伝統ゲーム紹介


花札

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名称花札(はなふだ)
概要  1月から12月まで各4枚ずつ計48枚の遊戯札。花かるたとも呼ばれる。一つの月に一つの花が描かれている。花は1月が松、2月が梅、3月が桜、4月が藤、5月が菖蒲、6月が牡丹、7月が萩、8月が薄、9月が菊、10月が楓、11月が柳、12月が桐であるが、通常10月は紅葉、11月は雨と呼ばれる。また8月は俗称で坊主と呼ばれる。同月4枚はすべて絵柄が異なり、中には鳥獣や短冊が描かれているものもある。元々日本各地にかるた札を製造する店があり、それぞれによってデザインは異なっていた。明治35(1902)年、骨牌税の導入に伴い遊戯札に高い税金がかけられたため、地方の小規模のかるた札製造店が廃業し、大手のデザインが広まり全国的に同様の札となってしまった。八八花、あるいは横浜花と呼ばれる種類で、現在では花札というとほとんどこの札が使われている。その他の札はまとめて地方札と呼ばれる。地方札の中には花札でないものがあるので、注意が必要である。詳しくは地方札のページを見られたい。

八八花は一般の玩具店、コンビニエンスストア等で入手可能である。安価なものは、機械印刷の1枚紙製であるが、昔ながらの手製木版刷りのものが現在も作られている。花札には数十種類の遊び方が存在していたが、現在はほとんど「馬鹿っ花」「こいこい」を始めとする数種類の遊び方しか知られておらず、市販のゲームソフトもほとんどこの遊び方である。

花札の歴史

 花札は世界的にも珍しい遊戯カードである。一般に遊戯カードは数字あるいはマークが付されているからである。
 日本には2種類の遊戯カードがある。一つはトランプ同様の数字とマークのカードであり、これは安土桃山時代にポルトガル人によって持ち込まれたヨーロッパのカードが元で、天正かるた、うんすんかるた、よみかるた、めくりかるたというものに変わって行った。もう一つは、貝覆い、歌貝を経てできあがったと思われる、2枚一組の合わせかるたである。後者の中に、花鳥風月を描いたものがあり、これが花札の元であると思われる。前者のカードが賭博の禁令と共に破棄されたり、製造を禁止されたために、外見が後者である花札が新規に誕生したという説もあるが、確証はない。というより、禁令以前に花鳥風月を描いた合わせかるたがあることを考えれば、その合わせかるたが、賭博用に使われて変化していったと考えられる。

 花札は現在も市販されているほかに、パソコン用やゲーム機用ソフトなども、常時販売されている。が、花札の遊び方は数十種類以上有るにもかかわらず、いずれも「馬鹿っ花」や「こいこい」など、一部のゲームしかできないのは非常に残念である。

 長い間賭博用の遊びに使われてきているため、印象は良くないが、花鳥風月を描いたものとして和風のデザインや小道具に使われる。どこにも点数が書いていないにも関わらず、点数が決まっている点や出自の不明瞭さ、点数やデザインアンバランスなど、ミステリアスな部分が多い。

八八花の内容と点数

12月11月10月9月 8月7月6月5月 4月3月2月1月
桐に鳳凰柳に小野道風紅葉に鹿菊に杯 薄に月萩に猪牡丹に蝶菖蒲に八つ橋 藤に時鳥桜に満幕梅に鴬松に鶴
20点10点10点10点 20点10点10点10点 10点20点10点20点
桐のカス柳に燕紅葉に短冊菊に短冊 薄に雁萩に短冊牡丹に短冊菖蒲に短冊 藤に短冊桜に短冊梅に短冊松に短冊
20点10点5点5点 10点5点5点5点 5点5点5点5点
桐のカス柳に短冊紅葉のカス菊のカス 薄のカス萩のカス牡丹のカス菖蒲のカス 藤のカス桜のカス梅のカス松のカス
5点

桐のカス柳のカス紅葉のカス菊のカス 薄のカス萩のカス牡丹のカス菖蒲のカス 藤のカス桜のカス梅のカス松のカス
カス札は遊戯法により、1点だったり0点だったりし、他の札も遊戯法によって点数は異なる。

遊び方

 遊び方は多種。一般には2人で遊ぶ”こいこい”、3人で遊ぶ”花合わせ”が良く知られているが、 「八八」「むし」「すだおし」「六百間」等種類は豊富である。

八八の遊び方

様々な花札(八八花)

一般に販売されている花札
花札

金地手摺古歌入り花札(松井天狗堂)
金地手摺古歌入り花札(松井天狗堂)

伊藤卓美作、版画花札
伊藤卓美作、版画花札

八八セット
八八セット

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花札以外の札は地方札のページをご参照下さい。


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