伝統ゲーム紹介


双六で振り返るNHK大河ドラマ『平清盛』

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放映日題名競技者
492012年12月16日「双六の終わるとき」清盛 対 後白河法皇

最終回の一つ前。これも題名が示す通り双六が重要な位置を占める回であった。清盛と後白河法皇の最後の双六である。双六を打ちながら出会いからこれまでを振り返り、合間合間に思い出が挿入され、双六だけで番組の4分の1を占めると言う大変な回だ。2人の最後の双六と言うことで、こちらも気合いを入れて長丁場の盤面展開を作って行った。しかし、リハーサルで検討の結果、流れを止めないために2人には自由に打ってもらうことになった。双六の盤面や手元は後から撮って挿し込むのである。リハーサルの合間に松山ケンイチさんが走ってきて言った。「先生、双六の特訓をしてください。」後から挿し込めるとは言え、下手なゲームはしたくないとの意気込みであった。
 そして本番日。2人には前半ガチンコで対決してもらい、はっきりしたルール違いが無ければカメラを止めないと言うことで私は調整室から二人の対局を見守った。すでに何度も双六のシーンを撮っているので2人のゲームはかなり白熱した良い展開であった。  最後のシーン直前からは設定しておいた盤面にして、最後はタッチの差で清盛の勝利。  打ち終えた清盛は「2人の双六はこれを最後に」と言い涙した。この涙は台本にはなかった。
清盛になりきった松山さんが感極まって流したものなのである。それを見つめる松田後白河法皇の目も心なしか潤んでいるように見えた。時に10月18日の午前2時頃である。

 


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