イスタンブル 要塞・城壁
コンスタンティノープルの陥落を読むと、城壁・要塞が都市の防衛の要だったことが分かる。ぜひ見たくなり色々と巡った。我ながらかなりマニアックだと思う。
ルメリ・ヒサリ
トラムで終点のカバタスへでて、バスターミナルからバスでボスポラス海峡の要所(海峡が一番狭い場所)にあるルメリ・ヒサリに向かう。しかし、バスターミナルなのに路線図がなくて、どの乗り場のどのバスにのればよいのか分からない。
なんとかそれっぽい行き先のバス停があったのでバスを待ち、やって来たバスに乗ってみる。時間はたっぷりあるから間違えてもいいや、と段々とアバウトな自分になる。しかし途中から海沿いを離れていくので若干は心配になる。GoogleMapでバスの位置を確認してみると、大回りして目的地に向かいそう。ファーティフ・スルタン・メフメット大橋(第二ボスポラス大橋)が見えてきた丘の上でバスは終点。
 ルメリ・ヒサリ方面に向かうバスの中
|
 GoogleMapでナビゲーション
|
ルメリ・ヒサリは、遥か下のほうに見える。GoogleMapを頼りに急な細い坂道を降りていく。ヒサリの裏側に辿り着いたが、入口が分からない。通りかかったおばさんに訪ねたら、英語が分からないとのジェスチャー。近所の英語が分かるおじさんを紹介してくれた。おじさんの英語とジェスチャーで何とか理解。思っていた方向と違う方だったので聞いて良かった。
 バス終点近くの公園から見えた大橋
|
 地元の人しか通らない道を下る
|
ヒサリはミュージアムになっていて、入口でセキュリティチェックがある。X線装置ほど大袈裟なものはなく、バッグの中をチェックするというもの。バッグ内のGPSロガーを見つけられ、これは何だ?と問われたが、無事に通過。
 ルメリ・ヒサリ・ミュージアム入口
|
 その昔、海峡を狙っていた大砲
|
 中央、一番下にある塔
|
 塔の中
|
高いところまで登れるが、手すりなどの安全柵は無く落ちたら怪我では済まない。石畳が濡れているところもあって滑りそうで怖い。
 ここから海峡を監視
|
 2日前、船からみたヒサリ(左上の塔の真下まで登った)
|
この日、観光客は殆どいなかった(いつもいないのかもしれない)が、小学校3、4年生位の一団が来ていて賑やかだった。挨拶してきたので、英語で話しかけると英語が話せる生徒が何人かいた。どこから来たのか?何の勉強しているのか?などお喋りをして別れた。日本の小学生はなかなかここまで喋れないぞ。
帰りはボスポラス海峡沿いを走るバスで帰ろうと、バス停を目指して歩いているとかなり手前でバスが来てしまった。しかし、手を振って乗りたい旨をアピールしたら止まってくれ、無事に乗ることができた。ありがとう。
テオドシウスの城壁(エディルネカプ近く)
カーリエ博物館を訪ねたあと、コンスタンティノープル北側を守っていたテオドシウスの城壁跡を見に行った。5世紀の皇帝テオドシウス2世が作った三重の城壁だ。近づくと城壁に登っている人が見えたので、登ってみることに。
岩登りに近い、手足を使わないと登れないほぼ垂直の階段を登る。城壁の上には手すりもなく、自己責任の世界。ここでは三重の城壁の痕跡は見えなかった。
しかし、イスタンブルの街が360度見渡せる素晴らしい場所でした。ほぼ垂直の階段は降りるときの方が怖かった。
 城壁跡(城壁の内側)
|
 ほぼ垂直の石段を登る
|
 垂直の石段を登ったところから見える塔
|
 城壁の右側が昔のコンスタンティノープル市街
|
 向こうに見えるのはミフリマー・スルタン・ジャーミィ
|
 道を渡り、振り返る
|
テオドシウスの城壁(トプカプ駅近く)
別の日、アジアサイドからメトロブスで旧市街側に戻った際、乗換のトプカプ駅近くにテオドシウスの城壁が見えたので近づいてみた。このあたり、公園として整備されていて良い感じ。天気も素晴らしい。
復元工事が行われていない感じの、石やレンガが崩れている場所から城壁の内側に入ってみると三重の城壁の痕跡らしきものが見えた。
 トプカピ駅(城壁の外側)から城壁を眺める
|
 左奥は復元されていて右手前は当時のまま?
|
 復元修理されていない城壁
|
 これが三重の城壁跡か?
|
マルマラ海側の城壁跡
ブルーモスク裏手にあるアラスタバザールから坂道を下っていくとマルマラ海にでた。海沿いの遊歩道をボスポラス海峡の入口に向かって歩く。途中、海からの侵入を防ぐための城壁跡が見えてきた。城壁跡に沿って歩くとその規模が感じられる。修復されているところもあるが、崩れかけているところも多い。
大きいので今日では維持するのが大変だろう。しかし、重機もない時代にはキチンと整備され、多数の兵が行き来していたのだ。都市を守るために必死だった時代を感じると共に、桁外れにでかい中国の万里の長城はどれだけ大変なことだったのか。
 ボスポラス海峡入口の灯台、右側はマルマラ海
|
 マルマラ海からの侵入を防ぐ城壁跡
|
 後ろに見えるのはトプカプ宮殿
|
 マルマラ海とボスポラス海峡入口
|
色々廻ったが、地味なせいかいずれも観光客は殆どおらず、日本人にも全く会わなかった。普段、歴史にはあまり興味はないが、コンスタンティノープルの陥落を読んだおかげで、戦乱の時代に思いを馳せることができて楽しむことができた。
|