第21話 エンカルタ97エンサイクロペディアを使う
子供がようやく退院することができホットしています。前話の最後に書いたようにモニターに当選したマイクロソフトの「エンカルタ百科事典」を使ってみました。このモニターは主婦仲間を集めて使ってみて、それぞれの感想をアンケートに答えることになっている。アンケートの量は負担になるほどではない。
まず、インストールすると最初に著作権に関する事項についての同意を求められる。同意しなかったら使うことができない。実際この部分を読んで同意しない人なんかいないと思う。法律的には根拠のある問いなのだろうか? 使うには同意するしかないので、同意しインストールを終えた。あっけないくらい簡単にインストールできる。でも、ママのコンピュータに何がインストールされたのかはよく分からない。CD-ROMのソフトだからCDがあれば使えそうなものなのに何かインストールする必要があるようです。
起動するとオープニング時にテーマ音楽が流れたりして、やはり百科事典というよりエンターテイメントソフトのようです。検索のソフトも単なる見出しの検索だけでなく、ガイドツアーや動画や音声、地図が登録されているものだけを一覧したりするメニューがあります。普通の百科事典なら調べたい見出しで探すのであって、百科事典に載っている写真のページだけを探したりしないもの。
以下、ママの独断による感想です。
【いいと思う事】
- 17,500項目というのは百科事典としては少ないかも知れないが、歴史、科学、文学、動植物、生活などなど広範囲の情報が収まっている。写真や絵の情報もかなり詰まっていて、昔教科書で見たような絵を見ることができる。
- 「言葉で探す」というメニューから全文検索のようなことができて、見出しにない項目も探すことができる。この検索がとても早いのがいい。第18話で書いた辞典盤の全文検索は本当に端から探すようで遅かったが、この言葉で探す検索は早い。
例えばハレー彗星という項目はなかったが、宇宙探査、金星、彗星などの項目に載っていることが見つかりました。探したい項目がある場合には、まずこの「言葉で探す」というメニューで探した方が早道です。
- TVや新聞などで出てきた言葉、地名、人物や歴史について、ちょっと調べたいいう場合には結構使えるかもしれない。この膨大な情報が1枚のCD-ROMに収まって、1万数千円で買えるのはすばらしいことだと思う。一家に1枚あっても損はないと思う。紙の百科事典のように場所をとらないし。
- 世界の言葉は結構面白い。各国の言葉で挨拶やYes/No、数字の数えかたを声で聞くことができる。現実の語学の勉強にはならないけど、普段聞くことのない世界中の言葉を実際に聞くことができる。各国の国旗や国歌(音楽)も結構入っていたりする。それがどうだ、と言われると困るけど、楽しいじゃない。
- 昨年大騒ぎになったO-157が載っていたりして、結構新しい情報が入っていたりするのはいい。また、エンカルタは2年おき位にアップデート版がでるようだ。こういったサポートはいいな。紙の百科事典でも「年鑑」が追加されていくもの。
【不満や提案など】
- ウグイスの声はないのに、アーカンソー州の鳥であるマネシツグミ(そんなの知らない)の声が入っていたりする。カッコウやスズメの声は入っていた。長い間、声と姿を間違えられていた事で有名なブッポウソウもコノハズクの声もない。鈴虫の声もなかったりする。また、ヒトラーの演説は音声があるが、玉音放送はない。登録されている情報に偏りがある感じがする。
- 音声+アニメで解説している項目が100以上あるがあまり役に立つとも思えない。「CDの音のでるしくみ」というのが音声+動画(アニメ)で説明されていましたが、こんなものは、構造の絵と文字による解説があれば十分だと思う。アニメや音声に記憶容量やコストをかけるなら、その分文字情報を充実させた方がいい。
- ガイドツアーという機能には、夢の実現者、ユニークな人生、植物と動物など10種類くらいのテーマ(10種の下にさらに細かいテーマがある)で関連する項目を順次見ることができる。ツアーの対象となる項目には写真か音声がついておりマルチメディア辞典をアピールしている。でも、あまり役に立たない。
- 歴代の総理大臣や米国大統領、ノーベル賞受賞者が表になっているのはいいけど、業績などの説明がないし、表からその人物の見出しに飛んでいけないのは残念です。全体的にリンクが少ないように思います。せっかくディジタルなハイパー辞典なんだから、こういったリンクで頑張って欲しい。へたな動画と入れるより役に立つと思うなぁ。
- ピンポイント検索で見出し語にあっても直接その項目には飛んでいかないものが結構あって残念。ジュラ紀をクリックしたら「ジュラ紀->中生代」となり、中生代をクリックしないと解説にたどりつけない。
最近、諫早湾で話題のムツゴロウも「ムツゴロウ->トビハゼ」となっていた。解説を読むとトビハゼとムツゴロウは違うものなのに何故このようになっているのかしらん。普通の辞典だとこのような矢印リンクで記載されている場合は同じ意味を表しているんだけどなぁ。ちょっと違和感がある。
主婦友達への紹介と感想を聞く件は、子供の退院のお祝いに遊びに来てくれた2人の友達にお願いした。子供たちが騒ぎまわる中、モニターの件を話し、ちょっとだけつきあってもらいました。我が家の子供も含めて子供が7人にもなると家中大騒ぎになってしまう。
どちらも友達の自宅にもパソコンがある。でも殆どはご主人が使っているだけのようです。
珍しそうに見てくれたが、あまり興味はわかないようでした。まず、パソコンの操作を覚えないと使えないのと、調べたいときにすぐに使えないのがまずそうです。パソコンの電源を入れて、Windowsが起動されるのを待って、CD-ROM入れてエンカルタが起動されるのを待つ。この時間がもどかしい。
検索する文字もキーボード入力なので、普段からパソコンやワープロを使っていない人には敷居が高すぎるようです。写真も紙のメディアに比べると見劣りするし、動画なんかTVと比べると全然比較にならない。パソコンを使い慣れていない人には受けないようです。15,000円も出して買いたいとは思わないと言われてしまった。トホホ、、、
エンターテイメントソフトというより、子供の教育ソフトだという面をアピールした方が世のお母さん達の財布の紐は緩むんではないでしょうか。
図書館が棚卸しの長期休みに入る前に、リクエストしていた「アップデート版 ビル・ゲイツ未来を語る」を借りることができました。以前の版も読みましたが、インターネット関係の章が書き直されているということで読んでみることに。
前話で書いた「インターネットはからっぽの洞窟」とは全く対照的な内容です。インターネット、PCによって実現されるバラ色の未来象が述べられている。ここまで書かれるとストールさんが、一歩下がって冷静に考えようよ、というのもうなずける。
この本の6章 コンテント革命に「エンカルタ百科事典」のことが書かれている。全項目26,000となっており日本版より項目が多い。リンクが30万件となっているけど、日本版を使ってみた感じでは、そんなにない感覚を受ける。また値段が$60とのことで日本の半額くらいだ。確かに日本語版にするのには経費がかかるうえ、売れる枚数も違うからしかたないのかな。数の面で日本語はハンデがあるな。世界中で1億ちょっとの人しか使ってないんだからなぁ。
ちなみに本に載っていた「ウード」(エジプトの楽器)の音と、大英帝国の国王エドワード8世の退位演説は聞くことができた。このあたりは、翻訳するときちゃんとチェックしているのかな^_^;
まとめ
CD-ROM辞典は紙の百科事典と比べると収納面、検索(とくに関連項目リンク)、動画、音声など強みが沢山ある。しかし、エンカルタについては、各項目の説明内容のレベルがちょっと物足りないのとリンク付けが不満。小中学生向けの百科事典というレベルかな。音声や映像を楽しむという面のエンターテイメントソフトとしては動画や音声情報は少ないし、写真などもそれほど綺麗という訳でもない。マルチメディア辞典をアピールしようというあまり、ちょっと中途半端な製品になってしまった印象を受ける。
しかし、小中学生向けの辞典としては十分使えそうだ。教育ソフトとして売り込んだ方が売れるのではないでしょうかね。我が家の子供たちはまだ百科事典を使う年ではないが、将来はきっとこのような百科事典を使うだろう。これからこのようなコンテンツ製品が増えることを期待したい。
学生や大人向けにはジャンル毎に分冊になったCD-ROM辞典もいいかもしれない。でも、あまり売れないから高いものになってしまうのかな。
以上、勝手なことを書きましたが、エンカルタは基本的には気に入っています。最近発売された?ワールドアトラス(世界地図帖)のCD-ROMも使ってみたいと思っています。最近、内戦やら難民問題その他で小さな国の名前がTVにでたりするけど、その国のことは殆ど知らないのが実状です。そんなとき、少しは役に立つかなと思っています。紙の地図帖でもいいんだけど場所をとるし、やっぱりこれからはディジタル情報時代だと思っているので、、、
アンケートも記入して、ついでにこのページも印刷して一緒に送りました。さて、こんなモニター報告で役に立つのでしょうか???
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M.Nakamura Jun 21,'97