換で失敗して以来、オーディオへの投資意欲が減退してしまったのですが、そのトラウマから脱却できた気がします。

 もうMA-6の出番はないでしょう。最後の記念に四台並べて写真を撮っておきました。長い間、よく働いてくれて感謝しています。

 

P.S.その後、2008年3月にM-06αにも引退いただき、
NAGRA・PMA×2台へと発展いたしました。

 

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